| 法令の情報時期:2026年09月 確認 | ページ作成時期:2026年09月 |
目的
本規則は、米国労働安全衛生法(OSH Act)に基づく一般産業向けの労働安全衛生規則(連邦規則集第29編第1910部)の一部であり、手工具、携帯式動力工具およびその他の手持ち式機器の使用に起因する危険から従業員を保護することを目的とする。
規則が定める内容から、具体的には次の点が目的となる。
■ 従業員が使用する工具・機器の安全な状態について、従業員が持ち込んだものを含めて事業者の責任を明確にすること(§1910.242(a))
■ 携帯式丸のこ、研削砥石、空気工具、火薬式びょう打ち工具、動力芝刈機等について、ガード、スイッチ、構造、使用方法の要件を定めること(§1910.243)
■ ジャッキおよび研削材ブラスト用ノズルの表示、使用、点検の要件を定めること(§1910.244)
概要
本規則は、一般産業の事業場における手持ち式および携帯式の動力工具その他の手持ち式機器について定めるものであり、定義(§1910.241)、一般要件(§1910.242)、携帯式動力工具の防護(§1910.243)、その他の携帯式工具・機器(§1910.244)の4条から構成される。
一般要件として、事業者は従業員が使用する工具・機器の安全な状態に責任を負い、清掃用の圧縮空気は30psi未満に減圧し、有効な切りくず防護と個人用保護具を用いる場合に限り使用できる。
1910.243は、携帯式丸のこの上下のガード、工具の種類に応じた常時加圧式スイッチ、ベルトサンダーのガード、空気工具の工具保持具とホース、携帯式研削砥石の保護カバーと取付前点検、火薬式びょう打ち工具の構造・装填・使用方法、動力芝刈機の構造要件を定めている。
1910.244は、ジャッキの定格荷重の表示、ブロッキング、定期点検、不良品の使用停止と、研削材ブラスト用ノズルの手動保持式弁および支持台を定めている。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
本規則全体の適用から特定の事業者を一律に免除する規定は置かれていない。各条において、次のものが当該規定の適用対象から除外されている。
■ 食肉業において食肉の切断に用いる丸のこは、携帯式丸のこのガードに関する規定の対象外とされる(§1910.243(a)(1)(ii))
■ コンクリートバイブレーター、コンクリートブレーカー、動力式突固め機、ジャックハンマー、ロックドリル、園芸用機器、家庭用・台所用機器、身の回り用機器、医療・歯科用機器および固定式機械は、スイッチ・制御装置に関する規定の対象外とされる(§1910.243(a)(2)(v))
■ 天然砂岩砥石、および表面に研削材の層を有する金属製・木製・布製・紙製のディスクは、携帯式研削砥石に関する規定の対象外とされる(§1910.243(c)(6))
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
一般要件(§1910.242)
■ 事業者は、従業員が使用する工具および機器の安全な状態について責任を負う。従業員が自ら持ち込んだ工具・機器も含まれる(§1910.242(a))
■ 清掃目的で圧縮空気を使用する場合は、圧力を30psi未満に下げ、有効な切りくず防護と個人用保護具を用いる場合に限らなければならない(§1910.242(b))
携帯式動力工具(§1910.243(a))
■ 刃の直径が2インチを超える携帯式動力丸のこには、ベースプレートの上下にガードを設けなければならない。下部ガードは、工作物から引き抜いたときに自動的かつ即座に刃を覆う位置に戻るものでなければならない(§1910.243(a)(1))
■ 刃の直径が2インチを超える手持ち式動力丸のこ、チェーンソー、工具保持手段のない打撃工具には、手を離すと動力が遮断される常時加圧式のスイッチまたは制御装置を備えなければならない。ドリル、直径2インチを超えるグラインダー・ディスクサンダー、ベルトサンダー、所定の往復のこ等は、常時加圧式スイッチを備え、ロックオン式の場合は1回の操作で停止できるものでなければならない(§1910.243(a)(2)(i)、(ii))
■ 携帯式ベルトサンダーは、ベルトがプーリーに巻き込まれる各巻込み点と、ベルトの使用しない部分にガードを設けなければならない。ひびの入ったのこは直ちに使用から外し、携帯式電動工具の接地はサブパートSに従わなければならない(§1910.243(a)(3)〜(a)(5))
空気工具およびホース(§1910.243(b))
■ 工具保持具がなければ工具が飛び出すおそれのある空気工具には、工具保持具を取り付けなければならない。圧縮空気用のホースおよび接続部は、使用される圧力と用途に適した設計でなければならない(§1910.243(b))
携帯式研削砥石(§1910.243(c))
■ 研削砥石は保護カバーを備えた機械でのみ使用しなければならない。ただし、内面研削用、直径2インチ以下の軸付砥石等は除く。垂直型携帯式グラインダーおよびその他の携帯式グラインダーの保護カバーの露出角度は180°以内とする(§1910.243(c)(1)〜(c)(4))
■ 取付前に砥石を点検し、§1910.215(d)(1)の打音検査を行い、主軸速度が砥石に表示された最高使用速度を超えないことを確認しなければならない。主軸寸法、接触面、ブッシュ、フランジ、ブロッターの要件も定められている(§1910.243(c)(5))
火薬式びょう打ち工具(§1910.243(d))
■ 火薬等により鋲・ピン等を打ち込む工具は、§1910.243(d)(2)の設計要件を満たさなければならない。操作者と補助者には目の保護具を使用させ、作業条件に応じて頭部・顔面の保護具を使用させなければならない(§1910.243(d)(1))
■ 高速式工具には直径3.5インチ以上の保護シールドを備え、装填中や落下時に発射しないこと、発射に2つ以上の別個の操作を要すること、工具重量より5ポンド以上大きい押付け力でなければ作動しないこと等の設計要件がある(§1910.243(d)(2))
■ 装薬には威力の識別手段を設け、所定の速度基準を超える装薬を使用してはならず、工具専用の鋲を用いなければならない(§1910.243(d)(3))
■ 使用前点検、欠陥のある工具の使用停止、発射直前までの装填禁止、人に向けることの禁止、不発時の30秒間の保持、硬く脆い材料への打込み禁止、端部からの距離の確保、爆発性・引火性雰囲気での使用禁止等の使用要件に従わなければならない(§1910.243(d)(4))
動力芝刈機(§1910.243(e))
■ 歩行型、乗用回転式およびリール式の動力芝刈機は、§1910.212の機械防護要件に適合し、動力駆動のチェーン・ベルト・歯車の防護、停止装置、操作位置の表示、始動時の注意表示等の要件を満たさなければならない(§1910.243(e)(1))
■ 回転式芝刈機は、刃の囲い、排出口の角度・位置、注意表示、動力遮断後15秒以内の刃の停止等の要件を満たし、歩行型・乗用型それぞれについて排出口の防護、ハンドル、駆動の解除装置等の要件がある(§1910.243(e)(2)〜(e)(4))
ジャッキおよび研削材ブラスト用ノズル(§1910.244)
■ ジャッキは荷重を持ち上げ保持するのに十分な定格を有し、定格荷重を見やすい位置に判読でき消えない方法で表示しなければならない(§1910.244(a)(1))
■ 堅固な基礎がない場合はジャッキの底部をブロッキングし、持ち上げた荷重は直ちに枕木等で支持し、定期的に給油しなければならない。点検は、1か所で常時または断続的に使用する場合は6か月に1回、特別作業のために持ち出す場合は持出し時と返却時、異常な荷重・衝撃を受けた場合はその直前と直後に行い、欠陥のあるジャッキは表示して修理まで使用から外さなければならない(§1910.244(a)(2))
■ 研削材ブラスト用ノズルには、手で押さえている間だけ開く操作弁と、使用しないときにノズルを置く支持台を備えなければならない(§1910.244(b))
注目定義
<対象>
■ 「低速ピストン式工具」(low-velocity piston tool)
| 鋲、ピンまたは締結具を作業面に打ち込むため、工具内に保持されるよう設計されたピストンを用いる工具をいう(§1910.241(a)(3)) |
<対象>
■ 「ジャッキ」(jack)
| 押す力を加えることにより、荷重を持ち上げ、下ろし、または水平に移動させる器具をいう(§1910.241(d)(1)) |
<対象>
■ 「定格」(rating)
| ジャッキの定格とは、そのジャッキが安全に持ち上げるよう設計された最大使用荷重をいう(§1910.241(d)(2)) |
目次
1910.241 定義
(a) 火薬式びょう打ち工具に関する用語
(b) 研削砥石に関する用語
(c) [留保]
(d) ジャッキに関する用語
1910.242 手工具および携帯式動力工具・機器の一般要件
1910.243 携帯式動力工具の防護
(a) 携帯式動力工具
(b) 空気工具およびホース
(c) 携帯式研削砥石
(d) 火薬式びょう打ち工具
(e) 動力芝刈機
1910.244 その他の携帯式工具および機器
(a) ジャッキ
(b) 研削材ブラスト用ノズル
基礎情報
| 法令(現地語) |
29 CFR Part 1910 Subpart P—Hand and Portable Powered Tools and Other Hand-Held Equipment |
| 法令(日本語) | 連邦規則集第29編第1910部 サブパートP 手持ち式および携帯式電動工具、その他手持ち式機器 |
| 公布日 | 1974年06月27日(39 FR 23502)。1975年05月28日(40 FR 23072)に再指定された。 |
| 所管当局 | 米国労働省 労働安全衛生局(OSHA) |
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