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解説EU-新規大型車両CO2排出基準規則

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法令の情報時期:2026年05月 統合版 ページ作成時期:2026年08月

目的

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本規則は、新規大型車両のCO2排出性能基準を設定し、以下の事項の達成に寄与することを目的としている。

■ 欧州議会及び理事会規則(EU)2021/1119に定められたEUの気候中立目標及びEUの中間気候目標

■ 欧州議会及び理事会規則(EU)2023/857に定められた加盟国の温室効果ガス排出削減目標

■ パリ協定の目標

■ EU域内市場の適切な機能の確保

概要

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■ 背景・問題意識 EUの気候中立目標及び中間的な温室効果ガス削減目標の達成に向け、道路輸送部門からのCO2排出削減が重要となっていた。

■ 主な事業者要件 本規則では、EU全体の対象となる新規大型自動車の平均CO2排出量について、2019年の平均を基準とした削減目標を設定するとともに、各製造業者について、特定CO2排出目標を定めている。製造業者は、この特定CO2排出目標を基準として、CO2排出量の削減状況が評価される。

本規則はまた、CO2排出量及び燃料消費量に関する報告要件も定めている。

■ 適用範囲 本規則は、規則(EU) 2018/858に基づき型式承認又は個別承認を受けた新規車両、又は同規則第2条第3項に規定する新規車両のうち、以下の車両カテゴリーに属する「大型車両」に適用される。

  • M2、M3
  • N1、N2、N3(ただし、規則(EU)2019/631の対象となる車両を除く)
  • O3、O4

各報告期間において、EU域内で初めて登録され、かつ、それ以前にEU域外で登録されていない大型車両は、「新規大型車両」とみなされる。ただし、EU域内での登録の3か月未満前に行われたEU域外での登録は、考慮されない。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

■ 初回登録期間が1か月を超えず、かつ、EU域外への移送のみを目的として登録される大型車両。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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(1)特定CO2排出目標の遵守

■ 欧州委員会は、2025年の報告期間及びそれ以降の各報告期間について、各製造業者の直前の報告期間に係る特定CO2排出目標を、附属書I 4.1に従って決定する(第6条)。

■ 各報告期間において、製造業者に超過CO2排出量があると認められた場合、欧州委員会により、以下の算式により算定した超過CO2排出課徴金(excess CO2 emissions premium)が課される(第8条第1項)。

 超過CO2排出課徴金 = 超過CO2排出量 × 4,250 EUR/gCO2/tkm

■ 超過CO2排出量があるか否かは報告期間に応じて異なる基準により判定され、超過CO2排出量は附属書I第6項に従って算定される(第8条第2項)。

■ 2025年から2039年までの報告期間については、平均特定CO2排出量がCO2排出削減軌道を下回った場合、その差に応じて「排出クレジット(emission credits)」が取得され、特定CO2排出量が特定CO2排出目標を上回った場合、その差に応じて「排出デット(emission debts)」が取得される。これらの排出クレジット及び排出デットは、規定された方法により考慮され、超過CO2排出量の判定の有無に用いられる(第7条、第8条第2項)。

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(2)大型車両の製造業者間の移転

■ 平均特定CO2排出量の算定において、所定の条件を満たした場合は、大型車両を製造業者間で移転することが認められる。

■ 移転が認められた場合、移転車両は移転元製造業者の算定から除外され、移転先製造業者の算定に含められる(第6a条)。

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(3)CO2排出量の決定に係るデータの報告・連絡窓口指定

■ 大型車両のCO2排出量の決定の責任を負い、かつ規則(EU)2017/2400第9条又は実施規則(EU)2022/1362第8条の適用を受ける製造業者その他の事業者は、毎年9月30日までに、対象となる新規大型車両のデータを欧州委員会に報告しなければならない。また、データ報告のための連絡窓口を指定しなければならない(第13b条)。

■ 製造者から報告されたデータが、製造業者の記録ファイル又は規則(EC)No 595/2009に基づくエンジン型式承認証明書に記載されたデータと異なり、かつ、その相違が故意又は重大な過失によるものであると欧州委員会が認めた場合、又は期限内にデータが提出されず、遅延について正当な理由が示されない場合、欧州委員会は、車両1台につき最大30,000ユーロの行政制裁金を科すことができる(第13f条第1項)。

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(4)車載デバイスの装備及び環境性能の測定

■ カテゴリーO3・O4:製造業者は、新規車両について、CO2排出量、燃料消費量、電力消費量及びゼロエミッション航続距離に及ぼす影響を算定するとともに、積載量を監視・記録する車載デバイスを装備しなければならない。

■ カテゴリーM2・M3・N2・N3:製造業者は、新規車両について、燃料・エネルギー消費量、積載量及び走行距離を監視・記録する車載デバイスを装備し、ゼロエミッション航続距離及び電力消費量を算定しなければならない(第18条)。

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(5)使用中大型車両の適合性確保

■ 製造業者は、顧客情報ファイルに記録されたCO2排出量及び燃料消費量の値が、使用中大型車両のCO2排出量及び燃料消費量と一致することを確保しなければならない(第13条第1項)。

■ 型式承認当局は、適切かつ代表的な車両サンプルに基づいて、これらの値が一致するかを検証し、また、試験又はCO2排出量・燃料消費量の認証における計算上、車両の性能を人為的に向上させる手段がないかを確認する(第13条第2項)。

■ 検証の結果、シミュレーションツールの不具合では説明できない値の不一致や、車両性能を人為的に向上させる手段が確認された場合、型式承認当局は、必要な措置を講じるとともに、顧客情報ファイル、適合証明書及び個別承認証明書を必要に応じて訂正し、訂正できない場合は、訂正声明を発行して欧州委員会等に送付する(第13条第3項)。

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(7)CO2排出目標等からの除外

■ 一部の車両カテゴリー 特殊用途車両、オフロード車両及びオフロード特殊用途車両は、EU全体の新規大型自動車の車両群に係る平均CO2排出量の削減目標の対象外となる(第3a条第1項)。

■ 規則(EU)2018/858に基づき特別に扱われる大型車両 規則(EU)2018/858第2条第3項第1段落(b)に該当する承認済み大型車両は、原則としてEU全体のCO2排出削減目標の対象外となる。ただし、製造業者が選択した場合は、当該大型車両を自社の特定CO2排出量及び特定CO2排出目標の算定に含めることができる(第3a条第4項)。

■ 公益目的で使用される大型車両 前記第4項に規定する大型車両以外の大型車両であって、市民保護サービス、消防サービス、治安維持を担う組織又は緊急医療サービスのために登録される大型車両は、加盟国が、ゼロエミッション大型車両では同等に目的を達成できず、内燃機関を搭載した大型車両の登録が公益にかなうことを登録・報告手続において確認した場合、EU全体のCO2排出削減目標の対象外となる。また、軍隊で使用するために登録される大型車両は、加盟国が附属書IV Part Aに基づく報告対象としないことを決定した場合は、本規則の要件が適用されない(第3a条第5項)。

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(8)少数生産製造業者の特例

■ 特定の報告期間に新規大型車両を100台未満登録した製造業者については、一定の場合を除き、当該報告期間の平均特定CO2排出量及び特定CO2排出目標を「0」とする適用除外が適用され、これらの値は公表データに含まれない。また、この適用除外が適用される大型車両については、CO₂排出量の決定に係るデータの報告義務も適用されない(第6b条第1項~第3項、第13b条第1項)。

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【将来的な事業者への影響】

■ 公共調達における安定供給 新規ゼロエミッション都市バスの公共調達において、発注者は、第3e条に規定された基準のうち少なくとも2つを技術仕様又は落札基準として使用し、そのうち少なくとも1つを安定供給への寄与に関する基準としなければならない。安定供給への寄与を落札基準とする場合、そのウェイトは15~40%とされる(第3e条)。今後、ゼロエミッション都市バスの公共調達において、供給の安定性がより重要になることが見込まれる。

注目定義

<対象>

■ 「特定CO2排出量」(specific CO2 emissions)

「特定CO2排出量」とは、附属書I 2.1に従って決定される、個々の大型車両のCO2排出量をいう。

<対象>

■ 「平均特定CO2排出量」(average specific CO2 emissions)

「平均特定CO2排出量」とは、附属書I 2.7に従って決定される、特定の報告期間における製造業者の新規大型車両の特定CO2排出量の平均をいう。

<対象>

■ 「特定CO2排出量目標」(specific CO2 emissions target)

「特定CO2排出量目標」とは、附属書I 4に従って前報告期間について毎年算定される、個々の製造業者のCO2排出量目標をいう。

目次

第1条:対象事項及び目的

第2条:適用範囲

第3条:定義

第3a条:CO2排出削減目標

第3b条:EU市場におけるゼロエミッション大型車両への移行を支援する追加措置

第3c条:EU市場におけるゼロエミッション大型車両の需要を支援する追加措置

第3d条:都市バスのゼロエミッション大型車両目標

第3e条:公共調達手続きを通じた都市バスの持続可能かつ回復力のあるサプライチェーンの確保

第4条:製造業者の平均特定CO2排出量

第5条:ゼロ及び低エミッション大型車両

第6条:製造業者の特定CO2排出目標

第6a条:製造業者間の大型車両の移管

第6b条:大型車両の生産台数が少ない製造業者の免除

第7条:排出クレジット及び排出デット

第7a条:製造業者への大型車両の帰属

第7b条:カテゴリーMの大型車両の平均特定CO2排出量の算定

第8条:特定CO2排出目標の遵守

第9条:監視データの検証

第10条:基準CO2排出量の評価

第11条:データの公表及び製造業者の実績

第12条:実走行CO2排出量及びエネルギー消費量

第13条:使用中大型車両のCO2排出量の検証

第13a条:加盟国による監視及び報告

第13b条:大型車両のCO2排出量決定責任者である製造業者又はその他の事業体による報告

第13c条:大型車両に関するデータの中央登録簿

第13d条:路上検証試験結果の監視

第13e条:データの品質

第13f条:行政罰金

第14条:附属書I、IV及びVの改正

第15条:見直し

第16条:委員会手続

第17条:委任権限の行使

第18条:規則(EC) No 595/2009の改正

第19条:規則(EU) 2018/956の改正

第20条:指令96/53/ECの改正

第21条:発効

附属書I 平均CO2排出量、特定CO2排出目標及び超過CO2排出量

附属書II 第11条に規定された調整手続

附属書III 第4条に規定された新規大型車両の特定CO2排出量の標準化

附属書IV 第13a条及び第13b条に基づき監視及び報告の対象となるデータに関する規則

附属書V 第13a条から第13c条に規定されるデータの報告及び管理

附属書 VI 相関表

基礎情報

法令(現地語)

Regulation (EU) 2019/1242 of the European Parliament and of the Council of 20 June 2019 setting CO2 emission performance standards for new heavy-duty vehicles and amending Regulations (EC) No 595/2009 and (EU) 2018/956 of the European Parliament and of the Council and Council Directive 96/53/EC

法令(日本語)

新規大型車両のCO2排出性能基準を設定する2019年6月20日の欧州議会及び理事会規則(EU)2019/1242(欧州議会及び理事会規則(EC)No 595/2009及び(EU)2018/956、並びに理事会指令96/53/ECの改正)

公布日

2019年07月25日

所管当局

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作成者

株式会社先読

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