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解説EU-車載電池耐久性・低温航続距離・システム出力実施規則改正

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法令の情報時期:2026年07月 公布 ページ作成時期:2026年09月

目的

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本規則は、Euro 7規則である規則(EU) 2024/1257の実施規則である実施規則(EU) 2025/1706を改正するものであり、その目的は次のとおりである。

■ 電動車両技術の最新の状況を反映させ、車載電池の耐久性、純電気自動車(PEV)の低温下における電気航続距離、および車載燃料・電力消費監視(OBFCM)に関する要件を取り込むこと(前文(2))

■ 国連規則第83号(09シリーズ)、第154号(04シリーズ)、第168号および第177号の最新の内容と整合させること(前文(1)、(3)、(4)、(8))

■ 適合宣言に標準化された様式を用い、使用過程適合性の確認に必要な情報が正確に提出されるようにすること(前文(5)、(6))

■ 新たなEuro 7の試験・手順に対応できるよう、型式認証証明書の番号体系を規則(EU) 2024/1257の要件と整合させること(前文(7))

概要

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本規則は、M1およびN1カテゴリー等の自動車の排出型式認証に関する実施規則(EU) 2025/1706を改正する欧州委員会実施規則である。改正により、同規則の対象が排気ガス・蒸発ガス排出に加えて、車載電池の耐久性、低温下における電気自動車の航続距離、および電動車両システムの出力にまで拡張される(第1条(1)、(2))。

主な改正点は、試験手順を定める附属書の参照範囲の拡大(第1条(3))、OBFCM装置に関する要件の対象への純電気自動車(PEV)の追加(第1条(4))、使用過程適合性に関する規定の整理と、電池耐久性・低温航続距離・システム出力それぞれの使用過程適合性を定める第10a条から第10c条の新設(第1条(7)から(9))、および附属書I、II、III、XV、XVII、XIX、XXIIの改正(第1条(10))である。

本規則は官報公布の翌日に発効し、同日から適用される。ただし、OBFCM要件へのPEVの追加(第1条(4))は2030年01月01日から、附属書IIを改正する部分(第1条(10))は発効日から18か月後から適用される(第2条)。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

本規則には、法令全体の適用から特定の事業者、製品、施設または行為を免除する規定は置かれていない。

適用時期に関する猶予として、次の2点が定められている(第2条、前文(11))。

■ 純電気自動車(PEV)に対するOBFCM装置の要件(第1条(4))は、2030年01月01日から適用される

■ 附属書IIを改正する部分(第1条(10)のうち附属書IIに係る部分)は、本規則の発効日から18か月後に適用される

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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型式認証の対象範囲の拡大(第1条(1)、(2)、(3))

実施規則(EU) 2025/1706の題名および第1条の適用対象が改められ、同規則は排気ガス・蒸発ガス排出の型式認証に加えて、車載電池の耐久性、低温下における電気自動車の航続距離、および電動車両システムの出力を対象とすることとなった(第1条(1)、(2))。

これに伴い、製造者が適合を証明すべき試験手順を定める第3条(1)の参照先が改められ、附属書III〜VIII、X、XI、XIV、XV、XVI、XVII、XIX、XX、XXIおよびXXIIに定める試験手順が参照される(第1条(3))。電動車両を扱う製造者は、従来の排出関連試験に加えて、電池耐久性(附属書XV)、低温航続距離(附属書XVII)、システム出力(附属書XIX)に関する試験手順への対応が必要となる。

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純電気自動車へのOBFCM装置の要件(第1条(4))

実施規則(EU) 2025/1706の第5条(1)は、車載燃料・電力消費監視(OBFCM)装置に関する排出型式認証の要件を定め、製造者に対し対象車両への当該装置の搭載を求める規定である。本規則により、その対象に純電気自動車(PEV)が追加される(第1条(4))。

この改正は2030年01月01日から適用される(第2条)。前文(10)および(11)によれば、排出キャラクタ表にPEVの車載燃料・電力消費監視装置に関する要件を含めることとしつつ、電動モビリティへの円滑な移行のためにPEVへのOBFCM要件の適用が繰り延べられている。PEVを製造・上市する事業者は、2030年01月01日以降の型式認証を見据えた対応が必要となる。

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型式認証申請に関する規定の削除および使用過程適合性に関する規定の整理(第1条(5)から(8))

実施規則(EU) 2025/1706の第6条(車両の排出型式認証の申請)のうち、排出制御システムの改変防止措置の記載等に関する第6条(3)(c)および第6条(4)が削除される(第1条(5)、(6))。

また、第10条の見出しが「排気ガス排出および蒸発ガス排出の使用過程適合性」に改められ(第1条(7))、第10条(3)の第2段落が差し替えられる。差替え後の規定によれば、使用過程適合性の確認に関する要件は、国連規則第83号のパラグラフ9.2.3に従って試験の対象となる使用過程適合性ファミリーの車両について、当該ファミリーの車両に対して最後の適合証明書または個別認証証明書が発行された時から10年後まで適用される(第1条(8))。製造者は、生産終了後も長期にわたり使用過程適合性の対応義務が続く点に留意する必要がある。

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車載電池の耐久性に関する使用過程適合性(新第10a条)

車載電池の耐久性に関する使用過程適合性は、適切に維持および使用された車両について、実施規則(EU) 2025/1706の附属書XVの附表1に定める要件に従って確認しなければならない(第1条(9)により新設される第10a条)。この規定は「確認しなければならない(shall be checked)」と定められており、電池耐久性については使用過程適合性の確認が行われる前提で対応する必要がある。

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低温下における電気航続距離の使用過程適合性(新第10b条)

PEVの低温下における電気航続距離の使用過程適合性は、適切に維持および使用された車両について、国連規則第83号のパラグラフ9.4.1および実施規則(EU) 2025/1706の附属書XVIIの附表1に定める要件に従って確認することができる(第1条(9)により新設される第10b条)。

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システム出力の使用過程適合性(新第10c条)

電動車両システムの出力の使用過程適合性は、適切に維持および使用された車両について、国連規則第83号のパラグラフ9.7.1および実施規則(EU) 2025/1706の附属書XIXの附表1に定める要件に従って確認することができる(第1条(9)により新設される第10c条)。

第10b条および第10c条は「確認することができる(may be checked)」との表現であり、前文(9)は、低温下の電気航続距離およびシステム出力に係る使用過程適合性の方法を任意(optional)のものとして製造者および当局に柔軟性を与えつつ、頑健で代表性のある試験と一貫した適合性の検証を確保する趣旨であるとしている。もっとも、実施の運用面については規定上明確でない部分が残っていると考えられる。

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附属書の改正(第1条(10))

実施規則(EU) 2025/1706の附属書I、II、III、XV、XVII、XIXおよびXXIIが、本規則の附属書に従って改正される(第1条(10))。改正の対象は、型式認証の要件および排出キャラクタ表(附属書I)、透明性リスト等(附属書II)、RDE適合宣言の様式(附属書III)、車載電池耐久性(附属書XV)、低温下の電気航続距離(附属書XVII)、システム出力(附属書XIX)、OBFCM装置(附属書XXII)に関する事項である。

このうち附属書IIを改正する部分は、発効日から18か月後から適用される(第2条)。製造者は、それまでの間に透明性リストに係るデータの整備を進める必要がある。

なお、前文(5)および(6)は、実走行排出(RDE)の適合宣言について標準化された様式を用いるべきこと、および排出、電池耐久性、電気航続距離、システム出力に関する各試験を通じて完全かつ正確な情報が提出されるようにすべきことを述べている。製造者は、改正後の附属書IIIに定める様式に従って適合宣言を作成することとなる。

注目定義

本規則には定義規定が置かれていない。本規則で用いられる用語は、規則(EU) 2024/1257、実施規則(EU) 2025/1706および参照される国連規則(第83号、第154号、第177号等)における定義によることとなる。

目次

※各条項のタイトルは内容に基づき当社で仮設定

第1条 実施規則(EU) 2025/1706の改正

(1) 題名の差替え

(2) 第1条の適用対象の拡大

(3) 第3条(1)における試験手順の参照附属書の改正

(4) 第5条(1)への純電気自動車(PEV)の追加

(5) 第6条(3)(c)の削除

(6) 第6条(4)の削除

(7) 第10条の見出しの改正

(8) 第10条(3)第2段落の差替え

(9) 第10a条、第10b条および第10c条の新設

(10) 附属書I、II、III、XV、XVII、XIXおよびXXIIの改正

第2条 発効および適用

附属書 実施規則(EU) 2025/1706の附属書I、II、III、XV、XVII、XIX、XXIIの改正

基礎情報

法令(現地語)

Commission Implementing Regulation (EU) 2026/1764 of 13 July 2026 amending Implementing Regulation (EU) 2025/1706 as regards specific methods, requirements and tests as well as administrative requirements regarding in-vehicle battery durability, electric vehicle range at low temperature and electrified vehicle system power

法令(日本語)

車載電池の耐久性、低温下における電気自動車の航続距離、および電動車両システムの出力に関する具体的な方法、要件、試験ならびに管理上の要件を改正する実施規則((EU) 2026/1764)

公布日

2026年07月22日

所管当局

欧州委員会(本規則は自動車技術委員会(TCMV)の意見に沿って欧州委員会が採択したものである。前文(13))

作成者

株式会社先読

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