| 法令の情報時期:2024年02月 統合版 | ページ作成時期:2026年09月 |
目的
この法律は、危険物の貯蔵、取扱い及び運搬とこれに伴う安全管理に関する事項を定めることにより、危険物による危害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする(第1条)。
この目的は、事業者に対する次の仕組みを通じて実現される構造になっている。
■ 指定数量以上の危険物について、貯蔵所以外の場所での貯蔵及び製造所等以外の場所での取扱いを禁止し、製造所等の設置には許可を要するものとすること(第5条、第6条)。
■ 製造所等の設置から使用開始、維持管理、廃止に至る各段階に、検査、届出、安全管理者の選任、予防規程、定期点検等の手続を課すこと(第8条、第9条、第10条、第11条、第14条、第15条、第17条、第18条)。
■ 危険物の運搬及び運送についても、容器・積載方法・運搬方法の基準及び運転者の資格要件を課すこと(第20条、第21条)。
概要
本法は、引火性又は発火性等の性質を有する物品を「危険物」として定め、その危険性に応じて品目別に定められる「指定数量」を基準に、一定量以上を扱う施設と行為を規律する韓国の法律である。所管当局は消防庁であり、本稿が基礎とした版は2025年08月07日に施行されている。
適用の中心となるのは、製造所、貯蔵所及び取扱所(あわせて「製造所等」という。)の関係人である。指定数量以上の危険物は、貯蔵所以外の場所で貯蔵し、又は製造所等以外の場所で取り扱うことができず、消防署長の承認を受けて90日以内の期間に限り臨時に貯蔵・取扱いを行う場合等が例外となる(第5条)。製造所等を設置し、又はその位置・構造・設備を変更しようとする者は市・道知事の許可を受けなければならず、品名・数量・指定数量の倍数の変更は変更の1日前までの届出で足りる(第6条)。
設置後は、タンク安全性能検査(第8条)及び完工検査(第9条)を経なければ使用できず、地位の承継は30日以内、用途の廃止は14日以内に届け出る必要がある(第10条、第11条)。使用開始前には予防規程の提出(第17条)と危険物安全管理者の選任・届出(第15条)が求められ、定期点検及び定期検査(第18条)、自体消防隊の設置(第19条)等の義務が続く。違反に対しては、許可の取消し又は6月以内の使用停止(第12条)のほか、危険物の流出等により危険を生じさせた場合の1年以上10年以下の懲役(第33条)を最も重いものとする罰則が定められている。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
本法全体の適用が除外される類型、及び許可等の手続が免除される類型は、次のとおり定められている。
■ 航空機、船舶、鉄道及び軌道による危険物の貯蔵、取扱い及び運搬については、本法を適用しない(第3条)。
■ 指定数量未満の危険物の貯蔵・取扱いの基準は、本法ではなく市・道の条例で定められる(第4条)。
■ 住宅の暖房施設(共同住宅の中央暖房施設を除く)のための貯蔵所又は取扱所、及び農芸用・畜産用・水産用の暖房施設又は乾燥施設のための指定数量の20倍以下の貯蔵所については、設置又は変更の許可及び届出のいずれも要しない(第6条第3項)。
■ 軍事目的で製造所等を設置・変更する場合については特例が置かれ、軍部隊の長が市・道知事と協議したときは許可を受けたものとみなされ、タンク安全性能検査及び完工検査を自ら実施することができる(第7条)。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
本法の要件は施設のライフサイクルに沿って定められているため、以下では要件の種類ごとに、根拠条項を示して整理する。
貯蔵・取扱いの制限と施設の設置
■ 指定数量以上の危険物は、貯蔵所以外の場所で貯蔵し、又は製造所等以外の場所で取り扱ってはならない。消防署長の承認を受けて90日以内の期間、臨時に貯蔵・取り扱う場合等は例外となる(第5条第1項、第2項)。製造所等における貯蔵・取扱いは、火災に直結する重要基準と、表示・書類等に関する細部基準に従う(第5条第3項)。複数の危険物を同一の場所で取り扱う場合、それぞれの数量を指定数量で除した値の合計が1以上となるときは、指定数量以上とみなされる(第5条第5項)。
■ 製造所等を設置し、又はその位置・構造・設備を変更しようとする者は、市・道知事の許可を受けなければならない。品名・数量又は指定数量の倍数を変更する場合は、変更の1日前までに届け出る(第6条)。
■ 危険物タンクの設置又は変更工事を行う場合は、市・道知事が実施するタンク安全性能検査を受けなければならない。タンク安全性能試験者又は韓国消防産業技術院の試験を受けた場合は、検査の全部又は一部が免除される(第8条)。
■ 設置又は変更の工事を完了したときは、完工検査を受けて技術基準に適合すると認められた後でなければ使用してはならない(第9条)。
施設の維持管理と届出
■ 設置者の死亡、譲渡、法人の合併、競売等により地位を承継した者は、30日以内に市・道知事に届け出なければならない(第10条)。用途を廃止したときは、廃止の日から14日以内に届け出る(第11条)。3か月以上危険物を取り扱わない場合は使用中止の届出を要し、安全措置の履行確認及び命令の対象となる(第11条の2)。
■ 製造所等の関係人は、位置・構造・設備を技術基準に適合するよう維持・管理しなければならず、不適合の場合は修理・改造又は移転を命じられる(第14条)。
■ 危険物取扱資格者を危険物安全管理者として選任しなければならない。解任・退職の場合は30日以内に再選任し、選任後14日以内に消防本部長又は消防署長へ届け出る。安全管理者が不在となる場合は30日を限度に代理者を指定する。資格を有しない者は、安全管理者又は代理者の立会いがなければ危険物を取り扱うことができない(第15条)。
■ タンク試験者として業を行おうとする者は、大統領令で定める技術能力・施設・装備を備えて市・道知事に登録しなければならない(第16条)。
■ 製造所等の関係人は、火災予防及び非常時の措置のための予防規程を定め、当該製造所等の使用を開始する前に市・道知事へ提出しなければならない(第17条)。
■ 技術基準への適合について定期的に点検し、結果を記録・保存するとともに、点検後30日以内に市・道知事へ提出しなければならない。一定の製造所等は、消防本部長又は消防署長の定期検査を受ける(第18条)。
■ 大統領令で定める数量以上の危険物を貯蔵・取り扱う事業所は、自体消防隊を設置しなければならない(第19条)。製造所等では指定された場所以外での喫煙が禁止され、関係人は禁煙区域の標識を設置しなければならない(第19条の2)。
運搬及び運送
■ 危険物の運搬は、容器、積載方法及び運搬方法に関する重要基準及び細部基準に従わなければならない。指定数量以上の危険物を車両で運搬する運転者は、国家技術資格法による危険物の資格を取得するか、第28条の教育を修了していなければならない。運搬容器については市・道知事による検査が行われることがある(第20条)。
■ 移動タンク貯蔵所により危険物を運送する者も同様の要件を満たす必要があり、大統領令で定める危険物の運送については運送責任者の監督又は支援を受けなければならない。危険物運送者は行政安全部令で定める基準を遵守し、安全の確保に注意しなければならない(第21条)。
監督への対応、教育及び行政処分
■ 消防庁長、市・道知事、消防本部長又は消防署長から報告又は資料の提出を命じられた場合、及び関係公務員による立入検査が行われる場合には、これに応じなければならない。立入検査は公開時間若しくは勤務時間内又は日出後日没前の時間に行われる(第22条)。危険物の流出、火災、爆発等の事故については、原因及び被害の調査が行われる(第22条の2)。
■ 許可を受けずに指定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱う者に対する措置命令(第24条)、公共の安全維持等のための一時使用停止・使用制限命令(第25条)、貯蔵・取扱基準の遵守命令(第26条)に従わなければならない。危険物の流出等の事故が発生したときは、関係人は直ちにかつ継続して拡散防止及び除去等の応急措置を講じ、発見者は消防署等へ直ちに通報しなければならない(第27条)。
■ 危険物の安全管理に関する業務に従事する者は消防庁長が実施する安全教育を受けなければならず、製造所等の関係人は教育対象者に教育を受けさせなければならない(第28条)。
■ 市・道知事は、変更許可の未取得、完工検査の未実施、安全措置命令の不履行、危険物安全管理者の未選任、定期点検・定期検査の未実施等に該当する場合、設置許可を取り消し、又は6月以内の使用停止を命じることができる(第12条)。使用停止が著しい不便又は公益の侵害をもたらすおそれがあるときは、これに代えて2億ウォン以下の課徴金が課される(第13条)。許可の取消し及びタンク試験者の登録取消しに際しては聴聞が行われる(第29条)。
■ 臨時貯蔵・取扱いの承認、設置・変更の許可、タンク安全性能検査、完工検査、地位承継の届出、タンク試験者の登録、定期検査、運搬容器の検査、安全教育等を受け、又は届け出ようとする者は、手数料又は教育費を納付しなければならない(第31条)。
制裁
■ 製造所等又は許可を受けずに指定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱う場所において、危険物を流出・放出・拡散させて危険を生じさせた者は1年以上10年以下の懲役に処せられ、傷害を負わせた場合は無期又は3年以上の懲役、死亡させた場合は無期又は5年以上の懲役に処せられる(第33条)。業務上の過失による場合は7年以下の禁錮又は7千万ウォン以下の罰金、死傷の結果を生じた場合は10年以下の懲役若しくは禁錮又は1億ウォン以下の罰金となる(第34条)。
■ 許可を受けずに製造所等を設置した者には5年以下の懲役又は1億ウォン以下の罰金(第34条の2)、貯蔵所以外の場所で指定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱った者には3年以下の懲役又は3千万ウォン以下の罰金(第34条の3)が科される。
■ このほか、1年以下の懲役又は1千万ウォン以下の罰金(第35条)、1千500万ウォン以下の罰金(第36条)、1千万ウォン以下の罰金(第37条)が定められている。法人の代表者、代理人、使用人その他の従業員が違反した場合、行為者のほか法人にも罰金刑が科される(第38条)。
■ 承認の未取得、貯蔵・取扱基準の違反、変更の届出の不履行、予防規程の不遵守、点検記録の未保存等については500万ウォン以下の過料が、条例で定める違反については200万ウォン以下の過料が科される(第39条)。
注目定義
<対象>
■ 「危険物」
| 引火性又は発火性等の性質を有するものであって、大統領令で定める物品をいう(第2条第1項第1号)。 |
<対象>
■ 「指定数量」
| 危険物の種類別に危険性を考慮して大統領令で定める数量であって、製造所等の設置許可等において最低の基準となる数量をいう(第2条第1項第2号)。 |
<対象>
■ 「製造所等」
| 危険物を製造する目的で指定数量以上の危険物を取り扱うために許可を受けた場所である「製造所」、指定数量以上の危険物を貯蔵するために許可を受けた場所である「貯蔵所」、及び指定数量以上の危険物を製造以外の目的で取り扱うために許可を受けた場所である「取扱所」を総称するものをいう(第2条第1項第3号から第6号まで)。 |
目次
第1章 総則
第1条 目的/第2条 定義/第3条 適用除外/第3条の2 国家の責務/第4条 指定数量未満の危険物の貯蔵・取扱い/第5条 危険物の貯蔵及び取扱いの制限
第2章 危険物施設の設置及び変更
第6条 危険物施設の設置及び変更等/第7条 軍用危険物施設の設置及び変更に対する特例/第8条 タンク安全性能検査/第9条 完工検査/第10条 製造所等の設置者の地位承継/第11条 製造所等の廃止/第11条の2 製造所等の使用中止等/第12条 製造所等の設置許可の取消しと使用停止等/第13条 課徴金処分
第3章 危険物施設の安全管理
第14条 危険物施設の維持・管理/第15条 危険物安全管理者/第16条 タンク試験者の登録等/第17条 予防規程/第18条 定期点検及び定期検査/第19条 自体消防隊/第19条の2 製造所等における喫煙の禁止
第4章 危険物の運搬等
第20条 危険物の運搬/第21条 危険物の運送
第5章 監督及び措置命令
第22条 立入り・検査等/第22条の2 危険物の流出等の事故調査/第23条 タンク試験者に対する命令/第24条 無許可場所の危険物に対する措置命令/第25条 製造所等に対する緊急使用停止命令等/第26条 貯蔵・取扱基準の遵守命令等/第27条 応急措置・通報及び措置命令
第6章 補則
第28条 安全教育/第29条 聴聞/第30条 権限の委任・委託/第31条 手数料等/第32条 罰則適用における公務員擬制
第7章 罰則
第33条 罰則/第34条 罰則/第34条の2 罰則/第34条の3 罰則/第35条 罰則/第36条 罰則/第37条 罰則/第38条 両罰規定/第39条 過料
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 危険物安全管理法 |
| 公布日 | 2003年05月29日(法律第6896号、制定) |
| 所管当局 | 消防庁 |
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