| 法令の情報時期:2025年7月9日 統合版 | ページ作成時期:2026年08月 |
目的
本規則は、新規乗用車及び新規軽商用車に対するCO2排出性能要件を定めることにより、次の目的を達成することを目的としている。
■ 規則(EU)2018/842に定めるEUの温室効果ガス排出削減目標の達成に寄与すること。
■ パリ協定の目標の達成に寄与すること。
■ 域内市場の適切な機能を確保すること。
概要
EU域内における温室効果ガスの削減及びパリ協定の気候目標の達成に向けて、新規乗用車及び新規軽商用車に対するCO₂排出性能基準を定めた規則である。
EU域内の新規乗用車及び新規軽商用車について、EU全体の平均CO₂排出量に関する目標を定めるとともに、各製造業者について特定排出目標を設定し、その遵守を求めている。
■ 適用対象
本規則は、EU域内で初めて登録され、かつそれ以前にEU域外で登録されていないカテゴリーM1の乗用車(新規乗用車)及び規則(EC)No 715/2007の適用対象となるカテゴリーN1の軽商用車(新規軽商用車)に適用される。ただし、EU域外での登録がEU域内での登録前3か月未満に行われた場合は、当該登録は考慮されない。
また、2025年1月1日以降、エネルギー貯蔵システムの質量のみを理由として基準質量が2,610 kg又は2,840 kgを超えるカテゴリーNのゼロエミッション車は、本規則上、軽商用車として扱われる。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
規則(EU)2018/858附属書IパートA 5.に定義される特殊用途車両は、本規則の適用対象外となる。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
本規則に基づき、事業者が遵守すべき具体的な要件及び将来的な影響は以下の通りである。
■ 特定排出目標の遵守義務(第4条)
製造業者は、自社の平均特定CO2排出量が特定排出目標を超えないようにしなければならない。2025年から2027年までの3年間については特例措置が設けられている。
■ プールの形成と届出(第6条)
製造業者(第10条に基づく特例が付与された製造業者を除く)は、第4条(特定排出目標)に基づく義務を履行するため、複数の製造業者でプールを形成することができる。プールを形成する場合、参加製造業者は、排出量をプールする最初の暦年の12月31日までに、プールに関する合意(合意期間は5暦年を超えてはならない)を締結し、以下の情報を欧州委員会に届け出なければならない。ただし、2025年又は2026年を対象とする合意については、例外的に2027年12月31日までに締結及び届け出ることができる。
- プールに含まれる製造業者
- プールマネージャーとして指名される製造業者(プールの連絡窓口となり、プールに課される超過排出課徴金を支払う責任を負う者)の氏名又は名称
- プールマネージャーが上記の義務を履行する能力の証明
- プールの対象となる車両カテゴリー(M1又はN1)
なお、プールに関する取決めにおいて、プール参加者間のデータ共有及び情報交換は、平均特定CO2排出量、特定排出目標及び総登録台数に関する情報を除き、行ってはならない。
■ 暫定計算に関するデータの誤り通知(第7条)
欧州委員会は、加盟国から報告されたデータに基づき、製造業者ごとの前年の平均特定CO2排出量、特定排出目標及びその差を算定し、毎年6月30日までに、その暫定計算結果を製造業者へ通知する。製造業者は、データに誤りがあると認めた場合、通知を受けた日から3か月以内に、誤りが発生したと考える加盟国を明示した上で、欧州委員会へ通知することができる。欧州委員会は、製造業者からの通知を検討し、毎年10月31日までに、当該暫定計算結果を確認又は修正する。
■ 超過排出課徴金の支払(第8条)
欧州委員会は、各暦年において、製造業者の平均特定CO2排出量が特定排出目標を超過した場合、当該製造業者又はプールマネージャーに対し、超過排出課徴金(excess emission premium)を課す。2025年から2027年までについては特例が設けられている。
超過排出課徴金の額は、「超過排出量(g/km)×95ユーロ×新規登録車両台数」により算定される。
■ 特定排出目標に関する特例(個別目標)の申請(第10条)
年間10,000台未満の新規乗用車又は年間22,000台未満の新規軽商用車をEU域内で登録する一定の製造業者は、2035年までの特定排出目標について特例を申請することができる。申請期限は、特例の適用を希望する最初の年の10月31日までである。
また、関連事業者と合わせて、EU域内で登録される年間10,000~300,000台の新規乗用車について責任を負う製造業者は、2028年までの特定排出目標について特例を申請できる。
特例の適用を受ける製造業者は、特例の適格性に影響を及ぼす変更が生じた場合、速やかに欧州委員会へ通知しなければならない。
■ 革新的技術(エコイノベーション)の適用申請(第11条)
サプライヤー又は製造業者は、革新的技術又はその組み合わせの利用によって達成されたCO2削減量を考慮するよう申請することができる。当該技術は、その評価に用いられる手法が、検証可能であり、再現可能かつ比較可能な結果を生み出すことができる場合に限り、考慮の対象となる。
考慮できる量には、以下の上限が設けられている。
- 2024年まで:最大7g CO2/km
- 2025年~2029年:最大6g CO2/km
- 2030年~2034年:最大4g CO2/km
申請に当たっては、独立した認証機関による検証報告書も提出する必要がある。
■ 使用中車両のCO2排出量等の整合性確保義務(第13条)
製造業者は、適合性証明書に記載されたCO2排出量及び燃料消費量の値が、規則(EU)2017/1151に従って決定された使用中車両のCO2排出量及び燃料消費量と一致することを確保しなければならない。
■ 小規模製造業者の適用除外(第1条第4項)
直前の暦年にEU域内で登録された新規乗用車又は新規軽商用車の台数が関連するすべての事業者を合わせてそれぞれ1,000台未満である製造業者については、第4条、第7条第4項(b)及び(c)、第8条並びに第9条第1項(a)及び(c)の規定は適用されない。ただし、第10条に基づく特例の適用を申請し、当該特例が付与された場合は、この限りでない。
■ 将来的な事業者への影響
車両ライフサイクルCO2排出量の評価手法の策定(第7条a):欧州委員会は、乗用車及び軽商用車のライフサイクルCO2排出量を評価・報告するための共通EU手法を策定する。2025年12月31日までに委任法令を採択し、2026年6月1日以降、製造業者は当該手法に基づくデータを任意で提出できる。
注目定義
<対象>
■ 「特定排出目標」(specific emissions target)
| 「特定排出目標」とは、製造業者について、附属書Iに従って決定された年間目標、又は当該製造業者に対し第10条に基づき特例が認められた場合には、その特例に従って決定された特定排出量目標をいう。 |
<対象>
■ 「特定CO2排出量」(specific emissions of CO2)
| 「特定CO2排出量」とは、規則(EC)No 715/2007及びその実施規則に従って測定され、当該車両の適合証明書においてCO2排出量(複合)として記載された、乗用車又は軽商用車のCO2排出量をいう。規則(EC)No 715/2007に基づく型式承認を受けていない乗用車又は軽商用車については、「特定CO2排出量」は、規則(EC)No 715/2007に従って測定されたCO2排出量をいい、特に、2020年12月31日までは規則(EC)No 692/2008に定められたものと同一の測定手順に従って、2021年1月1日以降は規則(EU)2017/1151に定められた測定手順に従って測定されたもの、又は当該車両のCO2排出量を設定するために欧州委員会が採択した手順に従って測定されたものをいう。 |
<対象>
■ 「平均特定CO2排出量」(average specific emissions of CO2)
| 「平均特定CO2排出量」とは、製造業者について、当該製造業者が製造業者であるすべての新規乗用車又はすべての新規小型商用車の特定CO2排出量の平均をいう。 |
目次
第1条 対象及び目的
第2条 適用範囲
第3条 定義
第4条 特定排出目標
第5条 スーパークレジット
第6条 プール形成
第7条 平均排出量の監視及び報告
第7a条 ライフサイクルCO2排出
第8条 超過排出課徴金
第9条 製造業者の実績の公表
第10条 特定の製造業者に対する特例
第11条 エコイノベーション
第12条 実走行CO2排出量及び燃料・エネルギー消費量
第13条 使用中車両のCO2排出量の検証
第14条 M0値及びTM0値の調整
第14a条 進捗報告
第15条 見直し及び報告
第16条 委員会手続
第17条 委任権限の行使
第18条 廃止
第19条 発効
附属書I パートA:乗用車の特定排出目標 パートB:軽商用車の特定排出目標
附属書II:新規乗用車の排出量の監視及び報告
附属書 III:新規軽商用車の排出量の監視及び報告
附属書 IV:廃止規則及びその後の改正
附属書 V:相関表
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 新規乗用車及び新規軽商用車のCO2排出性能基準を設定する2019年4月17日の欧州議会及び理事会規則(EU)2019/631(再制定)(規則(EC)No 443/2009及び(EU)No 510/2011を廃止) |
| 公布日 | 2019年04月25日 |
| 所管当局 | ― |
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