| 法令の情報時期:2019年7月 統合版 | ページ作成時期:2026年07月 |
目的
本指令は、以下の事項を目的としている。
■ ディスプレイ装置を使用する作業における、安全および健康に関する最低要件を定めること。
■ 労働安全衛生枠組み指令(89/391/EEC)の枠組みの中で、ディスプレイ装置作業特有のリスクから労働者を保護すること。
概要
本指令は、コンピュータのディスプレイ等の表示機器を日常的に使用する労働者の健康障害を防止するため、ワークステーションの設計や作業管理に関する基準を規定している。
■ 背景:労働安全衛生枠組み指令(89/391/EEC)の第16条(1)に基づく「第5の個別指令」である。
■ 問題意識:ディスプレイ装置を用いた作業が、視力への影響、身体的問題(姿勢等)、および精神的ストレスを引き起こす可能性に注目し、これらを予防することを目指している。
■ 適用範囲:通常の業務の重要な部分として習慣的にディスプレイ装置を使用する労働者、およびディスプレイ装置、入力機器、ソフトウェア、周辺機器、作業環境(デスク、椅子等)を含む「ワークステーション」が対象となる。
■ 主な要件:雇用主によるリスク評価の実施、設備の技術的要件(附属書)への適合、定期的な中断の計画、および視力検査の提供。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
法令全体の適用から除外となる対象は以下の通り。
■ 車両または機械の運転台または制御室。
■ 輸送機関内のコンピュータシステム。
■ 主として公衆による使用を意図したコンピュータシステム。
■ ワークステーションで長時間使用されることがない「ポータブル」システム。
■ 計算機、レジその他装置の使用に必要な小型表示部を備えた設備。
■ 「表示ウィンドウ付タイプライター」として知られる伝統的なデザインのタイプライター。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
雇用主は、以下の要件を条項別に遵守しなければならない。
ワークステーションの分析と評価(第3条)
■ 雇用主は、特に視力、身体的問題、および精神的ストレスに関するリスクを評価するため、ワークステーションを分析する義務がある。
■ 評価に基づき、発見されたリスクを是正するために、リスクの相加的・相乗的影響を考慮した適切な措置を講じなければならない。
最低要件への適合(第4条、第5条)
■ 1992年12月31日以降に初めて供用されるワークステーションは、附属書に定められた最低要件を満たさなければならない。
■ それ以前から使用されているワークステーションについては、1992年12月31日から4年以内(1996年末まで)に、附属書の最低要件に適合するよう調整しなければならない。
作業サイクルの計画(第7条)
■ ディスプレイ装置による日々の作業が、休憩または活動の変更によって定期的に中断され、ディスプレイ上での作業負荷が軽減されるよう、労働者の活動を計画しなければならない。
労働者への情報提供と訓練(第6条)
■ 労働者は、第3条(評価)、第7条(中断)、第9条(視力保護)に基づき実施される措置を含め、自らのワークステーションに関する安全衛生のあらゆる側面について情報を受け取る必要がある。
■ あらゆる場合において、労働者またはその代表者は、本指令の遵守のために講じられたすべての安全衛生措置について知らされなければならない。
■ すべての労働者は、ディスプレイ作業を開始する前、およびワークステーションの組織が大幅に変更されるたびに、その使用方法に関する訓練を受けなければならない。
労働者の眼および視力の保護(第9条)
■ 労働者は、ディスプレイ作業を開始する前、その後は定期的な間隔で、適切な眼および視力検査を受ける権利を有する。さらに、ディスプレイ作業に起因すると思われる視覚的な困難を経験した場合も同様である。
■ 上記の検査の結果、必要と認められた場合には、眼科的検査を受ける権利がある。
■ 検査の結果必要と判断され、かつ通常の矯正器具(一般的な眼鏡等)が使用できない場合は、当該作業に適した「特殊矯正器具」を労働者に提供しなければならない。
■ これらの措置に要する費用を労働者に負担させてはならず、国の健康保険制度等の一部として提供することも可能である。
政府への要件を通じた将来的影響(第10条、第10a条、第10b条)
■ 欧州委員会は、技術の進歩や国際的な規制・仕様の変化、およびディスプレイ装置分野の知見を反映させるため、附属書の技術面のみを行う権限を有している。
■ この権限は2019年7月26日から5年間付与されており、反対がない限り自動的に更新される。
■ 緊急の重大なリスクがある場合には、「緊急手続き」により迅速に修正が導入される。
■ これにより、将来的に附属書に定める「ディスプレイ装置、キーボード、デスク、椅子の仕様」や「照明、騒音、湿度などの環境基準」が更新され、国内法を通じて事業者に新たな技術的適合が求められる可能性がある。
注目定義
■ 「ディスプレイ装置」(display screen equipment)
| アルファベット、数字、またはグラフィックを表示する画面を指す。表示プロセス(表示の仕組み)の種類は問わない。 |
■ 「ワークステーション」(workstation)
| ディスプレイ装置、キーボードまたは入力デバイス、オペレーターと機械のインターフェースを決定するソフトウェア、アクセサリ、周辺機器(ディスクドライブ、電話、モデム、プリンタ等)、書類ホルダー、作業椅子、作業机、およびそれらを取り巻く直近の作業環境を含む一連の設備を指す。 |
■ 「労働者」(worker)
| 本指令の対象となる労働者は、通常の業務の重要な部分として、習慣的にディスプレイ装置を使用する者を指す。 |
目次
第I部:一般規定
第1条:対象事項
第2条:定義
第II部:雇用主の義務
第3条:ワークステーションの分析
第4条:初めて供用されるワークステーション
第5条:すでに供用されているワークステーション
第6条:労働者への情報提供および訓練
第7条:日々の作業ルーチン
第8条:労働者の協議および参加
第9条:労働者の眼および視力の保護
第III部:雑則
第10条:附属書の修正
第10a条:委任の行使
第10b条:緊急手続き
第11条:最終規定
第12条:宛先
附属書:最低要件(第4条および第5条関連)
注意
- 設備
(a) 一般的コメント
(b) ディスプレイ画面
(c) キーボード
(d) 作業机または作業面
(e) 作業椅子
- 環境
(a) スペース要件
(b) 照明
(c) 反射およびまぶしさ
(d) 騒音
(e) 熱
(f) 放射
(g) 湿度
- オペレーターとコンピュータのインターフェース
(a) ソフトウェアの作業適合性
(b) 使いやすさと適応性
(c) パフォーマンスのフィードバック
(d) 情報の形式とペース
(e) ソフトウェア人間工学の原則適用
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | ディスプレイ画面装置を使った作業における安全衛生最低要件に関する1990年5月29日付欧州理事会指令90/270/EEC(指令89/391/EEC第16条第1項の意味における第5の個別指令) |
| 公布日 | 1990年06月21日 |
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