| 法令の情報時期:2026年07月 公布 | ページ作成時期:2026年09月 |
目的
本規則は、輸入貨物又は輸出貨物の通過輸送(Angkut Terus)及び継続輸送(Angkut Lanjut)に係る手続を定めるものである。
前文(考慮事項)では、税関の役務提供及び監督を向上させるとともに、国家の権利の保全を確保することが目的として示されている。
本規則は、同一の事項を定めていた2019年財務大臣規則第216/PMK.04/2019号を廃止して置き換えるものであり、税関情報システム(SKP)を通じた電子的な届出・審査を前提とする手続へ全体を整理し直している。
あわせて、他の一時保管場所への輸入貨物の輸送、一時保管場所間の蔵置場所の変更(PLP)、及び関税地域外を経由して関税地域内の他の場所へ国内貨物を輸送する場合の手続についても、根拠となる規定が整理されている。
概要
本規則は、2006年法律第17号(1995年法律第10号・関税法の改正法)第10A条第9項及び第11A条第7項に基づき制定された財務大臣規則である。2026年07月15日に署名され、2026年07月31日に官報(BNRI 2026年531号)へ掲載された。第32条により、公布の日から30日を経過した後、すなわち2026年08月30日から施行される。
対象となるのは、税関官署を経由して輸送される輸入貨物及び輸出貨物のうち、取卸しを行わずに通過する貨物(通過輸送貨物)と、取卸しを行ったうえで引き続き輸送される貨物(継続輸送貨物)である。実務上の名宛人は、主として運送人(Pengangkut)及び一時保管場所(TPS)の事業者であり、混雑を理由とする他の一時保管場所への搬出のように輸入者が関与する場面もある。
主な事業者要件は、Inward Manifest及びOutward Manifestによる届出、蔵置場所の限定、税関地域外で積卸しを行う場合の事前申請、陸上輸送における電子封印又は保証・護送の措置、蔵置場所の変更に係る申請と期限の遵守、及び貨物が目的地に到着しなかった場合の税負担の責任である。
手続の多くは税関情報システム(SKP)又はインドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウを通じて行うこととされ、システムが利用できない場合の代替手段も定められている。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
本規則には、法令全体の適用から一律に免除される事業者、製品又は施設を定めた規定は確認できない。関連して、次の取扱いが定められている。
■ 自由地域(Kawasan Bebas)の税関地域その他の場所からの通過輸送・継続輸送、及び他の税関地域の一時保管場所への搬出については、自由貿易地域及び自由港への貨物の搬出入に関する規則の定めるところによる(第25条)。
■ 通過輸送及び継続輸送は、インドネシア政府が批准した国際協定又は取決めの定めに従って行うことができる(第30条)。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
税関地域への搬入・蔵置・搬出(第2条から第4条まで)
■ 通過輸送又は継続輸送のために税関地域へ搬入する輸入・輸出貨物は、運送書類に基づきInward Manifest(入港積荷目録)で明細を届け出る。届出は、輸入・輸出の別及び通過輸送・継続輸送の別ごとに区分して記載しなければならない(第2条)。
■ 蔵置できる場所は、一時保管場所(TPS)、流通センター型の一時保管場所、又は一時保管場所と同様に取り扱われるその他の場所である(第3条)。
■ 搬出はOutward Manifest(出港積荷目録)で届け出る。登録番号及び日付が付与されたものが搬出の承認として扱われ、先行する搬入情報(Inward Manifestの登録番号・日付及びポスト番号)の記載を要する(第4条)。
輸送手段の修理用部品(第5条)
■ 輸送手段(関税地域内の輸送に使用されないものに限る)の修理用の輸入部品は継続輸送の仕組みで処理できる。運送人は当該輸送手段の所在地を管轄する税関官署長へ、貨物一覧及び運送書類を添付して申請する。決定は申請が完備した後2就業日以内に行われる。取卸し地と係留地の管轄税関官署が異なる場合、取卸し地へOutward Manifest、係留地へInward Manifestを提出しなければならない。
税関地域外での取卸し・積込み(第6条、第7条)
■ 継続輸送に係る積卸しは原則として税関地域内で行う。例外として、輸入貨物の取卸しは経由港・仕向港で、輸出貨物の取卸しは関税地域内の地域間航路による継続輸送の場合又は役務・監督の最適化の観点から、税関地域外で行える。積込みは、関税地域内への/からの継続輸送、蔵置を伴わない船から船への積替え、又は最適化の観点から税関地域外で行える。輸出貨物の取卸し及び積込みを税関地域外で行う場合は税関官署長の許可を要し(輸入貨物の取卸しは関係法令の定めによる)、監督はリスク管理に基づき選択的に行われる(第6条)。
■ 申請はSKPを通じて行い運送書類を添付する。決定は申請が完備した後1就業日以内(現地調査を行う場合は調査後1就業日以内)である。承認書は搬出入の承認として、また積込みが遅延する場合は蔵置の許可として扱われる(第7条)。
複数の輸送モードによる継続輸送(第8条)
■ 継続輸送は複合一貫輸送等により行える。運送契約には少なくとも輸送経路、輸送モード及び継続輸送を行う場所を記載しなければならない。
監督及び照合(第9条から第12条まで)
■ 通過輸送・継続輸送は、搬入・搬出の照合及び陸上輸送における封印により監督される。出発地ではOutward ManifestとInward Manifestの各ポストの整合が照合され(輸出貨物は輸出に関する規則に基づく照合も行われる)、仕向先が他の税関官署の場合は出発情報が送信され目的地でも照合される(第9条から第12条まで)。
■ 輸送手段の出発から30日以内に照合結果が得られない場合、運送人に対して確認が行われる。運送人はこれに対応する必要がある(第12条)。
陸上輸送における封印、保証及び護送(第13条)
■ 通過輸送又は継続輸送は鉄道又は道路輸送により行え、道路輸送では電子的な封印システムにより監督される。同システムが利用できない場合又は障害時は、税関官署長の承認を得て手動封印とし、輸入貨物の場合は保証の提供又は護送のいずれかを伴う。
■ 保証は現金、銀行保証、保険保証又は保証機関による保証とし、金額は課される輸入税、物品税及び輸入に係る税に相当する額とされる。仕向港到着後に返還され、不到着又は数量不足の場合は徴収され得る。この場合はさらに調査が行われ、その結果は運送人のコンプライアンス評価の基礎となる。
他の税関官署の一時保管場所への輸入貨物の輸送(第14条から第17条まで)
■ 輸入貨物は、貨物の特性上取卸し地の一時保管場所に蔵置できない場合、当該税関官署の管轄区域内の全ての一時保管場所が混雑している場合、又は不可抗力による緊急事態の場合に、他の税関官署の一時保管場所へ搬出できる。搬出は出発地の一時保管場所の事業者が行い(混雑を理由とする場合は輸入者の要請に基づく)、同事業者は当該貨物の輸入税、物品税及び輸入に係る税について責任を負う(第14条)。
■ 同事業者はSKPを通じて出発地の税関官署へ搬出に係る税関申告を提出する。承認された申告は出発地のOutward Manifestとして扱われる(第15条)。同申告は目的地の税関官署へも提出し、到着予定の届出及び目的地のInward Manifestとして扱われる。提出期限は海上・航空輸送は到着前まで、陸上輸送は到着時までである(第16条)。
■ 輸送は搬出申告の審査及び陸上輸送における電子封印により監督される。電子封印が利用できない場合又は障害時は、税関官署長の承認により手動封印とし、保証の提供又は護送を伴う(第17条)。
蔵置場所の変更(PLP)(第18条から第24条まで)
■ 税関手続が未了の輸入・輸出貨物は、同一税関官署の管轄区域内の他の一時保管場所へ蔵置場所を変更(PLP)できる。事由は、①蔵置場所の使用率が基準以上又は蔵置期間の基準超過、②混載貨物・危険物・損傷のおそれのある貨物の専用場所の不存在又は使用率の基準超過、③同一のマスター船荷証券等の貨物が他の一時保管場所の利用運送事業者・郵便事業者宛てであること、④緊急取扱いを要すること、⑤郵袋内の貨物が郵便事業者専用の他の一時保管場所宛てであること、⑥物品税課税貨物への目的地での証紙貼付、⑦一時保管場所の指定の終了・取消し、⑧停滞防止・緊急事態対応のための税関官署長の判断である(第18条)。
■ 既に搬出に係る税関申告が提出されている場合、又は検疫を要する貨物がコンテナ単位で搬入されSKPが検疫機関からコンテナ識別情報を受領している場合は、原則としてPLPを行えない。ただし一定の事由による場合はこの制限にかかわらず実施できる(第18条)。
■ 申請は出発地の一時保管場所の事業者が、SKPを通じて又は積荷目録担当の税関職員に対して行う。一定の事由による場合は目的地の事業者も申請できる(第19条)。審査では要件充足、データの完備性・整合性及びリスクが確認され、決定はSKPを通じる場合3就業時間以内、電子データ又は書面による場合1就業日以内である(第20条)。
■ 一の税関地域内で全ての一時保管場所が共通の出入口を有し自動化システムが統合されている場合、又は現物検査その他の事由につき税関官署長の承認がある場合は、申請及び承認を要しない。この場合、事業者は搬出入データをリアルタイムでSKPへ送信しなければならない(第21条)。
■ 移動は承認から3就業日以内に行う。搬出申告の提出、税関職員による留置、期限内に実施されないこと等により承認は取り消され得る(第22条)。実施後の輸送は税関の監督下で電子封印により行い、利用できない場合又は障害時は手動封印による(第23条)。
■ 貨物が目的地の一時保管場所に到着しない場合、一時保管場所の事業者は輸入税、物品税、行政制裁金及び輸入に係る税について責任を負う。他の税関地域の一時保管場所へのPLPは原則1回限りであり、再輸出の承認取得済み、緊急事態、一時保管場所の指定終了・取消し等は例外とされる(第24条)。
関税地域外を経由する国内貨物の輸送(第26条から第28条まで)
■ 関税地域内を原産地とする貨物は、関税地域外を経由して関税地域内の他の場所へ輸送できる。運送人は運送書類に基づき出発地の税関官署へ税関申告を提出し登録番号の付与を受ける。税関措置として封印、リスク管理に基づく積込みの監督及び現物検査が行われる(第26条)。
■ 目的地の税関地域からの搬出は、運送人が目的地の税関官署へ税関申告を提出し審査を受けた後に行う。税関職員は現物検査調書、封印調書及び積込み監督調書の提出を求めることができる(第27条)。
■ 国内貨物の取卸し、輸出貨物の積込み及び併載された輸入貨物の取卸しは税関地域の内外いずれでも行える。税関地域外で行う場合、運送人はSKPを通じて税関官署長へ申請し、決定は申請が完備した後1就業日以内に行われる(第28条)。
届出の方法及びシステム障害時の取扱い(第29条)
■ 本規則に基づく各届出・申請(Inward Manifest、Outward Manifest、税関地域外での積卸し、他の一時保管場所への搬出、PLP、関税地域外を経由する国内貨物の輸送等)は、SKP又はインドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウを通じて行う。SKPが利用できない場合又は障害時は、書面又は電子データ記録媒体により手動で行う。
旧規則の廃止及び施行(第31条、第32条)
■ 2019年財務大臣規則第216/PMK.04/2019号は廃止される(第31条)。本規則は公布の日から30日を経過した後、官報掲載日の2026年07月31日を起点として2026年08月30日から施行される(第32条)。
経過措置に関する規定は条文から確認できず、施行日をまたぐ手続の取扱いについては曖昧な部分が残っていると考えられる。
注目定義
<対象>
■ 「通過輸送貨物」(Barang Diangkut Terus)
| 税関官署を経由して輸送手段により輸送される貨物であって、取卸しが行われないもの(第1条)。 |
<対象>
■ 「継続輸送貨物」(Barang Diangkut Lanjut)
| 税関官署を経由して輸送手段により輸送される貨物であって、あらかじめ取卸しが行われるもの(第1条)。 |
目次
※各条項のタイトルは内容に基づき当社で仮設定
第1章 総則
■ 第1条 定義
第2章 通過輸送又は継続輸送のための輸入貨物又は輸出貨物の輸送
第1節 税関地域への搬入
■ 第2条 入港積荷目録による届出
第2節 蔵置
■ 第3条 蔵置することができる場所
第3節 税関地域からの搬出
■ 第4条 出港積荷目録による届出
■ 第5条 輸送手段の修理用部品の継続輸送
第4節 輸送手段からの取卸し及び輸送手段への積込み
■ 第6条 税関地域外で積卸しを行うことができる場合
■ 第7条 税関地域外での積卸しの申請及び決定
第5節 2以上の輸送モードによる継続輸送
■ 第8条 複合一貫輸送等による継続輸送
第6節 通過輸送及び継続輸送の監督
■ 第9条 監督の方法
■ 第10条 出発地の税関官署における照合
■ 第11条 目的地の税関官署への出発情報の送信
■ 第12条 目的地の税関官署における照合
第7節 陸上輸送
■ 第13条 電子封印、保証及び護送
第3章 他の一時保管場所への輸入貨物の輸送
第1節 税関地域からの搬出
■ 第14条 搬出することができる場合及び一時保管場所の事業者の責任
第2節 他の一時保管場所への搬入
■ 第15条 出発地の税関官署への届出
■ 第16条 目的地の税関官署への届出
第3節 輸送の監督
■ 第17条 監督の方法及び保証
第4節 蔵置場所の変更(PLP)
■ 第18条 蔵置場所の変更を行うことができる場合及びその制限
■ 第19条 申請を行う者
■ 第20条 審査及び決定の期限
■ 第21条 申請及び承認を要しない場合
■ 第22条 実施期限及び承認の取消し
■ 第23条 実施及び監督
■ 第24条 一時保管場所の事業者の責任及び回数の制限
第4章 自由地域における通過輸送及び継続輸送
■ 第25条 自由地域における取扱い
第5章 関税地域外を経由する関税地域内原産貨物の輸送
■ 第26条 出発地における届出及び税関措置
■ 第27条 目的地における審査及び搬出
■ 第28条 税関地域外での取卸し及び積込み
第6章 雑則
■ 第29条 SKP等による届出及び障害時の取扱い
■ 第30条 国際協定に基づく実施
第7章 附則
■ 第31条 2019年財務大臣規則第216/PMK.04/2019号の廃止
■ 第32条 施行期日
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 輸入貨物又は輸出貨物の通過輸送又は継続輸送に関する2026年財務大臣規則第51号 |
| 公布日 | 2026年07月31日 |
| 所管当局 | 財務省(関税・物品税総局) |
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