| 法令の情報時期:2025年09月 統合版 | ページ作成時期:2026年09月 |
目的
本規則は、次の食品カテゴリーについて、組成に関する要件及び情報に関する要件を定めるものである(第1条1項)。
■ 乳児用調製乳及びフォローアップ用調製乳
■ 加工穀物系食品及びベビーフード
■ 特別医療用食品
■ 体重管理用完全食事代替食品
あわせて本規則は、これらのカテゴリーの一又は複数に添加することができる物質のEUリストを定め、当該リストの更新に適用される規程を置く(第1条2項)。また、本規則の対象食品を摂取する者について高い水準の健康保護を確保するため、規則(EC) No 178/2002第7条に定める予防原則が適用される(第5条)。
概要
本規則は、対象となる4つの食品カテゴリーについて、組成及び情報提供の要件を横断的に定める枠組み規則である。第1条1項の食品は、本規則に適合する場合にのみ上市でき、小売市場では包装済み食品の形態でのみ認められる(第4条1項、2項)。
組成については、意図された摂取者の栄養要求を満たし適切であること、摂取者の健康を危険にさらす量の物質を含まないことが求められる(第9条1項、2項)。表示、提示及び広告については、適切な使用のための情報を提供し、誤解を与えず、疾病の予防・治療・治癒の性質を帰属させ又は示唆してはならない(第9条5項)。乳児用調製乳及びフォローアップ用調製乳については、母乳による授乳を妨げない設計とすること、乳児の画像等を用いないことという追加要件が課される(第10条)。
添加物質については、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の一定のカテゴリーに属する物質は、附属書のEUリストに収載され当該リストの要素に適合する場合に添加できる(第15条1項)。
これらの一般要件を前提に、カテゴリー別の具体的な組成・表示要件、農薬の使用及び残留に関する要件、上市の届出要件等は、欧州委員会の委任法令により定められる仕組みとなっている(第11条)。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
本規則には、法令全体の適用から事業者、製品、施設又は行為を免除する規定は置かれていない。対象範囲は第1条1項に掲げる4つの食品カテゴリーにより画されており、ある食品が本規則の適用範囲に含まれるか、及びいずれのカテゴリーに属するかは、欧州委員会が実施法令により決定することができる(第3条)。
なお、定義上の除外及び経過的な取扱いとして次のものがある。
■ ベビーフードの定義からは、加工穀物系食品並びに幼児向けの乳ベース飲料及び類似製品が除かれる(第2条2項(f))
■ 本規則に適合しないが指令2009/39/EC及び該当する場合は規則(EC) No 953/2009並びに指令96/8/EC、1999/21/EC、2006/125/EC及び2006/141/ECに適合する第1条1項の食品であって、2016年07月20日より前に上市され又は表示されたものは、当該日以降も在庫がなくなるまで販売を継続できる(第21条1項)
■ 第11条1項の委任法令の適用日が2016年07月20日より後となる場合、本規則及び該当する上記法令に適合するが当該委任法令には適合しない第1条1項の食品であって、当該委任法令の適用日より前に上市され又は表示されたものは、在庫がなくなるまで販売を継続できる(第21条1項)
■ 第1条1項に該当しない食品であって、2016年07月20日より前に指令2009/39/EC及び規則(EC) No 953/2009並びに該当する場合は指令96/8/EC及び規則(EC) No 41/2009に従って上市され又は表示されたものは、在庫がなくなるまで販売を継続できる(第21条2項)
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
上市の条件及び販売形態(第4条)
第1条1項に掲げる食品は、本規則に適合する場合にのみ上市することができる(第4条1項)。また、これらの食品は、包装済み食品(prepacked food)の形態でのみ小売市場に出すことが認められる(第4条2項)。加盟国は、本規則に適合する食品について、その組成、製造、提示又は表示に関する理由により上市を制限又は禁止することはできない(第4条3項)。
食品に適用されるEU法令の遵守と本規則の優先(第6条)
第1条1項の食品は、食品に適用されるEU法令のあらゆる要件に適合しなければならない(第6条1項)。本規則に定める要件は、食品に適用されるEU法令の要件と抵触する場合に優先する(第6条2項)。
組成に関する一般要件(第9条1項〜4項)
第1条1項の食品の組成は、一般に認められた科学的データに従い、意図された摂取者の栄養要求を満たすために適切であり、かつ当該者に適したものでなければならない(第9条1項)。当該食品は、意図された摂取者の健康を危険にさらす量の物質を含んではならず、人工的に作られたナノ材料(engineered nanomaterial)である物質については、必要に応じて適切な試験方法に基づきこの要件への適合を実証しなければならない(第9条2項)。第9条1項の要件のために添加される物質は、一般に認められた科学的データに基づき、人体が利用できる生物学的利用能を有し、栄養上又は生理上の効果を有し、意図された摂取者に適したものでなければならない(第9条3項)。規則(EC) No 258/97第1条の対象となる物質は、同規則に基づく上市の条件を満たす場合に含有することができる(第9条4項)。
表示、提示及び広告に関する一般要件(第9条5項、6項)
第1条1項の食品の表示、提示及び広告は、当該食品の適切な使用のための情報を提供しなければならず、誤解を与えるものであってはならない。また、人の疾病を予防し、治療し又は治癒する性質を当該食品に帰属させ、又はそのような性質を示唆してはならない(第9条5項)。ただし、この規定は、医学、栄養学、薬学の資格を有する者、その他母子の保健を担当する医療専門職に対してのみ向けられた有用な情報又は推奨の提供を妨げない(第9条6項)。
乳児用調製乳及びフォローアップ用調製乳の追加要件(第10条)
乳児用調製乳及びフォローアップ用調製乳の表示、提示及び広告は、母乳による授乳を妨げないように設計しなければならない(第10条1項)。乳児用調製乳の表示、提示及び広告、並びにフォローアップ用調製乳の表示には、乳児の画像、又はこれらの調製乳の使用を理想化するおそれのあるその他の画像若しくは文章を含めてはならない。ただし、乳児用調製乳及びフォローアップ用調製乳を容易に識別するための図示、並びに調製方法を説明するための図示は認められる(第10条2項)。
添加できる物質及びEUリスト(第15条)
ビタミン、ミネラル、アミノ酸、カルニチン及びタウリン、ヌクレオチド、コリン及びイノシトールの各カテゴリーに属する物質は、附属書のEUリストに収載され、かつ第15条3項に従いリストに含まれる要素(添加できる食品カテゴリー、物質の名称・説明及び必要な場合は形態の仕様、使用条件、純度基準)に適合する場合に、第1条1項の食品へ添加することができる(第15条1項、3項)。EUリストに収載された物質は、第6条及び第9条の一般要件並びに該当する場合は第11条に基づく具体的要件を満たさなければならない(第15条2項)。純度基準は、本規則以外の目的で食品の製造に使用される場合に適用されるEU法令上の純度基準が適用され、EU法令に純度基準が定められていない物質については、当該基準が定められるまで国際機関が推奨する一般に受け入れられた純度基準が適用される(第15条4項、5項)。加盟国はより厳格な純度基準を定める国内規程を維持することができる(第15条5項)。第15条1項に掲げられていないカテゴリーに属する物質は、第6条及び第9条の一般要件並びに該当する場合は第11条に基づく具体的要件を満たす場合に添加することができる(第15条7項)。
委任法令により定められる具体的要件(第11条)
第6条及び第9条の一般要件並びに第10条の追加要件を前提として、次の事項は欧州委員会の委任法令により定められる(第11条1項)。事業者は、自社製品に該当する委任法令の内容を個別に確認する必要がある。
■ 第1条1項の食品に適用される具体的な組成要件(附属書に定める要件を除く)
■ 第1条1項の食品の製造に用いる製品における農薬の使用及び当該食品中の農薬残留に関する具体的要件。乳児用・幼児用の食品カテゴリー及び乳幼児の栄養要求を満たすために開発された特別医療用食品に係る要件は定期的に更新され、農薬の使用を可能な限り制限する規定を含む
■ 表示、提示及び広告に関する具体的要件(これらに関連する栄養強調表示及び健康強調表示の認可を含む)
■ 第1条1項の食品の上市に係る届出要件。これに基づき、食品事業者は当該食品が販売される加盟国の所管当局へ届出を行う
■ 乳児用調製乳に関する販売促進上及び商業上の慣行に関する要件
■ 乳幼児の栄養に関して提供すべき情報に関する要件
■ 乳児の栄養要求を満たすために開発された特別医療用食品に関する具体的要件(組成要件、農薬の使用及び残留、表示、提示、広告並びに販売促進上及び商業上の慣行に関する要件を含む)
移行措置(第21条)
本規則に適合しないが従前の指令・規則に適合する第1条1項の食品であって、2016年07月20日より前に上市され又は表示されたものは、当該日以降も在庫がなくなるまで販売を継続できる。第11条1項の委任法令の適用日が同日より後となる場合についても同様の取扱いが定められている(第21条1項)。第1条1項に該当しない食品についても、同日より前に従前の法令に従って上市され又は表示されたものは、在庫がなくなるまで販売を継続できる(第21条2項)。
政府に対する要件等を通じた影響(第3条、第7条、第14条、第20条)
欧州委員会は、ある食品が本規則の適用範囲に含まれるか、及び第1条1項のいずれのカテゴリーに属するかを実施法令により決定することができ、これにより事業者の製品の位置付けが確定する(第3条)。本規則に基づき公衆衛生に影響を及ぼす可能性があるEUの措置は、欧州食品安全機関の科学的意見を科学的根拠とする(第7条)。欧州委員会は、特に中小企業が第II章及び第III章を遵守することを容易にするための技術ガイドラインを採択することができる(第14条)。また、指令2009/39/EC等の従前の法令は本規則により廃止され、抵触する場合は本規則が優先する(第20条)。
注目定義
<対象>
■ 「特別医療用食品」
| 患者(乳児を含む)の食事管理のために特別に加工又は調合され、医学的監督の下で使用されることを意図した食品をいう。通常の食品若しくはそれに含まれる特定の栄養素若しくは代謝物を摂取、消化、吸収、代謝又は排泄する能力が限定され、損なわれ若しくは乱れている患者、又は医学的に決定されたその他の栄養要求を有する患者であって、通常の食事の変更のみではその食事管理を達成できない者の、排他的又は部分的な栄養補給を意図したものである(第2条2項(g))。 |
<対象>
■ 「体重管理用完全食事代替食品」
| 体重減少のためのエネルギー制限食での使用のために特別に調合された食品であって、食品事業者の指示どおりに使用された場合に1日の食事の全部を代替するものをいう(第2条2項(h))。 |
<対象>
■ 「乳児及び幼児」
| 「乳児」とは生後12か月未満の子供をいい、「幼児」とは1歳から3歳までの子供をいう(第2条2項(a)、(b))。乳児用調製乳、フォローアップ用調製乳、加工穀物系食品及びベビーフードの適用範囲を判断する基礎となる。 |
目次
第I章 総則
■ 第1条 対象事項
■ 第2条 定義
■ 第3条 解釈に関する決定
■ 第4条 上市
■ 第5条 予防原則
第II章 組成及び情報に関する要件
第1節 一般要件
■ 第6条 総則
■ 第7条 欧州食品安全機関の意見
■ 第8条 文書へのアクセス
■ 第9条 組成及び情報に関する一般要件
■ 第10条 乳児用調製乳及びフォローアップ用調製乳に関する追加要件
第2節 具体的要件
■ 第11条 組成及び情報に関する具体的要件
■ 第12条 幼児向けの乳ベース飲料及び類似製品
■ 第13条 スポーツをする者向けの食品
■ 第14条 技術ガイドライン
第III章 EUリスト
■ 第15条 EUリスト
■ 第16条 EUリストの更新
第IV章 手続規定
■ 第17条 委員会手続
■ 第18条 委任の行使
■ 第19条 緊急手続
第V章 最終規定
■ 第20条 廃止
■ 第21条 移行措置
■ 第22条 発効
附属書 第15条1項に規定するEUリスト
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 乳幼児向け食品、特別医療用食品及び体重管理用完全食事代替食品に関し、並びに理事会指令92/52/EEC、欧州委員会指令96/8/EC、1999/21/EC、2006/125/EC及び2006/141/EC、欧州議会及び理事会指令2009/39/EC並びに欧州委員会規則(EC) No 41/2009及び(EC) No 953/2009を廃止する、2013年06月12日の欧州議会及び理事会規則(EU) No 609/2013 |
| 公布日 | 2013年06月12日(官報掲載:OJ L 181、2013年06月29日、35頁) |
| 所管当局 | 欧州委員会(食品連鎖・動物衛生常設委員会の補佐を受ける(第17条1項))、欧州食品安全機関(第7条)、及び食品が販売される加盟国の所管当局(第11条1項(d)) |
作成者