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解説EU-大型車排出ガス規制規則(Euro VI)

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法令の情報時期:2020年09月 統合版 ページ作成時期:2026年08月

目的

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本規則は、EU域内における道路輸送部門からの排出ガスに関して、自動車およびエンジン等の型式認証における共通の技術ルールを定めることを目的とする。

■ 自動車、エンジン、および交換用部品の排出ガスに関する共通の技術要件を確立すること。

■ 使用過程における車両およびエンジンの適合性、排出ガス制御装置の耐久性、OBD、ならびに燃料消費量および二酸化炭素排出量の測定に関する規則を規定すること。

概要

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本規則は、それまで乗用車・小型商用車(Euro 5/6基準)と大型商用車(Euro VI基準)に分かれていた排出ガス規制を「ユーロ7(Euro 7)」として1つの規則に統合・再編する前の、大型車における共通基準ユーロVI(Euro VI)を定めたものである。

■ 背景: 道路輸送部門から排出されるガスや粒子状物質は、欧州における大気汚染および健康被害の主要な要因となってきた。従来の排出ガス規制をさらに前進させ、最新の測定技術や環境要件に適合した新たな共通基準を構築すべく、本規則が制定された。

■ 問題意識: 一酸化炭素、窒素酸化物(NOx)、炭化水素、および粒子状物質(PM質量および粒子数)といった排出汚染物質の低減には、試験室内だけでなく実際の走行環境下における実効的な制御が不可欠であった。また、使用過程における排出ガス制御装置の性能維持や、経年劣化に対する耐久性の確保、故障を自動検知する車載自己診断(OBD)システムの義務化、さらには地球温暖化対策に直結する二酸化炭素排出量および燃料消費量の継続的な監視体制の構築が急務となっていた。

■ 適用範囲: 基準質量が2,610 kgを超える自動車、およびすべての大型の自動車と、それらに搭載されるエンジン、交換用排出ガス制御装置を対象とする。また、二酸化炭素排出量や燃料消費量の監視等の特定目的においては、被牽引車(トレーラー)も対象となる。

■ 期待される効果: 大型トラックやバスからの排出ガスの劇的な低減、実走行における排出制御の最適化、ならびに車両寿命全体にわたる排出性能の維持により、EU全域の大気質を改善し、公衆衛生の向上と環境負荷の低減をもたらすこと。

■ 主な要件: 製造者に対しては、附属書Iに定められる環境限界値の遵守、耐久性試験の実施、OBDの装備、二酸化炭素排出量や燃料・エネルギー消費量を監視・記録する車載燃料・エネルギー消費監視(OBFCM)装置の搭載などが義務付けられる。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

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■ 基準質量が2,610 kg以下の自動車: 基準質量が2,610 kgを超えない軽自動車および小型車については、原則として本規則の適用対象外となる(第2条第1項)。これらは乗用車・小型商用車排出ガス規制(Regulation (EC) No 715/2007)の管理対象となる。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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製造者および運行事業者が対応すべき具体的な要件は、以下の通り条項別・製品カテゴリ別に定められている。

■ 新車、新規エンジン、および交換部品の適合実証義務(第4条第1項)

  • 製造者は、域内で販売、登録、または運行開始されるすべての新車、新規エンジン、および型式認証を必要とする交換用排出ガス制御装置が、本規則およびその実施措置に完全に適合し、型式認証を取得していることを実証しなければならない(第4条第1項)。

■ 適合検証手順の遵守と実効的な排出抑制(第4条第2項)

  • 製造者は、生産適合性、排出ガス制御装置の耐久性、および使用過程適合性を検証するための各種型式認証手順を確実に遵守しなければならない(第4条第2項)。
  • 車両の通常の使用条件下において、その通常寿命にわたり、排気管排出が本規則に従って効果的に制限されるように設計・製造しなければならない(第4条第2項)。
  • 型式認証および使用過程での検証試験において、排出ガス制御装置の耐久性を維持すべき走行距離および期間は以下のように規定されており、製造者はこれらに耐えうる耐久性能を確保しなければならない(第4条第2項)。
    • 最大許容質量が3.5トン以下の車両:16万kmまたは5年間のいずれか早い方。
    • 最大許容質量が3.5トン超16トン以下の車両:30万kmまたは6年間のいずれか早い方。
    • 最大許容質量が16トンを超える車両:70万kmまたは7年間のいずれか早い方。
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■ 限界値の遵守とコンポーネント設計(第5条第1項、第2項)

  • 製造者は、有害物質について、附属書Iに定められた排出限界値を遵守しなければならない(第5条第1項)。
  • 排出性能に影響を与える可能性のある部品について、車両またはエンジンが通常の使用において本規則および実施措置に適合して作動するよう設計、製造、および組み立てを行わなければならない(第5条第2項)。

■ 無効化戦略(ディフィート戦略)の禁止(第5条第3項)

  • 排出ガス制御装置の有効性を低下させる無効化戦略を使用することは一切禁止される(第5条第3項)。
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■ 被牽引車および大型車に関する環境性能測定と車載装置の装備義務(第5a条第1項、第2項)

  • 新規の被牽引車の製造者は、それらの車両が牽引車の二酸化炭素排出量、燃料消費量、電力消費量、およびゼロエミッション走行距離に及ぼす影響を規定の算出方法で決定し、さらに積載量を監視・記録するOBFCMを装備しなければならない(第5a条第1項)。
  • 新規の自動車の製造者は、燃料およびエネルギー消費、積載量、ならびに走行距離を監視および記録するためのOBFCMを搭載しなければならない。また、ゼロエミッション走行距離および電力消費を所定の算出方法で決定しなければならない(第5a条第2項)。
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■ 還元剤システムへの不正改造の禁止および稼働制限(第7条第1項、第2項、第11条第2項)

  • 製造者、修理業者、および運行事業者は、排出ガス制御に用いられる還元剤を使用するシステムに対して、機能を無効化または改変する不正改造を行ってはならない(第7条第1項、第11条第2項)。
  • 運行事業者は、還元剤が切れた状態、または還元剤システムが正常に作動しない状態で車両を運転してはならない(第7条第2項、第11条第2項)。

■ 交換用排出ガス制御装置の販売・取り付け規制(第9条)

  • 本規則に準拠して承認された車両向けに、新規の交換用排出ガス制御装置を販売、または車両へ取り付ける場合、当該部品が本規則に適合した型式認証を取得したものである必要がある。非適合部品の販売や取り付けは一切禁止される(第9条)。
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■ 製造者の罰則対象となる違反行為(第11条第2項)

  • 製造者が以下のいずれかの違反を行った場合、加盟国が設定する効果的かつ抑制的な罰則の対象となる(第11条第1項、第2項)。
    • 型式認証手続またはリコール手続において虚偽の宣言を行うこと(第11条第2項(a))。
    • 型式認証または使用過程適合性の試験結果を偽造すること(第11条第2項(b))。
    • リコールや型式認証の取り消しにつながるおそれのあるデータや技術仕様を意図的に隠匿すること(第11条第2項(c))。
    • 無効化戦略を使用すること(第11条第2項(d))。

■ 第三国への輸出を目的とする車両およびエンジンに関する例外: 欧州共同体市場に流通させないことを証明書に明記することを条件として、ユーロVIより前の古い排出基準に基づく型式認証の証明書を輸出向けに取得することが認められており、EU市場向けのユーロVI基準要件の適用から除外される(第8条第1項)。

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■ 政府への要件を通じて将来的に事業者へ影響を及ぼすと思われる内容 本規則は、国連欧州経済委員会での規格策定状況や、実走行時における実際の排出状況を考慮し、欧州委員会に対して以下の要件を追加・修正するための委任権限を付与している。これにより、将来的に製造者はより厳格な適合義務を課される可能性がある。

  • 粒子数(PN)に基づく限界値および測定手順の追加導入(第12条第1項): 国連の粒子測定プログラムが完了した後、欧州委員会は環境保護レベルを低下させない範囲で、従来の粒子質量に加えて粒子数(PN)に基づく限界値および測定手順を新たに導入する。これにより、製造者は新たな極小粒子のカウント基準に適合するための技術開発と適合試験を要求される(第12条第1項(a)、(b))。
  • 二酸化窒素(NO2)の個別限界値の追加(第12条第1項): NOxの総排出量とは別に、健康被害をもたらす二酸化窒素(NO2)の排出レベルを個別に制限・測定するための限界値が、技術レベルの進歩に応じて追加される可能性がある。追加された場合、排気後処理触媒システムの設計見直し等が必要となる(第12条第1項)。
  • 試験サイクルおよび実走行排出ガス(RDE)測定手順の見直し(第12条第2項、第3項): 従来の試験サイクルと、新しく国際調和された世界調和試験サイクルとの間の相関係数が確立され、限界値が調整される(第12条第2項)。また、既存の試験手順やサイクルが実際の道路走行時における排出量を十分に反映していないと判断された場合、実際の路上走行状態を模擬・評価する測定方法へと随時更新されるため、製造者はより過酷な実走行条件での排出クリアを求められる(第12条第3項)。

注目定義

目次

第1条:対象事項

第2条:範囲

第3条:定義

第4条:製造者の義務

第5条:要件および試験

第5a条:カテゴリM2、M3、N2、N3、O3およびO4車両の環境性能に関する製造者の特定の要件

第5b条:カテゴリM2、M3、N2、N3、O3およびO4車両の環境性能に関する加盟国の特定の要件

第5c条:カテゴリM2、M3、N2、N3、O3およびO4車両の特定の環境性能を決定するための措置

第7条:還元剤を使用するシステムに関する義務

第8条:車両およびエンジンの型式認証適用のタイムテーブル

第9条:交換部品の型式認証に関する加盟国の義務

第10条:金銭的インセンティブ

第11条:罰則

第12条:仕様の再定義

第13条:委員会手続

第13a条:委員会手続

第14条:実施

第15条:規則(EC) No 715/2007の改正

第16条:指令2007/46/ECの改正

第17条:廃止

第18条:発効

附属書I:ユーロVI排出限界値

附属書II:指令2007/46/ECの改正

基礎情報

法令(現地語)

REGULATION (EC) No 595/2009 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 18 June 2009 on type-approval of motor vehicles and engines with respect to emissions from heavy duty vehicles (Euro VI) and on access to vehicle repair and maintenance information and amending Regulation (EC) No 715/2007 and Directive 2007/46/EC and repealing Directives 80/1269/EEC, 2005/55/EC and 2005/78/EC

法令(日本語)

大型車両からの排出ガスに関する自動車およびエンジンの型式認定(ユーロVI)、ならびに自動車の修理・整備情報の提供に関する2009年6月18日付欧州議会および理事会規則(EC)第595/2009号(規則 (EC)第715/2007号規則および指令2007/46/ECを改正し、指令80/1269/EEC、2005/55/ECおよび2005/78/ECを廃止)

公布日

2009年07月18日

作成者

株式会社先読

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