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解説米国-ポリシリコン及びその派生製品の輸入調整(大統領布告)

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法令の情報時期:2026年08月 公布 ページ作成時期:2026年09月

目的

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本布告は、1962年通商拡大法第232条(合衆国法典第19編第1862条)に基づき、ポリシリコン及びその派生製品の輸入を調整するものである。大統領は、これらの製品が国家安全保障を毀損するおそれのある数量で輸入されていると認定した。布告に定められた措置の主眼は次のとおり。

■ 最低輸入価格(MIP)制度を導入し、対象製品が一定価格を下回る水準で国内市場に流入することを抑制すること

■ ポリシリコンインゴット及び派生製品に追加の従価関税を課すこと

■ 国内生産設備への投資を確約した企業に対する関税免除の枠組み(オンショアリング計画)を通じて、国内生産能力の構築を促すこと

■ 措置の発効前の買いだめや迂回を防止し、貿易協定パートナー国との間で税率の調整を行うこと

概要

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本布告は、2026年08月06日に署名され、2026年08月11日に連邦官報(91 FR 51975)へ掲載された。半導体の輸入に関する2026年01月14日の布告11002に続く措置であり、ポリシリコンとその川下製品を対象とする。

対象製品(Covered Products)は、原料ポリシリコンのほか、インゴット、ウエハー及びセルを含む。具体的な関税分類番号は本布告の附属書I及びIIに掲げられている。

措置は二本立てである。第一に、最低輸入価格として、ポリシリコンは1キログラムあたり21ドル、ポリシリコンインゴット及びウエハーは1キログラムあたり100ドル、太陽電池セルは1ワットあたり0.22ドル、太陽電池モジュールは1ワットあたり0.38ドルが設定される。第二に、附属書I及びIIに掲げるポリシリコンインゴット及び派生製品に対し、15パーセントの追加従価関税が課される。いずれも2026年12月04日午前0時1分(東部時間)以後に消費のため輸入申告され、または保税倉庫から引き取られる貨物に適用される。

輸入者は、通関時に、最初の独立当事者間販売がMIP以上で行われること、または本布告の署名日前に締結された契約の確定条件に基づく販売であることを証する書類を提出しなければならない。提出がない場合、当該貨物には適用MIPに相当する従量関税が課される。

このほか、貿易協定パートナー国に対する税率調整、外国貿易地域への搬入形態の制限、製造ドローバックの取扱い、オンショアリング計画に基づく免除、買いだめへの対応が定められている。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

■ 本布告の署名日前に締結された契約の確定条件に基づく最初の独立当事者間販売については、その旨を証する書類を通関時に提出することでMIPに基づく従量関税の適用を受けない(第2項)

■ オンショアリング計画が承認された企業は、新たに確約した投資に見合うと長官が認める数量の範囲で、必要な生産設備及び対象製品を第232条関税を支払うことなく輸入できる(第6項)

■ 日本、韓国、台湾、スイス、リヒテンシュタイン及びEU加盟国からの輸入については、第4項の追加関税とHTSUS第1欄の税率の合計が15パーセントとなるよう調整される(第5項(b))

■ 英国からの輸入に対する第4項の税率は10パーセントとする(第5項(c))

■ 製造ドローバックは、当該産品がアンチダンピング税・相殺関税命令の対象でなく、貿易協定パートナー国の産品であり、かつ当該産品のポリシリコン含有分がすべて貿易協定パートナー国産である場合に限り認められる(第8項)

■ 長官は、実質的に同等の最低輸入価格制度を設ける貿易相手国について、MIP及び関税の適用を変更することができる(第10項)

■ なお、発効日時点で輸送中の貨物に関する経過措置は、本稿の作成にあたり参照できた本文からは確認できない

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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1. 適用対象と適用開始

■ 対象製品(Covered Products)は、原料ポリシリコン、インゴット、ウエハー及びセルを含む。追加従価関税の対象となるポリシリコンインゴット及び派生製品の具体的な品目は、本布告の附属書I及びIIに掲げられている。自社の取扱品目が対象に含まれるかは、附属書の関税分類番号により確認する必要がある(第4項、附属書I・II)

■ MIP及び追加従価関税は、いずれも2026年12月04日午前0時1分(東部時間)以後に消費のため輸入申告され、または保税倉庫から引き取られる貨物に適用される(第2項、第4項)

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2. 輸入者に課される手続上の義務

■ 輸入者は、通関時に、次のいずれかを立証または証明する書類を提出しなければならない(第2項)

(1)当該輸入貨物(該当する場合は当該貨物から製造される川下製品)の米国内における最初の独立当事者間販売が、適用される最低輸入価格以上で行われること

(2)当該輸入貨物の最初の独立当事者間販売が、本布告の署名日前に締結された契約の確定条件に基づくものであること

■ 書類を提出しない場合、当該輸入貨物には適用MIPに相当する従量関税が課される(第2項)。したがって、販売価格の管理と、通関時に提出できる形での契約・価格資料の整備が実務上の前提となる

■ 輸入申告書に記載された申告価額がMIPを下回る場合、当該輸入貨物には申告価額とMIPとの差額に相当する従量関税が課される(第2項)

■ 税関国境取締局(CBP)が輸入者の提出書類の正確性を監視し執行する。提出書類に重大な不正確さがある場合または重大な不遵守があった場合、当該輸入者及びその関連会社はポリシリコン及びその派生製品の米国への輸入を恒久的に禁止され、CBPは適用法に反しない範囲で当該輸入者に罰則を科すことができる(第3項)

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3. 最低輸入価格の水準

■ ポリシリコン:1キログラムあたり21ドル

■ ポリシリコンインゴット及びウエハー:1キログラムあたり100ドル

■ 太陽電池セル:1ワットあたり0.22ドル

■ 太陽電池モジュール:1ワットあたり0.38ドル(以上、第1項(a))

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4. 追加従価関税および国別の取扱い

■ 附属書I及びIIに掲げるポリシリコンインゴット及び派生製品には、15パーセントの追加従価関税が課される(第4項)

■ 日本、韓国、台湾、スイス、リヒテンシュタイン及びEU加盟国については、第232条追加関税とHTSUS第1欄税率の合計が15パーセントとなるよう調整される。英国については第4項の税率が10パーセントとなる(第5項)

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5. 外国貿易地域・ドローバック

■ 本布告により関税の対象となる産品を発効日以後に米国の外国貿易地域へ搬入する場合、特権外国貨物の地位(privileged foreign status、連邦規則集第19編第146.41条)でのみ搬入が認められる(第7項)。これにより、搬入時点の分類・税率が固定される点に留意が必要である

■ 製造ドローバック(1930年関税法第313条(a)(b))は、上記「適用除外」に掲げた3要件をすべて満たす場合に限り本布告による関税について認められる(第8項)

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6. オンショアリング計画

■ 長官は企業からオンショアリング計画を募集し受理する権限を有する。計画には、承認された場合に対象製品を生産する施設を米国内に建設・改修・拡張する旨の確約と、2029年01月20日までに建設を開始する旨の確約を含めなければならない(第6項)

■ 承認を受けた企業は、確約した投資に見合うと長官が認める数量の範囲で、必要な生産設備及び対象製品を第232条関税を支払うことなく輸入できる(第6項)

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7. 買いだめ・迂回への対応、制度変更の監視

■ 長官が、企業が第2項及び第4項の適用日前にポリシリコンまたはその派生製品を買いだめていると判断した場合、CBPと連携して当該企業及びその関連会社による輸入を制限する措置がとられる(第11項)。発効前の在庫積み増しは、それ自体が輸入制限の契機となりうる

■ 長官は、HTSUSの修正が必要かを判断し、附属書I・IIの技術的訂正を含め、連邦官報での告示により修正を行う(第9項)。対象品目は告示により変動しうるため、継続的な確認が必要である

■ 従前の布告及び大統領令のうち本布告と抵触する規定は、抵触する限度で置き換えられる(第15項)

なお、附属書I及びIIに掲げられる具体的な関税分類番号、ならびに書類提出の様式・記載事項の細目については、本稿の作成にあたり参照できた本文からは確認できず、曖昧な部分が残っていると考えられる。実務対応にあたっては、附属書本体および商務省・CBPによる後続の連邦官報告示を確認する必要がある。

注目定義

<対象>

■ 「対象製品」(Covered Products)

原料ポリシリコンのほか、インゴット、ウエハー及びセルを含む

<対象>

■ 「貿易協定パートナー」(Trade Agreement Partners)

英国、欧州連合、日本、大韓民国、スイス、リヒテンシュタイン、メキシコ、カナダ、および米国が通商・安全保障協定を締結するその他の貿易相手国

<対象>

■ 「最低輸入価格」(MIP)

対象製品ごとに設定される価格の下限。輸入者は、最初の独立当事者間販売がこの水準以上で行われること、または署名日前の確定条件付き契約に基づくことを通関時に証明する必要があり、証明がない場合は同額相当の従量関税が課される

目次

※本布告の各項には表題が付されていないため、各項のタイトルは内容に基づき当社で仮設定

第1項 最低輸入価格の設定

第2項 最低輸入価格の適用開始日および輸入者の書類提出義務

第3項 税関国境取締局による監視および執行

第4項 追加従価関税の税率および適用開始日

第5項 関税の継続および国別の税率調整

第6項 オンショアリング計画に基づく投資奨励

第7項 外国貿易地域への搬入の制限

第8項 製造ドローバックの適用要件

第9項 HTSUSの修正権限

第10項 貿易相手国の同等制度の監視

第11項 買いだめの防止および見直し権限

第12項 実施および権限の委任

第13項 迂回防止のための規則制定

第14項 税関国境取締局の運用権限

第15項 従前の布告の置換え

第16項 可分性

附属書I・II 関税の対象となるポリシリコン派生製品の関税分類

基礎情報

法令(現地語)

Proclamation 11052 of August 6, 2026 — Adjusting Imports of Polysilicon and Its Derivatives Into the United States

法令(日本語)

2026年08月06日付大統領布告第11052号「ポリシリコン及びその派生製品の米国への輸入の調整」

公布日

2026年08月06日署名、2026年08月11日連邦官報掲載(91 FR 51975、文書番号2026-16400)

所管当局

商務省(長官)。運用は税関国境取締局(CBP)および国土安全保障省が担う

作成者

株式会社先読

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