| 法令の情報時期:2026年02月 統合版 | ページ作成時期:2026年09月 |
目的
本規則は、食品に使用される香料および香料特性を有する食品成分について規定を定めることを目的とする。域内市場の実効的な機能を確保しつつ、人の健康の高水準の保護と、消費者の利益の保護および食品取引における公正な慣行を含む高水準の消費者保護を確保し、必要に応じて環境の保護も考慮するものとされている(第1条)。
その目的のために、本規則は次の3点を定める。
■ 附属書Iに定める、食品への使用が承認された香料および原材料のEUリスト(第1条(a))
■ 食品における香料および香料特性を有する食品成分の使用条件(第1条(b))
■ 香料の表示に関する規定(第1条(c))
概要
本規則は、香料およびその使用について、加盟国ごとに異なっていた規定をEUレベルで統一する枠組みを定めるものである。適用対象は、食品に使用されるか使用が意図される香料、香料特性を有する食品成分、それらを含む食品、および香料または香料特性を有する食品成分の原材料である(第2条1項)。燻煙香料については規則(EC) No 2065/2003(食品中スモークフレーバー認可・使用規則)のより具体的な規定が優先される。
事業者に対する主な要件は、安全性および消費者を誤認させないことという一般的な使用条件(第4条)、不適合の香料および食品の上市の禁止(第5条)、特定物質の添加禁止と複合食品における最大許容値(第6条)、特定の原材料の使用制限(第7条)、評価・承認を要する香料についてのEUリスト掲載制(第9条から第12条)、最終消費者向けでない香料および最終消費者向けの香料の表示(第14条から第17条)、「天然」の用語使用の要件(第16条)、ならびに欧州委員会への情報提供義務(第19条)である。
香料のうち、食品を原料とする香料調製品、食品を原料とし附属書Vの条件を満たす加熱処理香料、食品を原料とする香味前駆物質、および香料特性を有する食品成分は、第4条に適合する限り、本規則に基づく評価および承認を受けずに使用できる(第8条1項)。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
本規則全体の適用から除外されるものは、次のとおりである(第2条2項)。
■ もっぱら甘味、酸味または塩味のみを有する物質
■ 生の食品
■ 非複合食品および混合物。例としては、生鮮・乾燥・冷凍の香辛料および/または香草、茶の混合物、浸出用の混合物などがあり、これらが食品成分として使用されていない限り除外される(例示は限定列挙ではない)
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
使用の一般条件と上市の禁止
食品に使用できる香料または香料特性を有する食品成分は、利用可能な科学的証拠に基づき消費者の健康に安全上のリスクを及ぼさず、かつその使用が消費者を誤認させないものに限られる(第4条)。
いかなる者も、香料の使用が本規則に適合しない場合、当該香料、または当該香料および/もしくは香料特性を有する食品成分が存在する食品を上市してはならない(第5条)。この禁止は香料の製造者に限らず、それを用いた食品を上市する事業者にも及ぶ。
特定物質の添加禁止と最大許容値
附属書IIIパートAに掲げる物質は、それ自体として食品に添加してはならない(第6条1項)。
附属書IIIパートBに掲げる複合食品について、香料および/または香料特性を有する食品成分の使用の結果として、香料等に天然に存在する特定物質の最大許容値を超えてはならない(第6条2項)。最大許容値は別段の定めがない限り上市される状態の食品に適用されるが、復元を要する乾燥食品・濃縮食品については、表示された指示に従い最小希釈倍率を考慮して復元した状態の食品に適用される。
原材料の使用制限
附属書IVパートAに掲げる原材料は、香料および/または香料特性を有する食品成分の製造に使用してはならない(第7条1項)。同パートBに掲げる原材料から製造された香料および/または香料特性を有する食品成分は、同附属書に示された条件の下でのみ使用できる(第7条2項)。
EUリスト掲載制(評価・承認を要する香料)
香料物質、食品以外の材料から得られる香料調製品、食品以外の原材料を一部または全部用いて得られた加熱処理香料もしくは附属書Vの製造条件または最大許容値を満たさない加熱処理香料、食品以外を原料とする香味前駆物質、その他の香料、および食品以外の原材料は、評価および承認の対象となる(第9条)。これらはEUリストに掲載されたものに限り、それ自体として上市でき、該当する場合は同リストに定める使用条件の下で食品に使用できる(第10条)。掲載は規則(EC) No 1331/2008の手続により行われ、第4条の条件に適合する場合に限られる(第11条1項)。
規則(EC) No 1829/2003(遺伝子組み換え食品・飼料規則)の適用範囲に入る香料・原材料は、同規則に基づく認可を受けている場合に限りEUリストに掲載できる(第12条1項)。すでに掲載された香料を同規則の適用範囲に入る別の供給源から製造する場合、当該供給源が同規則に基づき認可され、本規則の規格に適合する限り、本規則に基づく新たな認可は要しない(第12条2項)。
最終消費者向けでない香料の表示
最終消費者への販売を意図しない香料は、第15条および第16条に定める表示を付して上市しなければならない。表示は容易に視認でき、明瞭に判読でき、消去できないものであり、第15条の情報は購入者が容易に理解できる言語で示す(第14条1項)。加盟国は自国領域内で、当該情報を自国が定めるEU公用語で示すことを求めることができる(第14条2項)。
包装または容器に表示すべき情報は次のとおりである(第15条1項)。
■ 販売名称。「香料(flavouring)」の語、またはより具体的な名称もしくは記述((a))
■ 「食品用」または「食品への使用制限あり」の記載、もしくは意図する食品用途へのより具体的な言及((b))
■ 必要な場合、保管および/または使用の特別条件((c))
■ バッチまたはロットを識別する表示((d))
■ 重量の降順による、含まれる香料の分類および他の物質・材料の名称(該当する場合はE番号)の一覧((e))
■ 製造者、包装者または販売者の名称もしくは商号および住所((f))
■ 量的制限を受ける各成分・成分群の最大量の表示、および/または購入者が本規則その他の関連EU法を遵守できるようにする明確な情報((g))
■ 正味量((h))
■ 賞味期限または消費期限((i))
■ 該当する場合、指令2000/13/EC附属書IIIaに掲げる香料その他の物質に関する情報((j))
上記(e)および(g)は、包装または容器の容易に視認できる部分に「小売販売用でない」旨の表示がある場合に限り、納品時またはそれ以前の出荷関係書類にのみ記載できる(第15条2項)。タンクローリー供給の場合は、すべての情報を納品時の出荷関係書類にのみ記載できる(第15条3項)。
「天然」の用語使用
販売名称において香料を「天然(natural)」と記述する場合、次の要件が適用される(第16条)。
■ 香料成分が香料調製品および/または天然香料物質のみで構成される場合に限り「天然」を使用できる(2項)
■ 香料成分がもっぱら天然香料物質のみを含む場合に限り「天然香料物質」を使用できる(3項)
■ 食品、食品分類または植物性・動物性の香料源への言及と組み合わせる場合は、香料成分が当該原材料からもっぱら、または重量比95%以上得られている場合に限り、記述は「天然『食品等』香料」の形とする(4項)
■ 香料成分が当該原材料から部分的に得られ、その風味が容易に認識できる場合は「他の天然香料を含む天然『食品等』香料」を使用できる(5項)
■ 香料成分が複数の異なる原材料から得られ、原材料への言及がその香味を反映しない場合は「天然香料」を使用できる(6項)
最終消費者向けの香料の表示およびその他の表示
最終消費者への販売を意図する香料は、包装に「食品用」もしくは「食品への使用制限あり」の記載、または意図する食品用途へのより具体的な言及を含む場合に限り上市できる。当該記載は容易に視認でき、明瞭に判読でき、消去できないものでなければならない(第17条1項)。「天然」の用語を用いる場合は第16条が適用される(第17条2項)。これらの表示規定は、度量衡、危険物質・調製品の表示およびその輸送に関する規定を妨げない(第18条)。
欧州委員会への情報提供義務
香料物質の生産者もしくは使用者、またはその代理人は、欧州委員会の要請に応じ、12か月間にEU域内で食品に添加された当該物質の量を通知しなければならない。提供された情報は、安全性評価に必要でない限り機密として取り扱われる(第19条1項)。
すでに承認された香料を、欧州食品安全機関(EFSA)のリスク評価に含まれた方法・出発物質と著しく異なる製造方法・出発物質により調製する場合、生産者または使用者は上市前に、変更後の製造方法または特性についてEFSAが評価を行えるよう必要なデータを欧州委員会に提出しなければならない(第19条2項)。
香料および/または原材料の生産者または使用者は、香料物質の安全性評価に影響し得る新たな科学的・技術的情報を知り、かつ入手した場合、直ちに欧州委員会に通知しなければならない(第19条3項)。
なお、加盟国はEUリスト掲載香料および附属書III掲載物質の摂取量・使用量を監視する制度を設け、欧州委員会およびEFSAへ報告する(第20条)。これは加盟国への要件であるが、事業者は使用量に関する情報提供を求められる場合がある。
酒類に関する規則の改正
本規則は蒸留酒に関する規則(EC) No 110/2008を改正し、各種蒸留酒の定義において使用できる香料の種類を本規則第3条2項の定義に従って特定している(第28条)。ジン、蒸留ジン、キャラウェイ系蒸留酒、リキュール、エッグリキュール、ベーケバ・グロギ等では、使用できるものが香料物質および/または香料調製品に限られ、あるいは天然香料物質に限られる。該当する蒸留酒の製造事業者は、使用する香料の分類を確認する必要がある。
経過措置
2011年01月20日より前に適法に上市され、または表示された食品で本規則に適合しないものは、その賞味期限または消費期限まで販売することができる(第30条)。
注目定義
<対象>
■ 「香料」(flavourings)
| それ自体として消費されることを意図せず、匂いおよび/または味を付与または変更するために食品に添加される製品であって、香料物質、香料調製品、加熱処理香料、燻煙香料、香味前駆物質もしくはその他の香料またはこれらの混合物の分類から作られ、またはこれらから構成されるものをいう(第3条2項(a))。 |
<対象>
■ 「香料特性を有する食品成分」(food ingredient with flavouring properties)
| 香料以外の食品成分であって、食品に風味を加えるか風味を変更することを主たる目的として食品に添加されることがあり、かつ天然に生じる特定の望ましくない物質の食品中への存在に著しく寄与するものをいう(第3条2項(i))。 |
<対象>
■ 「天然香料物質」(natural flavouring substance)
| 植物性、動物性または微生物由来の材料から、生の状態で、または附属書IIに掲げる伝統的な食品調製工程の1つ以上により人の消費のために加工した後に、適切な物理的、酵素的または微生物的工程によって得られた香料物質をいう。天然香料物質は、自然界に天然に存在し、自然界において同定された物質に相当する(第3条2項(c))。 |
目次
第I章 対象事項、適用範囲および定義
■ 第1条 対象事項
■ 第2条 適用範囲
■ 第3条 定義
第II章 香料、香料特性を有する食品成分および原材料の使用条件
■ 第4条 香料または香料特性を有する食品成分の使用の一般条件
■ 第5条 不適合の香料および/または不適合の食品の禁止
■ 第6条 特定物質の存在
■ 第7条 特定の原材料の使用
■ 第8条 評価および承認を要しない香料および香料特性を有する食品成分
第III章 食品への使用が承認された香料および原材料のEUリスト
■ 第9条 評価および承認を要する香料および原材料
■ 第10条 香料および原材料のEUリスト
■ 第11条 香料および原材料のEUリストへの掲載
■ 第12条 規則(EC) No 1829/2003の適用範囲に入る香料または原材料
■ 第13条 解釈に関する決定
第IV章 表示
■ 第14条 最終消費者への販売を意図しない香料の表示
■ 第15条 最終消費者への販売を意図しない香料の一般表示要件
■ 第16条 「天然」の用語の使用に関する特別要件
■ 第17条 最終消費者への販売を意図する香料の表示
■ 第18条 その他の表示要件
第V章 手続規定および実施
■ 第19条 食品事業者による報告
■ 第20条 加盟国による監視および報告
■ 第21条 委員会
■ 第22条 附属書IIから附属書Vの改正
■ 第23条 整合化された政策のEUによる資金調達
第VI章 経過規定および最終規定
■ 第24条 廃止
■ 第25条 香料および原材料のEUリストへの香料物質リストの導入および経過措置
■ 第26条および第27条 削除済み
■ 第28条 規則(EC) No 110/2008の改正
■ 第29条 削除済み
■ 第30条 発効
附属書
■ 附属書I 香料および原材料のEUリスト(パートA 香料物質のEUリスト)
■ 附属書II 伝統的な食品調製工程のリスト
■ 附属書III 特定物質の存在(パートA それ自体として食品に添加してはならない物質/パートB 香料および香料特性を有する食品成分が添加された、消費される状態の特定の複合食品における、香料および香料特性を有する食品成分に天然に存在する特定物質の最大許容値)
■ 附属書IV 香料および香料特性を有する食品成分の製造における使用に制限が適用される原材料のリスト(パートA 香料および香料特性を有する食品成分の製造に使用してはならない原材料/パートB 特定の原材料から製造された香料および香料特性を有する食品成分の使用条件)
■ 附属書V 加熱処理香料の製造条件および加熱処理香料における特定物質の最大許容値(パートA 製造条件/パートB 特定物質の最大許容値)
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 食品への使用のための香料および香料特性を有する特定の食品成分に関する、ならびに理事会規則(EEC) No 1601/91、規則(EC) No 2232/96および(EC) No 110/2008ならびに指令2000/13/ECを改正する、2008年12月16日の欧州議会および理事会規則(EC) No 1334/2008 |
| 公布日 | 2008年12月31日(官報 OJ L 354、2008年12月31日、34頁。採択日は2008年12月16日) |
| 所管当局 | 欧州委員会(本規則の実施およびEUリストの更新)。リスク評価は欧州食品安全機関(EFSA)が行い、欧州委員会は食物連鎖・動物衛生常設委員会の補佐を受ける(第8条2項、第21条1項)。 |
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