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解説EU-海上輸送温室効果ガス排出量モニタリング・報告・検証規則...

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法令の情報時期:2025年01月 統合版 ページ作成時期:2026年08月

目的

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本規則は、費用対効果の高い方法で海上輸送からの温室効果ガス排出量の削減を促進することを目的としている。

概要

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本規則は、加盟国の管轄下にある港に到着し、港内にあり、又は港から出港する船舶について、温室効果ガス排出量及びその他の関連情報を正確にモニタリング、報告及び検証するための規則を定めるものである。

■ 適用範囲 商業目的で貨物又は乗客を輸送する5,000総トン以上の船舶に適用される。さらに、2025年1月1日以降は、以下の船舶についても適用対象となっている。

・商業目的で貨物を輸送する400総トン以上5,000総トン未満の一般貨物船

・400総トン以上のオフショア船

これらの船舶の最後の寄港地から加盟国の管轄下にある寄港地までの航海、加盟国の管轄下にある寄港地から次の寄港地までの航海、及び加盟国の管轄下にある寄港地内で放出される温室効果ガスの排出量について適用される。

対象となる温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)に加え、2024年以降に放出されるメタン(CH4)及び一酸化二窒素(N2O)である。

■ 主な事業者要件 事業者は、各船舶について、モニタリング計画の提出・管理、排出報告書・会社レベルの集計排出データの提出、適合証明書(Document of Compliance:DoC)の船上保持などの要件を遵守する必要がある。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

以下の船舶には、本規則は適用されない。

■ 軍艦
■ 海軍補助船舶
■ 漁獲船又は魚類加工船
■ 原始的な構造の木造船舶
■ 機械的手段によって推進されない船舶
■ 非商業目的で使用される政府船舶

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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事業者(Company:指令2003/87/EC第3条(w)に定義される海運会社)に適用される要件を整理する。

■ モニタリング計画の提出・管理

  • 事業者は、2024年4月1日までに、自社の各船舶についてモニタリング計画を作成し、検証機関による本規則への適合性の評価を受けた上で、担当管理当局に提出しなければならない(第6条第6項)。
  • 2024年1月1日以降に初めて本規則の適用対象となった船舶については、各船舶が加盟国の管轄下にある港に初めて寄港してから3か月以内にモニタリング計画を提出しなければならない(第6条第7項)。
  • 担当管理当局は、提出されたモニタリング計画を所定の規則に従って承認する(第6条第8項)。
  • 事業者は、船舶のモニタリング計画が当該船舶の性質及び機能を反映しているか、またモニタリング手法に改善の余地があるかを、定期的に、かつ少なくとも年1回、確認しなければならない(第7条第1項)。
  • 会社の変更が発生した場合、新たな排出源・燃料の使用により、新たな温室効果ガス排出が生じた場合などには、モニタリング計画を修正しなければならない(第7条第2項)。
  • 一定のモニタリング計画の修正は、検証機関による評価を受ける。検証機関による評価後、修正が本規則の要件に適合している旨の通知を受けた場合、事業者は修正したモニタリング計画を担当管理当局に提出して承認を受けなければならない(第7条第4項・第5項)。
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■ 排出量・関連情報のモニタリング要件

  • 事業者は、モニタリング計画に基づき、各船舶について、所定の方法で、航海ごと及び年次で温室効果ガス排出量をモニタリングしなければならない(第8条)。
  • 航海ごとのモニタリング:出発港・到着港(出発・到着日時を含む)、各燃料の総消費量及び排出係数、排出された温室効果ガス、航行距離、海上で費やされた時間、輸送貨物、輸送仕事量をモニタリングしなければならない(第9条第1項)。ただし、報告期間中の全航海が加盟国の管轄下にある港から開始又は同港で終了し、かつ、当該船舶がその運航予定に従って報告期間中に300航海を超える航海を行う場合については、航海ごとのモニタリング義務が免除される(第9条第2項)。
  • 年次モニタリング:各燃料の総消費量及び排出係数、本規則の対象となる温室効果ガスの総排出量、加盟国の管轄下にある港間の全航海、同港を出発する全航海、同港への全航海及び同港内で係留中に発生した温室効果ガス排出量、総航行距離、海上で費やされた総時間、総輸送仕事量、平均エネルギー効率、並びにEU ETS指令(指令2003/87/EC)に基づき海上輸送活動について報告すべき温室効果ガスの総排出量及び同指令の関連する適用除外の適用を正当化するために必要な情報適用除外の適用を正当化するために必要な情報を毎年モニタリングしなければならない(第10条)。
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■ 排出報告書及び会社レベルの集計排出データの提出

  • 事業者は、原則として、毎年3月31日までに、前年の報告期間全体について、検証機関により十分であると検証された、責任下にある各船舶の排出報告書を担当管理当局、関係する旗国当局及び欧州委員会に提出しなければならない(第11条第1項)。
  • 会社変更が生じた場合、旧事業者は、遅くとも変更完了から3か月以内に、自らの責任下で活動を行った期間について、検証済みの排出報告書を担当管理当局、関係する旗国当局、新事業者及び欧州委員会に提出しなければならない(第11条第2項)。
  • 事業者は、報告期間中に自らの責任下にある各船舶の排出報告書及び会社変更時の報告書に基づき、報告期間における「会社レベルの集計排出データ」を算定しなければならない(第11a条第1項)。
  • 前年の報告期間についてEU ETS(指令2003/87/EC)に基づき海上輸送活動に関して報告すべき排出量を対象とする、検証済みの「会社レベルの集計排出データ」を、原則として、毎年3月31日までに担当管理当局に提出しなければならない(第11a条第2項・第3項)。
  • 排出報告書及び会社レベルの集計排出データの報告は、自動化システム及びデータ交換フォーマットを使用して提出しなければなららない(第12条)。
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■ 適合証明書の船上保持

  • 排出報告書が所定の要件を満たす場合、検証機関は検証報告書に基づき、当該船舶の適合証明書を発行する。適合証明書は報告期間終了後18ヶ月間有効である(第17条第1項・第3項)。
  • 報告期間中に航海を行い、加盟国の管轄下にある港に到着する、港内にある又は港から出発する船舶は、報告期間終了後の翌年6月30日までに、有効な適合証明書を船上に備え付けなければならない(第18条)。
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■ モニタリング・報告義務違反時の罰則

  • 加盟国は、モニタリング・報告義務に違反した場合の実効的、比例的かつ抑止力のある罰則制度を設け、罰則が確実に適用されるよう必要な措置を講じなければならない(第20条第1項)。

■ モニタリング・報告義務違反時の入港禁止・拘留措置

  • 2つ以上の連続する報告期間にわたりモニタリング・報告義務に違反し、かつ他の執行措置によっても遵守が確保されなかった船舶について、入港地の加盟国の管轄当局は、事業者に見解を提示する機会を与えた上で、追放命令を発令することができる。
  • 追放命令が発令された場合、当該船舶がその旗を掲げている加盟国を除くすべての加盟国は、事業者が義務を履行するまで、当該船舶の自国の港への入港を拒否しなければならない。また、当該船舶が加盟国の旗を掲げており、その加盟国の港に入港し、又はその港で発見された場合、当該加盟国は、事業者に見解を提示する機会を与えた上で、義務が履行されるまで当該船舶を拘留しなければならない。
  • モニタリング・報告義務の履行は、追放命令を発令した管轄当局に有効な適合証明書が通知されることにより確認される(第20条第3項)。
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■ 事業者への将来的な影響

  • 国際的な枠組みとの調和:温室効果ガス排出に関する世界的なモニタリング・報告・検証システム、又は海上輸送からの温室効果ガス排出を削減するための世界的な措置に関する国際協定が締結された場合、欧州委員会は本規則を見直し、必要に応じて、当該国際協定との整合性を確保するため、本規則の改正を提案する(第22条第3項)。これにより、将来的に事業者に求められるモニタリング・報告の内容が変更される可能性がある。

注目定義

<対象>

■ 「会社」(company)

「会社」とは、指令2003/87/EC第3条(w)に定義される海運会社をいう。

<対象>

■ 「報告期間」(reporting period)

「報告期間」とは、特定の年の1月1日から12月31日までの期間をいう。2つの異なる年に開始及び終了する航海については、それぞれのデータを該当する年の報告期間に計上する。

<対象>

■ 「その他の関連情報」(other relevant information)

「その他の関連情報」とは、燃料の消費による温室効果ガス排出量、輸送仕事量及び船舶のエネルギー効率に関連する情報であって、これにより排出量の傾向の分析及び船舶の性能評価が可能となるものをいう。

<対象>

■ 「会社レベルの集計排出量データ」(aggregated emissions data at company level)

「会社レベルの集計排出量データ」とは、指令2003/87/ECの対象となる温室効果ガスについて、海上輸送活動に関連し、同指令の附属書Iに従い、かつ、同指令に基づき会社が報告すべき排出量の合計であって、報告期間中にその責任下にあるすべての船舶に係るものをいう。

<対象>

■ 「担当管理当局」(administering authority responsible)

「担当管理当局」とは、指令2003/87/EC第3gf条に規定される海運会社に関する管理当局をいう。

目次

第1章 一般規定

  第1条 対象事項

  第2条 適用範囲

  第3条 定義

第2章 モニタリング及び報告

 第1節 モニタリング及び報告の原則及び方法 

  第4条 モニタリング及び報告の共通原則

  第5条 温室効果ガス排出量及びその他の関連情報のモニタリング方法

 第2節 モニタリング計画

  第6条 モニタリング計画の内容及び提出

  第7条 モニタリング計画の変更

 第3節 温室効果ガス排出量及びその他の関連情報のモニタリング

  第8条 報告期間内における活動のモニタリング

  第9条 航海ごとのモニタリング

  第10条 年次モニタリング

 第4節 報告

  第11条 排出報告書の内容

  第11a条 会社レベルの集計排出データの報告及び提出

  第12条 排出報告書の様式及び会社レベルの集計排出データの報告

第3章 検証及び認定

  第13条 検証活動の範囲及び検証報告書

  第14条 検証機関の一般的義務及び原則

  第15条 検証手続

  第16条 検証機関の認定

第4章 遵守及び情報の公表

  第17条 適合証明書

  第18条 有効な適合証明書の船上保持義務

  第19条 モニタリング及び報告要件の遵守並びに検査

  第20条 罰則、情報交換及び追放命令

  第21条 情報の公表及び欧州委員会の報告書

第5章 国際協力

  第22条 国際協力

  第22a条 見直し

第6章 委任権限、実施権限及び最終規定

  第23条 委任権限の行使

  第24条 委員会手続

  第25条 指令2009/16/ECの改正

  第26条 発効

附属書 I 温室効果ガス排出量のモニタリング方法

附属書 II その他の関連情報のモニタリング

附属書 III 第15条及び第16条に規定する委任行為において考慮すべき要素

基礎情報

法令(現地語)

Regulation (EU) 2015/757 of the European Parliament and of the Council of 29 April 2015 on the monitoring, reporting and verification of greenhouse gas emissions from maritime transport, and amending Directive 2009/16/EC

法令(日本語)

海上輸送からの温室効果ガス排出量のモニタリング、報告及び検証に関する2015年4月29日の欧州議会及び理事会規則(EU)2015/757(指令2009/16/ECの改正)

公布日

2015年05月19日

所管当局

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作成者

株式会社先読

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