| 法令の情報時期:2026年09月 確認 | ページ作成時期:2026年09月 |
目的
本サブパートは、米国労働安全衛生法(OSH Act)に基づく一般産業向けの労働安全衛生規則(連邦規則集第29編第1910部)の一部であり、事業場において負傷または有害物質へのばく露が生じた場合に、従業員が遅滞なく医療上の助言および応急手当を受けられる体制を事業者に確保させることを目的とする。
規則が定める内容から、具体的には次の点が目的となる。
■ 事業場の健康に関する事項について助言および相談を受けられる医療要員を、常時利用可能な状態としておくこと(§1910.151(a))
■ 近隣に負傷者の治療に用いる医務室、診療所または病院がない場合に、事業場内で応急手当を行える者と応急手当用品を確保しておくこと(§1910.151(b))
■ 腐食性物質にばく露するおそれがある場合に、直ちに眼および身体を洗浄できる設備を作業区域内に備えること(§1910.151(c))
概要
本サブパートは、一般産業の事業場における医療業務および応急手当の体制について定めるもので、条文は§1910.151の1条のみである。§1910.152は留保されている。規定は、医療要員の利用可能性の確保、応急手当を行う者と用品の確保、および緊急時の洗浄設備の設置という3つの内容から構成される。
- 1910.151(b)は、事業場の近隣に、負傷した従業員全員の治療に用いられる医務室、診療所または病院が存在しない場合に適用される。すなわち、近隣にこれらの医療機関がある場合には、事業場内で応急手当の訓練を受けた者を確保することは求められない。
- 1910.151(c)の洗浄設備は、眼または身体が傷害を生じうる腐食性物質にばく露するおそれがある場合に求められるもので、緊急時に直ちに使用できるよう作業区域内に設置しなければならない。条文は設備の具体的な仕様、設置距離、流量および点検の頻度を定めていないため、これらについては解釈上曖昧な部分が残っていると考えられる。
あわせて、非強制の附表Aが救急箱の内容に関する指針を示しており、ANSI Z308.1-1998「Minimum Requirements for Workplace First-aid Kits」を参照しつつ、事業場ごとの必要性を事業者が評価すべきことを示している。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
本サブパート全体の適用から、特定の事業者、製品、施設または行為を一律に免除する規定は置かれていない。
ただし、応急手当に関する要件については、次の条件による適用の限定がある。
■ 事業場の近隣に、負傷した従業員全員の治療に用いられる医務室、診療所または病院がある場合には、応急手当を行うために十分な訓練を受けた者を置くことは求められない(§1910.151(b))。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
医療要員の確保(§1910.151(a))
■ 事業者は、事業場の健康に関する事項についての助言および相談に応じられる医療要員を、直ちに利用できる状態としておかなければならない(§1910.151(a))。条文は、当該要員を事業場内に配置することまでは求めていない。
応急手当の実施体制(§1910.151(b))
■ 負傷した従業員全員の治療に用いられる医務室、診療所または病院が事業場の近隣にない場合、事業者は、応急手当を行うために十分な訓練を受けた者を1名以上確保しなければならない(§1910.151(b))。
■ あわせて、十分な量の応急手当用品を、直ちに利用できる状態で備えておかなければならない(§1910.151(b))。
■ 条文は「近隣(near proximity)」の距離、訓練の内容および時間、用品の具体的な品目を定めていない。非強制の附表Aは、救急箱の内容についてANSI Z308.1-1998を参照しつつ、事業場ごとの必要性を事業者が評価すべきことを示しているが、附表Aは強制力を有しないため、この点には解釈上曖昧な部分が残っていると考えられる。
緊急時の洗浄設備(§1910.151(c))
■ いずれかの者の眼または身体が、傷害を生じうる腐食性物質にばく露するおそれがある場合、事業者は、眼および身体を速やかに洗浄または洗い流すための適切な設備を、緊急時に直ちに使用できるよう作業区域内に設けなければならない(§1910.151(c))。
■ 対象は「いずれかの者(any person)」とされており、従業員に限定されていない点に注意が必要である。
■ 設備の仕様、作業位置からの距離、水温、流量および点検の頻度は条文に定められていない。したがって、どの程度の設備であれば「適切」といえるかについては、解釈上曖昧な部分が残っていると考えられる。
注目定義
| 本サブパートには、用語の定義に関する規定は置かれていない。 |
目次
1910.151 医療業務および応急手当
1910.152 [留保]
1910.151附表A 救急箱(非強制)
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 連邦規則集第29編第1910部 サブパートK 医療および応急手当 |
| 公布日 | 1974年06月27日(39 FR 23502)。その後、1998年06月18日(63 FR 33466)、2005年01月05日(70 FR 1141)および2011年12月27日(76 FR 80739)に改正された。 |
| 所管当局 | 米国労働省 労働安全衛生局(OSHA) |
作成者