| 法令の情報時期:2026年07月 公布 | ページ作成時期:2026年09月 |
目的
本規程は、連邦通信委員会(FCC)が3.98-4.2GHz(アッパーCバンド)を再編し、次世代の無線サービスに向けた利用環境を拡大することを目的とする。具体的な目的は次のとおり。
■ 3.98-4.14GHzの160MHzを地上系無線の柔軟利用に開放し、既に地上系へ移行済みのローワーCバンドと合わせて、3.7-4.14GHzにまたがる単一の「3.7GHzサービス」を構成すること
■ One Big Beautiful Bill Act(OBBB法)が定める、3.98GHzから4.2GHzの間の100MHz以上について同法の制定から2年以内に競売の仕組みを完了させるという議会の指示を履行すること
■ 既存の固定衛星業務(FSS)の運用を移行させ、その費用を新規免許人の負担により補填する枠組みを設けること
■ 隣接する4.2-4.4GHzを使用する航空機の電波高度計との共存を確保すること
概要
Cバンドのうち下側の3.7-3.98GHz(ローワーCバンド)は、先行する手続によって既に地上系無線の柔軟利用に供されている。本規程は、その上側にあたるアッパーCバンドを対象として、周波数分配の変更、競売による免許の付与、既存FSSの移行、および隣接帯域の電波高度計との共存を一体的に定めるものである。
分配については、4.0-4.16GHzに一次の非連邦移動業務(航空移動業務を除く)を全米で追加し、本土48州およびコロンビア特別区においてはFSSの分配を削除する。4.14-4.16GHzの20MHzは、4.16-4.2GHzへ再配置される既存FSSを保護するためのガードバンドとして扱う。
免許は、3.98-4.14GHzを20MHz幅の8ブロックに分割し、部分経済圏(PEA)を地理的単位として競売により付与する。免許期間は15年であり、免許人には、当該PEAで再編・クリアされた周波数へアクセスできるようになる時点(移行期限)を起算点とする人口カバー率の要件が課される。あわせて、対象となる既存FSS事業者の移行費用の補填と、対象となる航空機の所有者・運用者に対する電波高度計の改修に係るリベートの提供が義務付けられる。
規則の発効日は2026年09月29日である。ただし、情報収集の要件を含む一部の条項は、行政管理予算局(OMB)の承認後に連邦官報で発効日が告示されるまで発効しない。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
■ 本土48州およびコロンビア特別区の外にある地域(アラスカ州、ハワイ州および米国領)については現状が維持され、本規程による周波数の再編の対象外である。これらの地域では、固定業務(FS)のリンクも4.0-4.2GHzで引き続き使用される
■ 4.14-4.16GHzの20MHzは、移動業務への分配は行われるもののサービス規則が設けられないため、免許人はこの範囲でサービスを提供することができない
■ 4.16-4.2GHzの40MHzは、既存FSSの運用のために維持され、移動業務の分配は追加されない
■ 4.2-4.4GHzへの不要発射に関して新たに定められた伝導電力−46dBm/MHzの限度値は、2023年以降ローワーCバンドの免許人が自主的に遵守してきた−48dBm/MHzの運用に実質的な影響を及ぼさず、既存の展開は事実上そのまま継続できる扱いとなる
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
1. 新規アッパーCバンド免許人(地上系無線事業者)
■ 免許は3.98-4.14GHzを20MHz幅の8ブロック(合計160MHz)に分割し、部分経済圏(PEA)を地理的単位として付与される。免許期間は交付または更新の日から15年である(本規程 II.B.2.a 帯域計画、II.B.2.d 免許期間)
■ 参入資格はオープンであり、国家安全保障および適格性に関する要件を除く制限は設けられない。競売は連邦規則集第47編第1部サブパートQの競争入札手続に従って実施され、中小企業には15%、極小企業には25%、地方サービス事業者には15%の入札控除が適用される(本規程 II.B.1 競争入札手続、II.B.2.b 申請要件および資格)
■ 性能要件として、移行期限から2年以内に各免許区域の人口の45%を、6年以内に80%をカバーしなければならない。第1の基準を満たせなかった場合は第2の基準の期限が1年前倒しされ、第2の基準を満たせなかった場合は当該免許区域の免許が自動的に終了する(本規程 II.B.2.e 性能要件・更新)
■ 空中線電力は、固定局・基地局について地方以外の区域で1MHzあたり1640ワットEIRP、地方の区域で1MHzあたり3280ワットEIRPを上限とする。移動局・携帯機器は2ワットEIRPを上限とする(本規程 II.B.3.a 電力レベル)
■ 4.2-4.4GHzへの帯域外発射は、EIRPで−28.4dBm/MHz、または伝導電力で−46dBm/MHzのいずれかの限度値を満たさなければならない(本規程 II.B.3.b 帯域外発射)
■ 空中線の高さは地上450フィート以下としなければならない(本規程 II.B.3.c アンテナ高の制限)
■ サービスエリアの境界においては、地上1.5メートルの高さで−76dBm/m²/MHzの電力束密度(PFD)の限度値を満たさなければならない(本規程 II.B.3.d サービスエリア境界の限度値)
■ メキシコおよびカナダとの国境付近の運用については、国際協定の遵守を求める連邦規則集第47編§27.57(c)が適用される(本規程 II.B.3.e 国境に関する要件)
■ 機器の認証に関する連邦規則集第47編§27.51をはじめ、第27部の各サービスに共通して適用される技術規則が適用される(本規程 II.B.3.f その他の第27部の規則)
■ 既存FSSの地球局および遠隔計測・追跡・指令(TT&C)用地球局の保護に関する要件が課される(本規程 II.B.3.g、II.B.3.h)
■ 周波数の保有については競売前の上限は設けられないが、競売の終了後、当該160MHzが周波数スクリーンに追加され、個別の審査の対象となる(本規程 II.B.2.c 移動体周波数保有)
■ 対象となる既存FSS事業者が負担する合理的かつ必要な移行費用を補填しなければならない。補填はアッパーCバンド・クリアリングハウスを通じて行われる(本規程 II.C.4 移行費用の補填、II.C.6 アッパーCバンド・クリアリングハウス)
■ 連邦航空局(FAA)が定める電波高度計の改修要件への対応を支援するため、対象として定められる区分の航空機の所有者および運用者に対してリベートを提供しなければならない(本規程 II.D 隣接帯域の電波高度計との共存)
2. 既存FSS宇宙局の運用者
■ 本土48州およびコロンビア特別区において、対象となる周波数からFSSの運用を退出させ、4.16-4.2GHzその他の周波数へ移行しなければならない(本規程 II.C.2.a 宇宙局運用の周波数クリア)
■ 移行はアッパーCバンド・クリアリングハウスおよび移行コーディネーターとの調整のもとで行う。定められた移行期限までにクリアの義務を履行した対象事業者にはインセンティブが与えられる(本規程 II.C.3 移行スケジュール、II.C.5 インセンティブ、II.C.7 移転の実務)
3. 既存FSS地球局の運用者
■ 免許を受けた送受信地球局および登録された受信専用地球局等について、免許および市場アクセス承認が変更され、対象となる周波数からの移行または運用の停止が必要となる(本規程 II.C.2.b 地球局運用の周波数クリア)
■ 移行に要する合理的な費用は、クリアリングハウスを通じて新規免許人から補填される(本規程 II.C.4 移行費用の補填)
4. 発効および情報収集要件に係る留意点
■ 規則は2026年09月29日に発効する。ただし、新規または変更された情報収集の要件を含む条項(§25.138(a)および(b)、§25.147、§27.14(x)(3)、§27.1412(b)(c)(e)(g)、§27.1413(a)(3)(c)(1)(c)(9)(e)(f)、§27.1414(e)、§27.1415、§27.1416、§27.1417、§27.1419、§27.1421、§27.1422(c)、§27.1424)は、OMBの承認を経て連邦官報で発効日が告示されるまで発効しない。該当する申請・届出の準備にあたっては、この告示を確認する必要がある
なお、移行期限の具体的な日付、加速移行に係るインセンティブの内容、電波高度計のリベートの対象区分および金額、ならびに既存FSS地球局・TT&C用地球局の保護に関する具体的な数値基準については、本稿の作成にあたり参照できた連邦官報の掲載部分からは確認できず、曖昧な部分が残っていると考えられる。対応の検討にあたっては、規則本文および今後の連邦官報の告示を確認する必要がある。
注目定義
<対象>
■ 「アッパーCバンド」
| 3.98-4.2GHzを指す。本規程により、3.98-4.14GHzが地上系無線の柔軟利用に、4.14-4.16GHzがガードバンドに、4.16-4.2GHzが既存FSSの運用に、それぞれ再編される |
<対象>
■ 「3.7GHzサービス」
| ローワーCバンド(3.7-3.98GHz)とアッパーCバンド(3.98-4.14GHz)の地上系運用を合わせた、3.7-4.14GHzにまたがる単一のサービス |
<対象>
■ 「移行期限(Transition Deadline)」
| 当該PEAにおいて、アッパーCバンドの免許人が再編・クリアされた周波数へアクセスできるようになる時点。性能要件の期間の起算点となる |
目次
※各条項のタイトルは連邦官報に掲載された文書の見出しに基づく
I. 背景
A. アッパーCバンドおよび隣接帯域の現行の分配と利用
B. 手続の経緯
1. ローワーCバンド
2. 2025年アッパーCバンド調査通知
3. One Big Beautiful Bill Act
4. アッパーCバンド規程案策定通知
II. 報告書および命令、変更案の命令
A. アッパーCバンドの再編および分配
B. 柔軟利用に向けたアッパーCバンドの競売
1. 競争入札手続
2. 免許および運用の規則
a. 帯域計画
b. 申請要件および資格
c. 移動体周波数保有
d. 免許期間
e. 性能要件、更新
3. 技術規則
a. 電力レベル
b. 帯域外発射
c. アンテナ高の制限
d. サービスエリア境界の限度値
e. 国境に関する要件
f. その他の第27部の規則
g. 既存FSS地球局の保護
h. TT&C用地球局の保護
i. その他の事項
C. FSS運用の移行
1. 対象となる既存FSS運用の定義
2. アッパーCバンドにおけるFSS運用の周波数クリア
a. 宇宙局運用の周波数クリア
b. 地球局運用の周波数クリア
3. 移行スケジュール
4. 移行費用の補填
5. インセンティブ
6. アッパーCバンド・クリアリングハウス
a. クリアリングハウスの職務
b. クリアリングハウスの選定
7. 移転の実務
D. 隣接帯域の電波高度計との共存
E. 次の段階
III. 再審理の命令
IV. 手続事項
V. 最終規制柔軟性分析
A. 規則の必要性および目的
B. パブリックコメントで示された重要な論点の要約
C. 中小企業庁法律顧問室への対応
D. 影響を受ける小規模事業者の記述および推計
E. 小規模事業者に対する遵守要件
F. 小規模事業者への影響を最小化するための措置
G. 議会への報告
VI. 命令条項
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | アッパーCバンド(3.98-4.2GHz)、3.7-4.2GHz帯の柔軟利用の拡大 |
| 公布日 | 2026年07月31日 |
| 所管当局 | 連邦通信委員会(FCC) |
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