╳

解説韓国-麻薬類管理に関する法律

HOME > 法令解説 > 解説|韓国-麻薬類管理に関する法律
法令の情報時期:2026年05月 統合版 ページ作成時期:2026年09月

目的

book-1283865_640

この法律は、麻薬・向精神性医薬品・大麻及び原料物質の取扱い・管理を適正に行い、麻薬類中毒に対する治療・予防等のために必要な事項を定めることにより、麻薬類の誤用又は乱用による保健上の危害を防止し、もって国民の保健向上と健康な社会の造成に寄与することを目的とする(第1条)。

この目的は、事業者に対する次の仕組みを通じて実現される構造になっている。

■ 麻薬類を取り扱うことができる者を許可・指定を受けた麻薬類取扱者に限定し、許可を受けていない者による取扱いを禁止すること(第2条第5号、第4条、第6条)。

■ 麻薬類の輸出入、製造、販売、貯蔵、記載、廃棄等の各段階に、品目ごとの許可・承認、報告、記録の保存等の手続を課すこと(第11条、第15条から第18条まで、第21条ほか)。

■ 麻薬・向精神性医薬品の原料となる原料物質についても、輸出入業・製造業の許可、取引記録の保存及び疑わしい取引の申告を求めること(第6条の2、第51条)。

概要

iocenters-2673328_640

本法は、麻薬、向精神性医薬品及び大麻を「麻薬類」として一括して規律し、その取扱いを許可・指定を受けた麻薬類取扱者に限定したうえで、取扱いの各段階に手続的な義務を課す韓国の法律である。所管当局は保健福祉部及び食品医薬品安全処であり、本稿が基礎とした版は2026年08月27日に施行されている。

適用の中心となるのは麻薬類取扱者であり、麻薬類輸出入業者、麻薬類製造業者、麻薬類原料使用者、大麻栽培者、麻薬類卸売業者、麻薬類小売業者、麻薬類取扱医療業者、麻薬類管理者、麻薬類取扱学術研究者がこれに含まれる(第2条第5号)。許可権者は、輸出入業者・製造業者・原料使用者・学術研究者については食品医薬品安全処長、卸売業者・大麻栽培者については特別自治市長・市長・郡守・区庁長である(第6条)。

麻薬類取扱者には、取扱事項の報告(第11条)、貯蔵の方法(第15条)、封緘(第16条)及び容器等の記載(第17条)、品目ごとの輸出入許可と都度の承認(第18条)、製造の品目許可(第21条)、販売先の限定(第20条、第22条、第26条、第28条)、事故麻薬類の報告と廃棄(第12条)、教育の受講(第50条)といった義務が課される。原料物質については、輸出入業・製造業の許可(第6条の2)並びに記録の2年間保存及び疑わしい取引等の申告(第51条)が定められている。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

本法全体の適用が除外される類型は定められていないが、適用の一部を除外し、又は別の規律に委ねる規定が置かれている。

■ 麻薬類取扱承認者のうち、自己治療を目的として麻薬又は向精神性医薬品を携帯して出入国するために承認を受けた場合、及び薬事法第91条により設立された韓国希少・必須医薬品センターを通じて輸入された麻薬類を取り扱うことについて承認を受けた場合には、第11条(麻薬類取扱の報告)、第15条(麻薬類の貯蔵)及び第44条(許可等の取消しと業務停止)は適用されない(第57条の2)。

■ 軍需用の麻薬類の取扱いについては特例が置かれ、所持、管理、調剤、投薬、学術研究、処方箋の交付等に関する事項は国防部令で定めるところによる(第56条の2)。

なお、麻薬類取扱者でない者による取扱いの禁止に対する例外(第4条第2項)や、個別の条項の中で定められる承認による例外は、本法全体の適用除外ではないため、ここには含めていない。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
sa_12

本法の要件は取扱いの段階ごとに定められているため、以下では要件の種類ごとに、根拠条項を示して整理する。

zireituika

取扱資格と許可

■ 麻薬類取扱者でなければ麻薬又は向精神性医薬品を所持、所有、使用、運搬、管理、輸出入、製造、売買、授受等することができない(第4条)。麻薬類取扱者も、その業務外の目的で麻薬類を取り扱うことはできない(第5条)。

■ 麻薬類輸出入業者、麻薬類製造業者、麻薬類原料使用者及び麻薬類取扱学術研究者は食品医薬品安全処長の、麻薬類卸売業者及び大麻栽培者は特別自治市長・市長・郡守・区庁長の許可を受けなければならない。医療機関に勤務する薬剤師が麻薬類管理者となるには特別自治市長・市長・郡守・区庁長の指定を要する(第6条第1項、第2項)。被後見人、未成年者、麻薬類中毒者、一定の前科を有する者等は許可・指定を受けることができず、許可の取消し後2年(指定の取消し後1年)は再び許可等を受けることができない(第6条第3項、第4項)。

■ 大統領令で定める原料物質の輸出入業又は製造業を営む者は、食品医薬品安全処長の許可を受けなければならない(第6条の2)。

■ 物質を取り扱う者は、その物質が麻薬類、臨時麻薬類又は予告臨時麻薬類に該当するかどうかの確認を食品医薬品安全処長に要請することができる(第6条の3)。

■ 許可証・指定書は譲渡又は貸与してはならない。廃業・休業等の場合は許可官庁に届け出て、保有する麻薬類の現況を提出しなければならない(第8条)。

1024-mtg

取扱いの段階別の義務

■ 麻薬類取扱者は、承認を受けていない者から麻薬類を譲り受けてはならず、譲渡も法定の場合に限られる(第9条)。

■ 輸出入、製造、販売、購入、使用、廃棄等の取扱事項を食品医薬品安全処長に報告しなければならない。医療業者及び小売業者は、患者の住民登録番号及び疾病分類記号も報告する(第11条)。

■ 災害、紛失、盗難、変質等の事故が生じたときは許可官庁に直ちに報告し、変質・腐敗・破損、有効期限の経過等の場合は総理令の定めに従って廃棄する(第12条)。資格を喪失したときは、保有する麻薬類を許可官庁の承認を受けて廃棄し、又は麻薬類取扱者に譲渡し、その結果を報告しなければならない(第13条)。

■ 麻薬類製造業者及び麻薬類輸出入業者の広告は、医学・薬学・獣医学を専門的に扱う新聞若しくは雑誌、又は副作用の情報を含む製品説明会に限られる(第14条)。

■ 麻薬類は他の医薬品と区別して貯蔵し、麻薬については施錠した設備に保管しなければならない(第15条)。販売・輸出・譲渡の際は容器又は包装を封緘し、封緘されていない麻薬類を授受してはならない(第16条)。容器・包装・文書には総理令で定める事項を記載し、麻薬及び向精神性医薬品については「麻薬」又は「向精神性」の文字を赤色で表示しなければならない(第17条)。

■ 輸出入は麻薬類輸出入業者に限られ、品目ごとの許可及び輸出入の都度の承認を要する(第18条)。輸入した麻薬等は製造業者、原料使用者及び卸売業者以外に販売できない(第20条)。

■ 製造は麻薬類製造業者に限られ、品目ごとの許可を要する(第21条)。製造した麻薬は卸売業者以外に、向精神性医薬品は輸出入業者、卸売業者、小売業者又は取扱医療業者以外に販売できない(第22条)。麻薬類原料使用者は、品目ごとの許可を受けて限外麻薬等を製造する(第24条)。

■ 卸売業者の販売先は、定められた地域内の小売業者、医療業者、管理者、学術研究者に限られる(第26条)。小売業者は処方箋により調剤した麻薬等のみを販売でき、処方箋を2年間保存し、電子取引による販売はできない(第28条)。

■ 麻薬類取扱医療業者以外の者は投薬・処方をしてはならない。処方に際しては投薬内訳の提供を要請して確認し、過多・重複処方のおそれがあるときは処方を拒否できる(第30条)。処方箋には所定の事項を記載して署名・捺印し、処方箋及び診療記録簿を2年間保存しなければならない(第32条)。

■ 麻薬類取扱医療業者が4人以上勤務する医療機関は麻薬類管理者を置かなければならず、指定が終了したときは保有する麻薬類を他の管理者に引き継ぎ、届け出る(第33条)。管理者が取り扱える麻薬等の範囲は限定される(第34条)。

■ 麻薬類取扱学術研究者は、研究目的での使用に際して帳簿を作成して報告し、帳簿を2年間保存する(第35条)。大麻栽培者は、栽培面積・生産現況・数量を地方自治体の長に報告し、種子・根・成熟した茎を除く大麻草を廃棄して結果を報告する(第36条)。

■ 麻薬類製造業者及び原料使用者は従業員の指導監督と品質管理を行い、麻薬類取扱者は変質・腐敗・汚染・破損した麻薬類や使用期間・有効期間の経過した麻薬類を販売・使用してはならず、医療用麻薬類の盗難及び流出の防止措置を講じなければならない(第38条)。麻薬類取扱医療業者は、麻薬中毒者の中毒症状の緩和又は治療の目的で麻薬を投薬・提供・処方してはならない(第39条)。

1024x740-survey

原料物質に関する義務

■ 原料物質を輸出入しようとする者は食品医薬品安全処長の承認を受けなければならず、原料物質の製造・取引を行う者は関係記録を2年間保存しなければならない。取扱者は、疑わしい取引や盗難等を法務部長官又は食品医薬品安全処長に申告する義務を負う(第51条)。

sa_12

監督への対応、教育及び行政処分

■ 関係公務員による立入り、構造・設備・業務現況・記録書類・医薬品の検査、関係人への質問及び必要最小限の収去に応じなければならない(第41条)。報告されていない麻薬類等に対する廃棄命令等に従う必要がある(第42条)。食品医薬品安全処長等から業務に関する報告又は帳簿・書類等の提出を求められたときは、これに応じなければならない(第43条)。

■ 麻薬類取扱者及び原料物質輸出入業者等は、食品医薬品安全処長又は市・道知事が行う麻薬類又は原料物質の管理に関する教育を受けなければならない(第50条)。

■ 違反があった場合、許可官庁は許可・指定・承認を取り消し、又は1年の範囲内で業務停止を命じることができる(第44条)。取消しに際しては聴聞が行われる(第45条)。業務停止処分に代えて2億ウォン以下の課徴金が課されることがあり、その回数は3回を超えることができない(第46条)。食品接客業、宿泊業、歌練習場業等を営む者が第3条第11号に違反した場合には、捜査機関の長から営業の許可官庁へ通報が行われる(第44条の2)。

zireituika

制裁

■ 罰則は、麻薬の輸出入・製造・売買等に係る無期又は5年以上の懲役(営利目的又は常習の場合は死刑・無期又は10年以上の懲役。第58条)を最も重いものとし、第59条から第64条までに1年以上の有期懲役から1年以下の懲役又は1千万ウォン以下の罰金までが段階的に定められている。未遂も処罰され、常習の場合は刑が加重される。

■ 資格停止又は罰金の併科(第66条)、違反行為に供された麻薬類・施設・装備・資金・運搬手段及び収益金の没収と追徴(第67条)が定められている。法人の代表者又は従業員等が違反した場合、行為者のほか法人にも1億ウォン以下(大麻の場合は5千万ウォン以下)の罰金が科される(第68条)。

■ 届出の不履行、麻薬類の在庫不一致、投薬内訳の未確認、記録・帳簿の未保存等については、500万ウォン以下の過料が科される(第69条)。

注目定義

<対象>

■ 「麻薬類」

麻薬、向精神性医薬品及び大麻をいう(第2条第1号)。

<対象>

■ 「麻薬類取扱者」

麻薬類輸出入業者、麻薬類製造業者、麻薬類原料使用者、大麻栽培者、麻薬類卸売業者、麻薬類管理者及び麻薬類取扱学術研究者であって本法により許可又は指定を受けた者、並びに麻薬類小売業者及び麻薬類取扱医療業者をいう。各区分ごとに行うことができる業務の範囲が限定されている(第2条第5号)。

目次

第1章 総則

第1条 目的/第2条 定義/第2条の2 国等の責任/第2条の3 麻薬類管理基本計画/第2条の4 麻薬類対策協議会/第2条の5 麻薬類事件報道勧告基準の樹立及び遵守協力要請/第2条の6 青少年麻薬中毒予防教育と学校教育の連携/第3条 一般行為の禁止/第3条の2 (従前の第3条の2は第2条の2へ移動)/第4条 麻薬類取扱者でない者の麻薬類取扱禁止/第4条の2 麻薬類犯罪の捜査特例/第4条の3 麻薬類犯罪捜査特例の手続/第4条の4 麻薬類犯罪に対する緊急身分非公開捜査/第4条の5 麻薬類犯罪に対する緊急身分偽装捜査/第4条の6 身分非公開捜査又は身分偽装捜査により収集した証拠及び資料等の使用制限/第4条の7 国会の統制/第4条の8 秘密遵守の義務/第4条の9 免責/第4条の10 捜査支援及び教育/第5条 麻薬類等の取扱制限/第5条の2 臨時麻薬類の指定等/第5条の3 麻薬類安全管理審議委員会

第2章 許可等

第6条 麻薬類取扱者の許可等/第6条の2 原料物質の輸出入業又は製造業の許可/第6条の3 物質等の麻薬類等該当の有無の確認/第7条 許可証等の発給と登載/第8条 許可証等の譲渡禁止と廃業等の届出等

第3章 麻薬類の管理

第9条 授受等の制限/第10条 削除/第11条 麻薬類取扱の報告/第11条の2 麻薬類統合情報管理センター/第11条の3 麻薬類統合管理システムの構築・運営及び連携/第11条の4 麻薬類統合情報の提供等/第11条の5 麻薬類統合情報の加工及び活用/第11条の6 取扱情報の目的外利用・提供の制限/第12条 事故麻薬類等の処理/第13条 資格喪失者の麻薬類処分/第14条 広告/第15条 麻薬類の貯蔵/第16条 封緘/第17条 容器等の記載事項

第4章 麻薬類取扱者

第18条 麻薬類輸出入の許可等/第19条 削除/第20条 輸入した麻薬等の販売/第21条 麻薬類製造の許可等/第22条 製造した麻薬等の販売/第23条 削除/第24条 麻薬類原料使用の許可等/第25条 削除/第26条 麻薬類の卸売/第27条 削除/第28条 麻薬類の小売/第29条 削除/第30条 麻薬類投薬等/第31条 削除/第32条 処方箋の記載/第33条 麻薬類管理者/第34条 麻薬等の管理/第35条 麻薬類取扱学術研究者/第36条 大麻栽培者の報告/第37条 許可等の制限/第38条 麻薬類取扱者の管理義務

第5章 麻薬類中毒者等

第39条 麻薬使用の禁止/第40条 麻薬類中毒者の治療保護/第40条の2 刑罰と受講命令等の併科/第40条の3 判決前調査

第6章 監督と取締り

第41条 立入り・検査と収去/第42条 廃棄命令等/第43条 業務報告等/第44条 許可等の取消しと業務停止/第44条の2 違反事項の通報/第45条 聴聞/第46条 課徴金処分/第47条 不正麻薬類の処分/第48条 麻薬類監視員/第49条 削除/第50条 麻薬類取扱者と原料物質輸出入業者等の教育/第51条 原料物質の管理/第51条の2 麻薬類誤乱用予防及び社会リハビリ事業/第51条の3 麻薬撲滅の日/第51条の4 実態調査

第7章 補則

第52条 麻薬類関係資料の収集/第52条の2 有害性評価/第52条の3 国際協力/第53条 没収麻薬類の処分方法等/第53条の2 家庭内の医療用麻薬類の収去・廃棄事業の実施等/第54条 報奨金/第55条 手数料/第56条 権限の委任/第56条の2 軍需用麻薬類の取扱いに関する特例/第57条 他の法律の適用/第57条の2 適用の一部除外

第8章 罰則

第58条 罰則/第58条の2 罰則/第59条 罰則/第60条 罰則/第61条 罰則/第62条 罰則/第63条 罰則/第64条 罰則/第65条 削除/第65条の2 罰則/第66条 資格停止又は罰金の併科/第67条 没収/第68条 両罰規定/第69条 過料

基礎情報

法令(現地語)

마약류 관리에 관한 법률

法令(日本語)

麻薬類管理に関する法律

公布日

2000年01月12日(法律第6146号、制定)

所管当局

保健福祉部、食品医薬品安全処

作成者

株式会社先読

この続きは先読会員になるとお読みいただけます。

ログインして続きを読む
Page Top