| 法令の情報時期:2021年03月 統合版 | ページ作成時期:2026年09月 |
目的
本規則は、食品添加物、食品酵素、食品香料、食品香料の原材料、および食品に使用されるか使用が意図される香料特性を有する食品成分(以下「物質」という)の評価および認可に関する共通手続を定めることを目的とする(第1条1項)。
この共通手続を通じて、次の実現が図られている。
■ EU域内における食品の自由移動への寄与
■ 人の健康の高水準の保護
■ 消費者の利益の保護を含む高水準の消費者保護
あわせて、規則(EC) No 1333/2008(食品添加物)、規則(EC) No 1332/2008(食品酵素)および規則(EC) No 1334/2008(食品香料規則)という3つの分野別食品法に基づきEU域内での販売が認可された物質のリストを更新するための手続上の取決めを定めるものとされている(第1条2項)。
概要
本規則は、食品添加物・食品酵素・食品香料という3分野に共通する認可手続を1本の規則にまとめたものである。各分野別食品法の下で認可された物質はEUリストに掲載され、同リストは欧州委員会が更新し、官報に公表される(第2条1項)。物質をリストに掲載できる基準、更新を行う規則の内容、および進行中の手続に関する経過規定は、各分野別食品法に定められている(第1条3項)。
手続は、欧州委員会の発意によって開始される場合と、申請に基づいて開始される場合がある。申請は加盟国または利害関係者が行うことができ、利害関係者は複数の利害関係者を代表することもできる(第3条1項)。欧州委員会は欧州食品安全機関(EFSA)の意見を求め、手続は更新を実施する欧州委員会規則の採択によって終了する(第3条2項・3項)。ただし欧州委員会は、更新が正当でないと判断する場合、手続のいずれの段階においてもこれを終了し、予定していた更新を進めない旨を決定できる(第3条4項)。
2019年の改正規則(EU) 2019/1381(フードチェーンリスク評価規則)により、透明性および機密保持に関する規定(第11条・第12条)が改正されており、申請に関する情報の公開範囲と、機密扱いを求められる情報の範囲が明確化されている。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
本規則全体の適用から除外されるものは、次のとおりである。
■ 規則(EC) No 2065/2003(食品中スモークフレーバー認可・使用規則)の適用範囲に入る燻煙香料(第1条1項)
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
EUリストの更新の意味
本規則が対象とする「EUリストの更新」とは、次の3つの行為をいう(第2条2項)。事業者が求めようとする変更がいずれに当たるかにより、適用される手続が異なる。
■ EUリストへの物質の追加((a))
■ EUリストからの物質の削除((b))
■ EUリストにおける物質の存在に関連する条件、規格または制限の追加、削除または変更((c))
申請を行える者と申請の宛先
申請は加盟国または利害関係者(複数の利害関係者を代表する者を含む。以下「申請者」という)が行うことができ、第9条1項(a)に定める実施措置が定める条件に従う必要がある。申請は欧州委員会に送付しなければならない(第3条1項)。
手続の開始と期限
欧州委員会は、EUリストの更新申請を受領した場合、受領から14営業日以内に申請者へ書面で受領を確認し、該当する場合はできる限り速やかにEFSAへ申請を通知して意見を求める。申請は欧州委員会により加盟国に提供される(第4条1項)。欧州委員会が自らの発意で手続を開始する場合は、加盟国に通知し、該当する場合はEFSAの意見を求める(第4条2項)。
EFSAは、有効な申請の受領から9か月以内に意見を示し、これを欧州委員会、加盟国および該当する場合は申請者へ送付する(第5条)。欧州委員会は、EFSAが意見を示してから9か月以内に、EUリストを更新する規則案を第14条1項の委員会へ提出する。EFSAの意見を求めなかった場合は、有効な申請を欧州委員会が受領した日から9か月の期間が起算される(第7条1項)。
なお、更新が人の健康に影響を及ぼすおそれがない削除または条件変更の場合、欧州委員会はEFSAの意見を求めることを要しない(第3条2項)。
追加情報の提出
リスク評価に関しては、EFSAが正当な理由のある場合に申請者へ追加情報を求めることがあり、その場合、第5条1項の9か月の期間が延長され得る。EFSAは申請者と協議のうえ情報提出の期間を定め、必要な追加期間を欧州委員会に通知する。欧州委員会がその通知から8営業日以内に異議を述べなければ、期間は自動的に延長される(第6条1項)。
追加情報が当該追加期間内にEFSAへ送付されない場合、EFSAはすでに提供された情報に基づいて意見を確定する(第6条2項)。申請者が自らの発意で追加情報を提出する場合は、EFSAおよび欧州委員会の双方へ送付する。この場合、EFSAは当初の期間内に意見を示す(第6条3項)。
リスク管理に関しては、欧州委員会が申請者へ追加情報を求める場合、申請者とともに提出期間を定め、第7条の期間が相応に延長され得る。追加情報が当該期間内に送付されない場合、欧州委員会はすでに提供された情報に基づいて行動する(第8条)。
さらに、例外的な状況においては、事案の性質上正当と認められる場合、第5条1項および第7条の期間が欧州委員会により延長されることがある(第10条)。
提出情報の公開
欧州委員会が第3条2項に基づきEFSAの意見を求める場合、EFSAは、規則(EC) No 178/2002第38条から第39e条に従い、認可申請、関連する裏付け情報、申請者が提出した補足情報、およびEFSAの科学的意見を遅滞なく公開する。意見の要請および第6条1項による期間の延長も公開される(第11条)。申請を検討する事業者は、提出する情報が原則として公開される前提で準備する必要がある。
機密扱いの請求
申請者は、申請の提出時に、検証可能な理由を付して、本規則に基づき提出した情報の特定の部分を機密として扱うことを請求できる(第12条1項)。EFSAの意見が必要な場合はEFSAが、必要でない場合は欧州委員会が、規則(EC) No 178/2002第39条から第39e条に従って当該請求を評価する(第12条2項・4項)。
規則(EC) No 178/2002第39条2項に掲げる情報に加えて、開示により申請者の利益が著しく害されるおそれがあることを申請者が証明した場合、次の情報についても機密扱いが認められ得る(第12条3項)。
■ 該当する場合、出発物質および出発調製品の詳細な記述、およびそれらを用いて認可対象物質を製造する方法に関する情報、ならびに申請者が認可対象物質を使用しようとする材料または製品の性質および組成に関する詳細情報。ただし安全性評価に関連する情報は除く((a))
■ 該当する場合、認可対象物質の個々の製造バッチの変動性および安定性に関する詳細な分析情報。ただし安全性評価に関連する情報は除く((b))
これらの規定は、規則(EC) No 178/2002第41条を妨げない(第12条5項)。
申請書類の作成に関する実施措置
本規則の実施措置は、各分野別食品法の採択から24か月以内に欧州委員会が採択するものとされ、特に次の事項を対象とする(第9条1項)。申請者はこれらの実施措置に従って申請書類を作成する必要がある。
■ 第4条1項の申請の内容、作成方法および提示方法((a))
■ 申請の有効性の確認に関する取決め((b))
■ 第5条のEFSAの意見に含めなければならない情報の種類((c))
緊急時の措置および加盟国の窓口
EUリストに掲載された物質について緊急事態が生じた場合、特にEFSAの意見に照らして、規則(EC) No 178/2002第53条および第54条の手続に従って措置が採択される(第13条)。当該措置により、すでに認可された物質の使用が制限される可能性がある。
また、加盟国は各分野別食品法の発効後6か月以内に、共通手続のための国内所管当局の名称・住所およびその連絡窓口を欧州委員会およびEFSAへ通知する(第15条)。これは加盟国に課された要件であるが、事業者が手続に関する照会を行う際の窓口となる。
注目定義
<対象>
■ 「物質」(the substances)
| 食品添加物、食品酵素、食品香料、食品香料の原材料、および食品に使用されるか使用が意図される香料特性を有する食品成分を総称するものとして本規則が用いる呼称である(第1条1項)。本規則の適用対象の範囲を画する用語である。 |
<対象>
■ 「EUリスト」(Community list)
| 各分野別食品法の下で、EU市場に上市することが認可された物質を掲載するリストであり、その内容は当該分野別食品法が定める。欧州委員会が更新し、官報に公表される(第2条1項)。 |
<対象>
■ 「申請者」(the applicant)
| EUリストの更新の申請を行う加盟国または利害関係者をいい、利害関係者は複数の利害関係者を代表することができる。申請は第9条1項(a)の実施措置が定める条件に従って行われる(第3条1項)。 |
目次
第I章 一般原則
■ 第1条 対象事項および適用範囲
■ 第2条 物質のEUリスト
第II章 共通手続
■ 第3条 共通手続の主要な段階
■ 第4条 手続の開始
■ 第5条 EFSAの意見
■ 第6条 リスク評価に関する追加情報
■ 第7条 EUリストの更新
■ 第8条 リスク管理に関する追加情報
第III章 雑則
■ 第9条 実施措置
■ 第10条 期間の延長
■ 第11条 透明性
■ 第12条 機密保持
■ 第13条 緊急事態
■ 第14条 委員会
■ 第15条 加盟国の所管当局
第IV章 最終規定
■ 第16条 発効
本規則に附属書は設けられていない。
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 食品添加物、食品酵素および食品香料の共通認可手続を定める、2008年12月16日の欧州議会および理事会規則(EC) No 1331/2008 |
| 公布日 | 2008年12月31日(官報 OJ L 354、2008年12月31日、1頁。採択日は2008年12月16日) |
| 所管当局 | 欧州委員会(申請の受領、EUリストの更新および規則の採択)。リスク評価は欧州食品安全機関(EFSA)が行い、欧州委員会は規則(EC) No 178/2002第58条により設置された食物連鎖・動物衛生常設委員会の補佐を受ける(第14条1項)。共通手続のための国内所管当局は各加盟国が指定する(第15条)。 |
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