| 法令の情報時期:2020年10月 公布版 | ページ作成時期:2026年06月 |
目的
本法は、以下の事項を目的として制定されている。
■ 特許権者の合法的な権利と利益の保護。
■ 発明創造の奨励およびその応用の推進。
■ イノベーション能力の向上ならびに科学技術の進歩と経済社会発展の促進。
概要
本法は、中国における発明、実用新案、および意匠(これらを総称して「発明創造」という)の保護と管理を規定する基本法である。
本法における「発明」は製品や方法等の新しい技術案を指し、「実用新案」は形状や構造に関する実用的技術案を、また「意匠」は形状、図柄、色彩の結合による工業的応用に適した新デザインを指す。
背景として、特許制度を通じて技術革新を促す国家戦略があり、国務院の専利行政部門が全国の専利工作を一元的に管理し、各地方政府の部門がそれぞれの行政区域内の管理を担う体制となっている。
主な要件には、専利権の付与条件(新規性、創造性、実用性)、申請手続き、権利の期限と保護、および実施に関する特別許可が含まれる。
本法は1984年に採択され、直近では2020年10月17日に改正(第四次修正)が行われ、2021年6月1日から施行されている。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
■ 専利権を付与しない発明創造(第一章:総則 第5条)
法律や社会公徳に違反するもの、または公共の利益を妨害する発明創造には専利権を付与しない。また、遺伝資源の取得・利用が法令に違反している場合も対象外となる。
専利権の対象外事項(第二章:専利権付与の条件 第25条):以下の事項には専利権を付与しない。
■ 科学上の発見
■ 知的活動の規則および方法
■ 疾病の診断および治療方法
■ 動物および植物の品種(ただし、その生産方法は付与対象となり得る)
■ 原子核変換方法およびそれにより得られる物質
■ 平面印刷物の図柄、色彩等の識別を主目的とするデザイン
■ 侵害とみなさない行為:専利製品が適法に販売された後の使用・販売、申請日前の既実施範囲内での継続、一時的に領空等を通過する外国輸送工具内での使用、科学研究・実験目的の使用、行政承認のための医薬品・医療機器製造等は侵害を構成しない。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
権利の帰属と報酬に関する要件
■ 職務発明の権利帰属:単位(企業等)の任務遂行または物質的条件の利用により完成した「職務発明創造」の申請権は当該単位に属し、単位が専利権者となる(第6条)。ただし、契約による別段の定めがある場合はそれに従う(第6条)。
■ 発明者への奨励と報償:専利権を付与された単位は、発明者または設計者に対し奨励金を与えなければならない(第15条)。また、実施後の経済的利益に応じた合理的な報償を与える義務がある(第15条)。
■ 専利標識の表示:専利権者は、その専利製品または包装上に専利標識を付す権利を有する(第16条)。
申請および権利維持に関する要件
■ 申請書類の提出:発明・実用新案の申請には請求書、説明書、要約、権利要求書を、意匠には画像や簡要説明を提出しなければならない(第26条、第27条)。
■ 優先権の主張:外国での初回申請から12カ月以内(意匠は6カ月以内)に中国で申請する場合、優先権を主張できる(第29条)。
■ 年費の納付義務:専利権者は、付与された年から規定の年費を納付しなければならない(第43条)。未納の場合は期限満了前に権利が終了する(第44条)。
実施および保護に関する要件
■ 実施許諾と譲渡:他人の専利を実施するには、権利者と書面による実施許諾契約を締結し、使用料を支払わなければならない(第12条)。権利を譲渡する場合は書面契約を締結し、国務院専利行政部門に登記して公告する必要がある(第10条)。
■ 外国への申請と保密審査:中国で完成した発明等を外国へ申請する場合、事前に保密審査(機密保持審査)を受けなければならない(第19条)。
■ 開放許可(オープンライセンス):権利者が自発的に誰にでも実施を許諾する意思を声明した場合、開放許可制度が適用される(第50条)。実施を希望する者は、書面で通知し、公告された基準に従い料を支払うことで実施権を得る(第51条)。
■ 強制許可への対応:正当な理由なく実施されていない場合や、公共の利益・健康のために必要な場合、行政部門が他者へ実施の強制許可を与えることがある(第53条~第55条)。
将来的に事業者へ影響を及ぼすと思われる内容
■ 不合理な遅延に対する期限補償:発明専利の付与までに不合理な遅延(申請日から4年かつ実質審査請求から3年経過後)があった場合、権利者の請求により期限補償がなされる可能性がある(第42条)。新薬の発売審査による遅延も最長5年の補償対象となる(第42条)。
■ 賠償額の算定と証拠提示:故意かつ重大な侵害には1倍以上5倍以下の懲罰的賠償が科される可能性がある(第71条)。また、侵害者の帳簿資料の提示が命じられ、拒否した場合は権利者の主張を参考に賠償額が判定されるリスクがある(第71条)。
注目定義
目次
※各条項のタイトルは内容に基づき当社で仮設定
第一章 総則
第1条:立法目的
第2条:発明創造の定義
第3条:管理体制
第4条:保密義務
第5条:不付与の対象
第6条:職務発明の帰属
第7条:発明者の権利保護
第8条:共同・委託発明の帰属
第9条:重複付与の禁止
第10条:権利の譲渡
第11条:専利権の効力(実施の制限)
第12条:実施許諾
第13条:公布後の暫定報酬
第14条:共有権利の行使
第15条:発明者への奨励・報償
第16条:署名権と専利標識
第17条:外国人の申請原則
第18条:専利代理の委託
第19条:海外申請の保密審査
第20条:誠実信用の原則
第21条:行政部門の職責と保密義務
第二章 専利権付与の条件
第22条:発明・実用新案の要件(三要素)
第23条:意匠の要件
第24条:新規性喪失の例外
第25条:専利権の不付与事項
第三章 専利の申請
第26条:発明・実用新案の提出書類
第27条:意匠の提出書類
第28条:申請日の確定
第29条:優先権の主張
第30条:優先権の手続き
第31条:単一性の原則
第32条:申請の取下げ
第33条:申請の修正
第四章 専利申請の審査と批准
第34条:発明の早期公布
第35条:実質審査の請求
第36条:実質審査の資料提出
第37条:審査の意見陳述
第38条:申請の却下
第39条:発明専利の付与・登録
第40条:実用新案・意匠の付与
第41条:再審の請求と出訴
第五章 専利権の期限、終了と無効
第42条:専利権の期限と遅延補償
第43条:年費の納付
第44条:専利権の期限前終了
第45条:無効宣告の請求
第46条:無効審査と出訴
第47条:無効宣告の効力と遡及
第六章 専利実施の特別許可
第48条:公共サービスの強化
第49条:国営企業専利の普及
第50条:開放許可(オープンライセンス)の声明
第51条:開放許可の取得手順
第52条:開放許可の紛争解決
第53条:不実施等への強制許可
第54条:緊急事態等への強制許可
第55条:公共健康への強制許可
第56条:依存関係にある発明への強制許可
第57条:半導体技術の制限
第58条:強制許可の供給範囲
第59条:強制許可の証拠提示
第60条:強制許可の決定と終結
第61条:強制許可の非独占性
第62条:強制許可の使用料
第63条:強制許可決定への出訴
第七章 専利権の保護
第64条:保護範囲の確定基準
第65条:侵害紛争の解決・行政処理
第66条:新製品・実用新案の証明責任
第67条:既存技術・デザインの抗弁
第68条:専利詐称への罰則
第69条:行政部門の調査権限
第70条:重大事案の行政処理
第71条:損害賠償額の算定
第72条:訴前提訴・保全措置
第73条:証拠保全
第74条:訴訟時効
第75条:侵害とみなさない行為
第76条:医薬品専利紛争の早期解決制度
第77条:善意の第三者の保護
第78条:秘密漏洩への刑事責任
第79条:行政部門の関与禁止
第80条:公務員の職権濫用への責任
第八章 附則
第81条:手数料の納付
第82条:施行日
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 特許法 |
| 公布日 | 1984年03月12日 |
| 所管当局 | 国務院専利行政部門、省・自治区・直轄市人民政府専利管理部門 |
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