| 法令の情報時期:2014年05月 統合版 | ページ作成時期:2026年06月 |
目的
本指令の主な目的は、以下の通りである(前文(2)~(6)・(14)参照)。
■ 特定の公共及び民間のプロジェクトが環境に及ぼす影響を評価するための原則を調和すること。
■ 環境に重大な影響を及ぼす可能性のあるプロジェクトの許可手続を補完・調整すること。
■ 予防原則、予防的措置、環境損害の発生源における是正及び汚染者負担の原則に基づき、計画立案及び意思決定プロセスのできる限り早い段階から環境影響を考慮すること。
■ プロジェクトの環境影響を評価し、人の健康の保護、生活の質の向上、種の多様性及び生態系の再生産能力の維持に貢献すること。
概要
■ 背景・問題意識: 本指令は、特定のプロジェクトが環境に及ぼす影響を評価するための枠組みを定めたもので、従来の指令(85/337/EEC)及びその後の改正を法典化したものである。持続可能な発展を支えるため、プロジェクトの初期段階で環境への影響を考慮することを重視している。
■ 適用範囲: 環境に重大な影響を及ぼす可能性のあるプロジェクト(建設工事、その他の設置の実施、自然環境への介入等)を対象とする(第1条参照)。
■ 期待される効果: プロジェクトの実施前に適切な評価を行うことで、環境破壊を未然に防ぎ、あるいは悪影響を最小限に抑えることが期待される。
■ 施行時期: 本指令は2012年2月17日に発効した(第15条)。その後、2014年の指令(2014/52/EU)による改正を経て、現在の運用が行われている。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
■ 防衛及び緊急事態: 防衛のみを目的とするプロジェクト、又は民間緊急事態への対応のみを目的とするプロジェクトについて、加盟国が指令の適用により悪影響が及ぶと判断した場合、個別の事案ごとに除外できる(第1条第3項参照)。
■ 例外的な免除: 特定のプロジェクトにおいて、指令の規定を適用することでプロジェクトの目的に悪影響が及ぶときは、加盟国は例外的にそのプロジェクトを免除できる。ただし、本指令の目的は満たされる必要がある(第2条第4項参照)。
■ 特定の国内法に基づくプロジェクト: 特定の国内法によって採択されたプロジェクトについて、加盟国は、公開協議に関する規定を免除することができる。この場合も、本指令の目的は満たされる必要がある(第2条第5項参照)。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
事業者は本指令において「開発者(developer)」と位置づけられ、以下を行う必要がある。
■ プロジェクトの分類と評価義務の確認 事業者は、自身の計画するプロジェクトが以下のいずれに該当するかを確認しなければならない(第4条参照)。
- 附属書Iに該当する場合: 必ず環境影響評価(EIA)を実施する必要がある。
- 附属書IIに該当する場合: 加盟国が、個別の審査又は設定した閾値・基準に基づき、評価の要否を決定する(スクリーニング)。
■ スクリーニング情報の提供 附属書IIのプロジェクトについて当局が評価の要否を判断する際、事業者はプロジェクトの特性やプロジェクトが環境に及ぼす可能性のある重大な影響に関する情報を提供しなければならない。この際、附属書IIAに詳述された情報(物理的特性、場所、環境への重大な影響の記述等)を含める必要がある(第4条参照)。
■ 環境影響評価(EIA)報告書の作成と提出 評価が必要とされた場合、事業者は以下の情報を含む報告書を作成し、提出しなければならない(第5条参照)。
- プロジェクトの説明(立地、設計、規模その他の関連する特性に関する情報)
- プロジェクトが環境に及ぼす可能性のある重大な影響の説明
- 環境に及ぼす可能性のある重大な悪影響を回避、防止、軽減し、可能な場合には相殺するために想定されるプロジェクトの特徴や措置の説明
- 事業者が検討した合理的な代替案及び主な選択理由の説明
- 非専門家向けの要約。
また、この報告書は十分な資格を持つ専門家によって作成されなければならない。
■ 環境対策の実施と監視(モニタリング) 開発許可を受けた後、事業者は環境への重大な悪影響を回避・防止・軽減・相殺するために決定された措置等を実施しなければならない。また、加盟国が定めた手順に従い、環境への重大な悪影響についての監視を行う必要がある(第8a条参照)。
■ 将来的な影響(罰則規定等) 各加盟国は、本指令の規定に従って採択された国内法に違反した場合の罰則を定める義務がある。この罰則は「効果的で、比例的で、抑止力のある」ものでなければならないため、事業者は各国の国内法における具体的な制裁措置に留意する必要がある(第10a条参照)。
注目定義
<対象>
■ 「プロジェクト」(project)
| 「プロジェクト」とは、次に掲げるものをいう。 — 建設工事、その他の設置又は計画の実施; — 自然環境及び景観に対するその他の介入(鉱物資源の採取を伴うものを含む); |
目次
※各条項のタイトルは内容に基づき当社で仮設定
第1条:適用範囲及び定義
第2条:加盟国の一般的義務及び評価の統合・免除
第3条:環境影響評価で考慮すべき要素
第4条:評価の要否
第5条:環境影響評価報告書の作成義務及び内容
第6条:関係当局及び公衆の参加
第7条:他の加盟国への影響がある場合の越境協議
第8条:協議結果等の意思決定への反映
第8a条:開発許可の決定内容及び措置等の実施・監視
第9条:決定内容の通知及び情報公開
第9a条:利益相反の回避
第10条:商工業的機密等の保護
第10a条:違反に対する罰則
第11条:司法へのアクセス
第12条:加盟国と欧州委員会の情報交換
第13条:国内法の通知義務
第14条:旧指令の廃止
第15条:発効
第16条:名宛人
附属書I:環境影響評価が必須となるプロジェクト
附属書II:加盟国が評価の要否を判断するプロジェクト
附属書IIA:スクリーニングのために事業者が提供すべき情報
附属書III:スクリーニングにおける判断基準
附属書IV:環境影響評価報告書に記載すべき情報
附属書V:廃止された指令の一覧等
附属書VI:相関表
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 特定の公共及び民間プロジェクトが環境に及ぼす影響の評価に関する2011年12月13日付欧州議会及び理事会指令2011/92/EU(EIA指令) |
| 公布日 | 2012年1月28日 |
| 所管当局 | ― |
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