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法令の情報時期:2026年07月 統合版 ページ作成時期:2026年09月

目的

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本実施決定は、その正式名称が示すとおり、使い捨てプラスチック飲料ボトルに含まれる再生プラスチック含有率に関するデータの算定、検証および報告について、指令(EU) 2019/904(特定プラスチック製品環境影響低減指令、SUP指令)を適用するための規則を定めることを目的とする。

条文から確認できる目的は次のとおり整理できる。

■ PETボトルに含まれる再生プラスチック含有率の算定方法を統一すること(第2条から第4条)

■ 再生プラスチックの重量を、サプライチェーンのどの時点でどのように算定するかを定め、マスバランス方式を用いる場合の計算規則を統一すること(第6条、第7条)

■ 経済事業者による申告と第三者検証の枠組みを定め、データの信頼性を確保すること(第8条)

■ 加盟国が欧州委員会に報告する際の様式を統一すること(第9条、附属書II、附属書III)

あわせて、従前の実施決定(EU) 2023/2683を廃止し、これに置き換える(第11条)。なお、参照した情報源のテキストには前文(recital)が含まれていないため、上記は本文に基づく整理である。

概要

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本実施決定は2026年06月30日に欧州委員会が採択し、官報(OJ L, 2026/1425)に2026年07月03日に掲載されたものであり、参照した情報源は2026年07月03日時点の統合版テキストである。統合版には2件の訂正(corrigendum)の反映が示されている。発効は官報掲載の20日後とされている(第12条)。

本実施決定は、指令(EU) 2019/904第6条5項(a)に定める再生プラスチック含有率の目標について、その達成状況を測るための算定・検証・報告の手続を定めるものである。目標値そのものは同指令に定められており、本実施決定はこれを変更しない。

適用対象は、飲料ボトルを上市するに至るサプライチェーンの一部を構成する事業者、または飲料ボトルを上市する事業者であり、具体的には、規則(EU) 2022/1616に定義されるリサイクル事業者および成形加工事業者、規則(EC) No 178/2002に定義される食品事業者、第三国の製品を加盟国市場に上市するEU域内の自然人・法人、ならびに廃棄物の収集または処理を業として行う自然人・法人である(第1条(5))。

対象製品は、容量3リットル以下の使い捨てプラスチック飲料ボトル(キャップ、蓋、ラベル、スリーブを含む)のうち、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするPETボトルである。プラスチック製のキャップ・蓋を有するガラス製・金属製の飲料ボトル、および規則(EU) No 609/2013(食事代替品等添加・表示規則)第2条2項(g)に定義される特別医療用途食品であって液状のものに使用される飲料ボトルは除かれる(第1条(3)・(4))。

主な事業者要件は、顧客に提供する材料の各バッチに再生材含有率に関する申告を添付すること、供給者から受領した申告を5年以上保管すること、マスバランス方式を用いる場合に算定体制と証拠保管体制を整備し年次(中小企業は3年に1回)の第三者検証を受けること、および検証証明書の写しを直接の顧客に引き渡すことである。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

本実施決定は、算定・検証・報告の手続を定めるものであり、事業者・製品・施設を法令全体の適用から免除する規定は限定的である。定義規定において対象から除かれるもの、および要件の適用が緩和されるものは次のとおりである。

■ プラスチック製のキャップおよび蓋を有するガラス製または金属製の飲料ボトルは、「飲料ボトル」の定義から除かれる(第1条(3)(a))。

■ 規則(EU) No 609/2013第2条2項(g)に定義される特別医療用途食品であって液状のものに使用される飲料ボトルは、「飲料ボトル」の定義から除かれる(第1条(3)(b))。

■ ポリエチレンテレフタレートを主成分としない飲料ボトルは「PETボトル」に該当せず、本実施決定の算定対象とならない(第1条(4))。

■ 材料の化学的または物理的組成を変更せず、他の材料と混合しない経済事業者は、自ら申告を作成する必要はなく、供給者から受領した申告を顧客に引き渡すことのみが求められる(第8条3項)。

■ 勧告2003/361/ECにいう零細・中小企業については、年次の検証に代えて3年に1回の検証で足りる。これに対応して検証証明書の有効期間も3年となる(第8条5項第2段落、第8条9項(b))。

■ 入力段階と出力段階のいずれにおいても材料がポリマーである経済事業者は、自ら検証を受ける対象とはならず、受領した証明書の写しを直接の顧客に引き渡す義務のみを負う(第8条5項、第8条10項)。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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再生プラスチックとして算入できる範囲

■ 「再生プラスチック」とは、リサイクル前に消費後プラスチック廃棄物であり、EU域内で指令2008/98/EC(廃棄物枠組み指令)第3条(17)に定義されるリサイクル(選別を含む)により製造されたプラスチックをいう。2027年11月21日以降は、OECD決定が適用される第三国(規則(EU) 2024/1157第45条5項・6項の評価・決定により環境上適正な管理の要件を満たさないとされた場合を除く)、およびEUが協定・取決めを締結した第三国でリサイクルされた消費後プラスチック廃棄物も対象となる(第1条(1))。

■ 協定・取決めによる第三国については、各施設において人の健康・環境保護に関するEU基準と同等の方法で処理されることに加え、当該国が全領域を対象とする包括的な廃棄物管理の枠組みを有し、環境上適正な廃棄物管理を保証する能力と意思を示していることが求められる。拡大生産者責任制度等の導入状況、消費後プラスチック廃棄物のリサイクル比率を高める措置と監視指標、および国内市場向け製品への再生プラスチック配合比率を高める措置と監視指標が考慮される(第1条(1)(b))。

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再生プラスチック重量の算定方法

■ PETボトルの再生プラスチック重量は、ボトル本体、キャップ・蓋、ラベル・スリーブの部位ごとに算定して合計する(第5条2項、附属書I 式2)。

■ 消費後プラスチック廃棄物以外を投入物として用いておらず、かつ再生プラスチックのすべてが、規則(EU) 2022/1616に基づく適切なリサイクル技術である機械的リサイクル、または同規則に基づく適切なリサイクル技術もしくは新規技術であって出力物中の対象材料の割合が判明しているものにより得られている場合は、同規則附属書IIIの適合宣言に添付される附属書V C部の申告に記載された再生プラスチックの割合に、当該部位の重量を乗じて算定する(第5条2項)。

■ 上記の方法が適用できない場合は第6条の方法を用いる(第5条3項)。上記の技術によるものと他のリサイクル方法によるものが混在する場合は、混合が生じる段階以降、各段階で第6条の方法を適用する(第5条4項)。

■ 算定地点は、消費後プラスチック廃棄物に全部または一部由来する材料の化学的・物理的組成が変更されるたびに(他の材料と混合される場合を含む)設定しなければならない。PETボトル中の再生プラスチック重量は、上市時点において各部位の算定地点で得られたデータに基づき算定する(第6条1項)。

■ 算定地点で出力物中の対象材料の割合が判明しており、かつそれ以前にマスバランス方式が適用されていない場合は、出力物の各バッチについて、対象材料の百分率にバッチ重量を乗じて算定する。これが適用できない場合はマスバランス方式を用いる(第6条2項・3項)。

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マスバランス方式に関する要件

■ 帰属量は、対象期間について代表性のあるプロセス固有の運転データに基づき決定する。投入物中の対象材料の重量は、他の事業者から受領した申告または自らの内部文書に基づき決定する(第7条1項・2項)。

■ 原則として、投入された対象材料の重量は、各出力物における対象材料の相対的割合が投入物における割合と等しくなるように配分する。次に各出力物を出力カテゴリーに分類し、リサイクル経路に残る割合を表すデュアルユース係数を乗じる。係数は「非燃料」で1、「燃料」および「損失」で0、「デュアルユース出力物」では固体の場合0、液体・気体の場合は事業者が検証可能な証拠を提供する割合とする(第7条5項)。

■ リサイクル経路上の最初の算定地点であって、対象材料のすべてが燃料もしくは損失に加工されるかスチームクラッカーに投入され、かつ投入される対象材料が液状である場合は、最大許容沸点に基づく算定手順を適用する。EN 15199-3:2021およびEN 15199-4:2021等の標準試験方法により最大許容沸点で蒸発する重量を測定し、その比率をスチームクラッカーに投入される材料重量に乗じる(第7条3項・4項)。

■ 帰属量の配分後、事業者は一定の条件の下で出力物間の再配分を行える。条件は、対象投入物を当該出力物に現実的に転換する実行可能な化学プロセスが存在することを証明できること、帰属量が当該出力物のうち対象投入材料に由来しうる部分の割合を超えないこと、および投入物と出力物の双方がポリマーでないことである(第7条6項)。

■ マスバランス方式を実施できる最長期間は3か月である。正の残高は次期に繰り越せるが、負の残高はいかなる時点でも認められない(第7条7項)。

■ マスバランス方式は施設ごとに適用し、帰属量を同一企業の異なる施設間または異なる企業間で移転してはならない(第7条8項)。

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申告および記録保管

■ 経済事業者は、顧客に提供する材料の各バッチに、附属書V A部・B部・C部のうち該当する様式による再生材含有率の申告を添付し、供給者から受領した申告を5年以上保管しなければならない(第8条3項)。

■ 附属書V A部の申告は廃棄物の発生地点で作成し、材料の名称・仕様、原産国、輸入時の品目コード、バッチ番号、総重量、消費後プラスチック廃棄物の重量とその百分率を記載する。

■ 附属書V B部の申告は、第5条2項が適用されない材料についてリサイクル事業者、成形加工事業者、食品事業者および輸入者が作成し、第三国からの原料調達の有無と調達国・品目コード、対象材料の重量と百分率、適用したリサイクル技術とその割合、規則(EU) 2022/1616または規則(EU) No 10/2011の適用範囲か否か、マスバランス方式の適用の有無と関係事業者の検証登録番号・検証機関・証明書の有効期限を記載する。適合宣言の写し、およびマスバランス方式を適用した場合は証明書の写しの添付が義務付けられる。

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検証に関する要件

■ 投入段階と出力段階の双方において材料がポリマーで構成されていない材料を処理し、かつ第6条3項に従ってデータを算定する経済事業者は、算定に関するすべての証拠を安全に保管し確認する体制を有すること、帰属量を算定する機能する体制を有すること、本実施決定および指令(EU) 2019/904への適合を証明する証拠を5年以上(加盟国がより長い期間を求める場合はその期間)保管すること、当該証拠の検証に関する情報を準備する責任を負うこと、および検証機関による施設単位での年次検証を受けることを、すべて満たさなければならない。零細・中小企業については検証は3年に1回とされる(第8条5項)。

■ 検証は現地で実施され、規則(EC) No 765/2008(製品販売認定・市場監視規則)に基づき官報に参照が公表された規格に従って行われる。事業者は、活動と組織体制の特定、リスク分析、検証計画に基づく証拠の収集、監査証跡の欠落部分・変動の説明または主張・算定の修正の要求、施設ごとの投入物・出力物の一覧と供給者・顧客の詳細、第7条に基づく配分に関する情報の提供に応じる必要がある(第8条6項)。

■ 検証において発行される証明書は、附属書IVの要素を少なくとも含み、有効期間は1年(零細・中小企業は3年)とし、すべての加盟国で相互に承認される(第8条9項)。

■ 投入段階または出力段階のいずれかにおいて材料がポリマーで構成されていない材料を処理する経済事業者は、直接の顧客に証明書の写しを提供しなければならない。投入・出力の双方で材料がポリマーであり証明書の写しを受領した経済事業者は、その写しを直接の顧客に引き渡さなければならない(第8条10項)。

■ 加盟国は、PETボトルを上市する経済事業者から、第8条3項の申告および当該事業者が供給者から受領した証明書を収集する。PETボトルを上市する事業者はこれらの提出を求められることになる(第8条10項第3段落)。

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解釈が明確でない点

■ 第8条5項は「投入段階と出力段階の双方において材料がポリマーで構成されていない」事業者を検証対象とする一方、第8条10項第1段落は「投入段階または出力段階のいずれかにおいて材料がポリマーで構成されていない」事業者に証明書の提供義務を課している。両者の範囲の関係について情報源に明示的な説明はなく、自社がいずれに該当するかの判断には曖昧な部分が残っていると考えられる。該当しうる事業者は、加盟国の所管当局または検証機関に確認することが望ましい。

注目定義

<対象>

■ 「経済事業者」(economic operator)

飲料ボトルの上市に至るサプライチェーンの一部を構成する事業者、または飲料ボトルを上市する事業者であって、規則(EU) 2022/1616第2条3項(16)に定義されるリサイクル事業者、同項(17)に定義される成形加工事業者、規則(EC) No 178/2002第3条(3)に定義される食品事業者、第三国の製品を加盟国市場に上市するEU域内に設立された自然人・法人、および廃棄物の収集または処理のいずれかもしくは双方を業として行う自然人・法人をいう(第1条(5))。

<対象>

■ 「飲料ボトル」(beverage bottle)

容量3リットル以下の使い捨てプラスチック飲料ボトルをいい、キャップ、蓋、ラベルおよびスリーブがある場合にはこれらを含む。ただし、プラスチック製のキャップ・蓋を有するガラス製・金属製の飲料ボトル、および液状の特別医療用途食品に使用される飲料ボトルを除く(第1条(3))。

<対象>

■ 「対象材料」(eligible material)

消費後プラスチック廃棄物および消費後プラスチック廃棄物に由来する材料をいう(第1条(7))。マスバランス方式における帰属量の算定は、この対象材料を単位として行われる。

目次

第1条 定義

第2条 PETボトル中の再生プラスチック含有率の算定方法

第3条 PETボトル中のプラスチック重量の決定方法

第4条 PETボトル中の再生プラスチック重量の決定方法

第5条 PETボトルを上市する経済事業者からのデータ収集義務

第6条 対象材料の重量の算定

第7条 マスバランス方式

第8条 検証

第9条 加盟国によるデータの収集および報告

第10条 見直し条項

第11条 廃止

第12条 発効

附属書I PETボトル中の再生プラスチック含有率を算定するための計算式(式1から式9)

附属書II データ報告の様式

附属書III 品質確認報告書の様式

附属書IV 証明書の様式

附属書V 再生材含有率に関する申告の様式(A部:廃棄物の発生地点、B部:第5条2項(a)・(b)が適用されない材料、C部:第5条2項(a)または(b)が適用される材料)

基礎情報

法令(現地語)

Commission Implementing Decision (EU) 2026/1425 of 30 June 2026 laying down rules for the application of Directive (EU) 2019/904 of the European Parliament and of the Council as regards the calculation, verification and reporting of data on recycled plastic content in single-use plastic beverage bottles and repealing Commission Implementing Decision (EU) 2023/2683

法令(日本語)

使い捨てプラスチック飲料ボトル中の再生プラスチック含有率に関するデータの算定、検証および報告に関して欧州議会および理事会の指令(EU) 2019/904を適用するための規則を定め、欧州委員会実施決定(EU) 2023/2683を廃止する2026年06月30日の欧州委員会実施決定(EU) 2026/1425

公布日

2026年07月03日(官報 OJ L, 2026/1425)。採択日は2026年06月30日。参照した情報源は2026年07月03日時点の統合版テキストである。

所管当局

欧州委員会、および加盟国の所管当局。情報源には具体的な総局名の記載がないため、これ以上の特定はできない。

作成者

株式会社先読

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