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解説EU-食品酵素規則

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法令の情報時期:2012年12月 統合版 ページ作成時期:2026年09月

目的

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本規則は、加工助剤として使用される酵素を含め、食品に使用される食品酵素について規定を定めることを目的とする。域内市場の実効的な機能を確保しつつ、人の健康の高水準の保護と、消費者の利益の保護および食品取引における公正な慣行を含む高水準の消費者保護を確保し、必要に応じて環境の保護も考慮するものとされている(第1条)。

その目的のために、本規則は次の3点を定める。

■ 承認された食品酵素のEUリスト(第1条(a))

■ 食品における食品酵素の使用条件(第1条(b))

■ 食品酵素それ自体として販売される場合の表示に関する規定(第1条(c))

概要

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本規則の制定前、食品添加物として使用される酵素以外の食品酵素は、加盟国の法制において規制されていないか、加工助剤として規制されていた。国内法令の差異が食品酵素の自由移動を妨げ、不平等かつ不公正な競争の条件を生み出すおそれがあったため、食品における酵素の使用に関する国内規定を整合化するEUレベルの規定が必要とされた(前文第3項)。

適用対象は、食品の製造、加工、調製、処理、包装、輸送または貯蔵において技術的機能を果たすために食品に添加される酵素であり、加工助剤として使用される酵素を含む。他方、栄養目的や消化目的のように技術的機能を果たすために添加されるのではない酵素は対象外とされている(前文第4項)。

事業者に対する主な要件は、EUリストに掲載された食品酵素のみを上市・使用できるという掲載制(第4条)、不適合の食品酵素および食品の上市の禁止(第5条)、最終消費者向けでない食品酵素・食品酵素製剤および最終消費者向けのそれらの表示(第10条から第12条)、ならびに欧州委員会への情報提供義務(第14条)である。EUリストは、初期の申請受付期間中に提出された全申請についてEFSAの評価が完了した後、一度にまとめて作成されることとされている(第17条、前文第14項)。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

本規則全体の適用から除外されるものは、次のとおりである。

■ 食品酵素が、規則(EC) No 1333/2008(食品添加物)の適用範囲に入る食品添加物の製造に使用される場合、その使用の限りにおいて(第2条2項(a))

■ 食品酵素が、加工助剤の製造に使用される場合、その使用の限りにおいて(第2条2項(b))

■ 食品の製造において伝統的に使用される微生物培養物であって、偶発的に酵素を生成することがあるが、酵素を生成するために特に使用されるものではないもの(第2条4項)

なお、本規則は、特定の食品における食品酵素の使用、または本規則が対象とする目的以外の目的での使用に関するEUの個別規定を妨げない(第2条3項)。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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EUリスト掲載制と上市の禁止

EUリストに掲載された食品酵素に限り、第7条2項に定める規格および使用条件に従って、それ自体として上市し、食品に使用することができる(第4条)。

いかなる者も、食品酵素の使用が本規則およびその実施措置に適合しない場合、当該食品酵素、または当該食品酵素が使用された食品を上市してはならない(第5条)。この禁止は食品酵素の製造者に限らず、それを用いた食品を上市する事業者にも及ぶ。

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EUリスト掲載の条件と掲載内容

食品酵素がEUリストに掲載されるには、次の条件を満たす必要がある(第6条)。

■ 利用可能な科学的証拠に基づき、提案された使用量において消費者の健康に対する安全上の懸念を生じさせないこと((a))

■ 合理的な技術的必要性があること((b))

■ その使用が消費者を誤認させないこと。誤認には、使用される原材料の性質・鮮度・品質、製品もしくは製造工程の自然さ、または製品の栄養上の品質に関する事項が含まれるが、これらに限られない((c))

掲載は規則(EC) No 1331/2008の手続により行われ、各掲載事項には、食品酵素の名称、由来・純度基準その他必要な情報を含む規格、添加できる食品、使用条件(最大許容値が定められない場合はクアントゥム・サティス原則に従う)、最終消費者への直接販売の制限の有無、および食品の物理的状態や受けた特別な処理を消費者に知らせるために必要な場合の食品表示に関する特別要件が示される(第7条)。

規則(EC) No 1829/2003(遺伝子組み換え食品・飼料規則)の適用範囲に入る食品酵素は、同規則に基づく認可を受けている場合に限り掲載できる(第8条1項)。すでに掲載された食品酵素を同規則の適用範囲に入る別の供給源から製造する場合、当該供給源が同規則に基づき認可され、本規則の規格に適合する限り、本規則に基づく新たな認可は要しない(第8条2項)。

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最終消費者向けでない食品酵素等の表示

最終消費者への販売を意図しない食品酵素および食品酵素製剤は、単独か混合かを問わず、第11条に定める表示を付して上市しなければならない。表示は容易に視認でき、明瞭に判読でき、消去できないものであり、情報は購入者が容易に理解できる言語で示す(第10条1項)。加盟国は自国領域内で、当該情報を自国が定めるEU公用語で示すことを求めることができる(第10条2項)。

包装または容器に表示すべき情報は次のとおりである(第11条1項)。

■ 本規則に基づき定められた各食品酵素の名称、各食品酵素の名称を含む販売名称、またはそれがない場合は国際生化学・分子生物学連合(IUBMB)の命名法に定める慣用名((a))

■ 「食品用」または「食品への使用制限あり」の記載、もしくは意図する食品用途へのより具体的な言及((b))

■ 必要な場合、保管および/または使用の特別条件((c))

■ バッチまたはロットを識別する表示((d))

■ 省略すると食品酵素の適切な使用が妨げられる場合、使用方法((e))

■ 製造者、包装者または販売者の名称もしくは商号および住所((f))

■ 量的制限を受ける各成分・成分群の最大量の表示、および/または購入者が本規則その他の関連EU法を遵守できるようにする明確な情報。同一の制限が成分群に適用される場合は合計の百分率を単一の数値で示すことができ、制限は数値またはクアントゥム・サティス原則により表示する((g))

■ 正味量((h))

■ 当該食品酵素の活性((i))

■ 賞味期限または消費期限((j))

■ 該当する場合、指令2000/13/EC附属書IIIaに掲げる食品酵素その他の物質に関する情報((k))

食品酵素および/または食品酵素製剤が相互にもしくは他の食品成分と混合して販売される場合、包装または容器に全成分を重量比の降順で列挙する(第11条2項)。食品酵素製剤の包装または容器には、全構成成分を重量比の降順で列挙する(第11条3項)。

上記(e)から(g)ならびに第11条2項・3項の情報は、当該製品の包装または容器の容易に視認できる部分に「小売販売用でない」旨の表示がある場合に限り、納品時またはそれ以前の出荷関係書類にのみ記載できる(第11条4項)。タンクローリー供給の場合は、すべての情報を納品時の出荷関係書類にのみ記載できる(第11条5項)。

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最終消費者向けの食品酵素等の表示

最終消費者への販売を意図する食品酵素および食品酵素製剤は、包装に、本規則に基づく各食品酵素の名称・販売名称もしくはIUBMBの慣用名、および「食品用」もしくは「食品への使用制限あり」の記載または意図する食品用途へのより具体的な言及を含む場合に限り上市できる(第12条1項)。これらの情報には指令2000/13/EC第13条2項が適用される(第12条2項)。表示規定は、度量衡、危険物質・調製品の表示およびその輸送に関する規定を妨げない(第13条)。

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欧州委員会への情報提供義務

食品酵素の生産者または使用者は、食品酵素の安全性の評価に影響し得る新たな科学的・技術的情報を、直ちに欧州委員会へ通知しなければならない(第14条1項)。

すでに承認された食品酵素を、EFSAのリスク評価に含まれた方法・出発物質と著しく異なる製造方法・出発物質により調製する場合、生産者または使用者は上市前に、変更後の製造方法または特性についてEFSAが評価を行えるよう必要なデータを欧州委員会へ提出しなければならない(第14条2項)。また、欧州委員会の要請に応じ、当該食品酵素の実際の使用について通知しなければならない(第14条3項)。

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EUリストの作成に向けた申請

EUリストは利害関係者が提出する申請に基づいて作成される。申請の提出期限は、規則(EC) No 1331/2008第9条1項に従って定められる実施措置の適用日から42か月後である(第17条1項・2項)。欧州委員会は、有効性基準に適合する申請が提出された食品酵素をすべて登録する公開の登録簿を作成し、申請をEFSAへ付託する(第17条3項)。EUリストは、登録簿の各食品酵素についてEFSAが意見を示した後に採択される(第17条4項)。

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経過措置および適用日

EUリストには、指令95/2/EC附属書Iおよび附属書IIIパートCの使用条件を付したE 1103インベルターゼおよびE 1105リゾチーム、ならびに規則(EC) No 1493/1999およびその実施規定に従ってワインに使用されるウレアーゼ、ベータグルカナーゼおよびリゾチームが含まれる(第18条1項)。

2010年01月20日より前に上市または表示された食品酵素、食品酵素製剤および食品酵素を含む食品で、第10条から第12条に適合しないものは、その賞味期限または消費期限まで販売することができる(第18条2項)。

第4条はEUリストの適用日から適用され、それまでは食品酵素および食品酵素を用いて製造された食品の上市・使用に関する国内規定が引き続き加盟国において適用される。第10条から第13条は2010年01月20日から適用される(第24条)。

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他の法令の改正による影響

本規則は、食品酵素を用いる事業者に関係する次の法令を改正している。

■ 指令83/417/EEC:特定の乳タンパク質(カゼインおよびカゼイン塩)に用いるレンネットその他の乳凝固酵素は、本規則の要件を満たさなければならない(第19条)

■ 規則(EC) No 1493/1999:認可されたワイン醸造の実務・工程に使用される酵素および酵素製剤は、本規則の要件を満たさなければならない(第20条)

■ 指令2000/13/EC:「成分」の定義に酵素が含まれることが明記され、酵素は附属書IIに掲げる成分分類の名称に固有名称を続けて表示することとされた(第21条)

■ 指令2001/112/EC(フルーツジュースラベル表示等指令):果実ジュース等に使用されるペクチン分解酵素、タンパク質分解酵素およびデンプン分解酵素は、本規則の要件を満たさなければならない(第22条)

■ 規則(EC) No 258/97:本規則の適用範囲に入る食品酵素は、同規則(新規食品)の適用対象から除外された(第23条)

注目定義

<対象>

■ 「食品酵素」(food enzyme)

植物、動物もしくは微生物またはそれらの生産物から得られる製品(微生物を用いた発酵工程により得られる製品を含む)であって、特定の生化学反応を触媒する能力を有する1種以上の酵素を含み、かつ食品の製造、加工、調製、処理、包装、輸送または貯蔵のいずれかの段階において技術的目的のために食品に添加されるものをいう(第3条2項(a))。

<対象>

■ 「食品酵素製剤」(food enzyme preparation)

1種以上の食品酵素からなる配合物であって、その貯蔵、販売、標準化、希釈または溶解を容易にするために、食品添加物および/または他の食品成分などの物質が組み込まれたものをいう(第3条2項(b))。

目次

第I章 対象事項、適用範囲および定義

■ 第1条 対象事項

■ 第2条 適用範囲

■ 第3条 定義

第II章 承認された食品酵素のEUリスト

■ 第4条 食品酵素のEUリスト

■ 第5条 不適合の食品酵素および/または不適合の食品の禁止

■ 第6条 食品酵素のEUリスト掲載の一般条件

■ 第7条 食品酵素のEUリストの内容

■ 第8条 規則(EC) No 1829/2003の適用範囲に入る食品酵素

■ 第9条 解釈に関する決定

第III章 表示

■ 第10条 最終消費者への販売を意図しない食品酵素および食品酵素製剤の表示

■ 第11条 最終消費者への販売を意図しない食品酵素および食品酵素製剤の一般表示要件

■ 第12条 最終消費者への販売を意図する食品酵素および食品酵素製剤の表示

■ 第13条 その他の表示要件

第IV章 手続規定および実施

■ 第14条 情報提供義務

■ 第15条 委員会

■ 第16条 整合化された政策のEUによる資金調達

第V章 経過規定および最終規定

■ 第17条 食品酵素のEUリストの作成

■ 第18条 経過措置

■ 第19条 指令83/417/EECの改正

■ 第20条 規則(EC) No 1493/1999の改正

■ 第21条 指令2000/13/ECの改正

■ 第22条 指令2001/112/ECの改正

■ 第23条 規則(EC) No 258/97の改正

■ 第24条 発効

本規則に附属書は設けられていない。

基礎情報

法令(現地語)

Regulation (EC) No 1332/2008 of the European Parliament and of the Council of 16 December 2008 on food enzymes and amending Council Directive 83/417/EEC, Council Regulation (EC) No 1493/1999, Directive 2000/13/EC, Council Directive 2001/112/EC and Regulation (EC) No 258/97

法令(日本語)

食品酵素に関する、ならびに理事会指令83/417/EEC、理事会規則(EC) No 1493/1999、指令2000/13/EC、理事会指令2001/112/ECおよび規則(EC) No 258/97を改正する、2008年12月16日の欧州議会および理事会規則(EC) No 1332/2008

公布日

2008年12月31日(官報 OJ L 354、2008年12月31日、7頁。採択日は2008年12月16日)

所管当局

欧州委員会(本規則の実施、登録簿の作成およびEUリストの採択)。リスク評価は欧州食品安全機関(EFSA)が行い、欧州委員会は食物連鎖・動物衛生常設委員会の補佐を受ける(第15条1項、第17条)。加盟国は規則(EC) No 882/2004に従って公的管理を実施する(前文第23項)。

作成者

株式会社先読

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