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解説米国-労働安全衛生規則 溶接、切断、ろう付け

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法令の情報時期:2026年09月 確認 ページ作成時期:2026年09月

目的

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本規則は、米国労働安全衛生法(OSH Act)に基づく一般産業向けの労働安全衛生規則(連邦規則集第29編第1910部)の一部であり、溶接、切断およびろう付けの作業に伴う火災、爆発、感電、有害な光線、ヒューム・ガス等の危険から従業員を保護することを目的とする。

規則が定める内容から、具体的には次の点が目的となる。

■ 溶接・切断による火災を防止するため、可燃物の管理、火気監視、作業の許可、経営者・監督者の責任を定めること(§1910.252(a))

■ 目の保護具、保護衣、密閉空間での作業方法、換気および有害物質への対策を定めること(§1910.252(b)、(c))

■ 酸素・燃料ガス溶接、アーク溶接、抵抗溶接の各方式について、設備、ボンベ、配管、電気設備、操作・保守の要件を定めること(§1910.253〜§1910.255)

概要

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本規則は、一般産業の事業場における溶接、切断およびろう付けについて定めるものであり、定義(§1910.251)、一般要件(§1910.252)、酸素・燃料ガス溶接および切断(§1910.253)、アーク溶接および切断(§1910.254)、抵抗溶接(§1910.255)の5条から構成される。

一般要件では、可燃物を35フィート以上離すことを基本とした火災防止措置、火気監視人の配置と作業終了後30分以上の監視、作業前の許可(書面の許可証によることが望ましい)、経営者と監督者の責任、目の保護具の遮光度、密閉空間での作業、溶接者1人当たりの空間容積や天井高に応じた機械換気、フッ素化合物・亜鉛・鉛・ベリリウム・カドミウム・水銀等に対する局所排気または送気マスクの使用が定められている。

方式別の要件では、アセチレンの使用圧力の上限、ボンベの保管・取扱い、マニホールド、配管、逆火防止等の保護装置、アセチレン発生器とカーバイドの保管、アーク溶接機の無負荷電圧と接地、抵抗溶接機の制御回路電圧と点検記録等が定められている。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

本規則全体の適用から特定の事業者、製品または施設を一律に免除する規定は置かれていない。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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火災の防止(§1910.252(a))

■ 作業対象を移動できない場合は可燃物を安全な場所へ移し、移せない場合はガードで熱・火花を封じ込めなければならず、いずれもできない場合は溶接・切断を行ってはならない(§1910.252(a)(1))

■ 可燃物は可能な限り作業場所から35フィート以上離し、床の開口部からの火花の落下を防ぎ、消火設備を使用可能な状態で備えなければならない。35フィート以内に相当量の可燃物がある場合等には火気監視人を置き、作業終了後少なくとも30分間監視させなければならない(§1910.252(a)(2)(i)〜(iii)、(vii))

■ 作業開始前に、指名された経営者側の担当者が現場を点検し、講ずべき措置を示して許可を与えなければならない(書面の許可証によることが望ましい)。スプリンクラーが機能しない建物、爆発性雰囲気、清掃していない可燃物の容器、可燃性被覆のある金属壁・屋根等では作業を行ってはならない(§1910.252(a)(2)(iv)、(vi)、(xi))

■ 経営者は、火災の危険性に基づく作業区域の設定、作業許可者の指名、作業者と監督者の訓練、請負業者への可燃物の周知を行わなければならない。監督者は、機器の安全な取扱い、可燃物の特定・保護、許可の取得、火気監視人の確保等を行わなければならない(§1910.252(a)(2)(xiii)、(xiv))

■ 使用済みのドラム・タンク等は、可燃物等が残らないよう洗浄し、配管を切り離したうえで換気しなければならない(不活性ガスによるパージが推奨される)(§1910.252(a)(3))

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作業者の保護(§1910.252(b))

■ アーク溶接・切断ではヘルメットまたはハンドシールドを、ガス溶接・酸素切断では保護めがねを使用させ、作業に応じた遮光度のフィルターを用いなければならない。周囲の作業者は不燃性の遮へい板等で保護しなければならない(§1910.252(b)(2))

■ 保護衣は§1910.132に従う(§1910.252(b)(3))。密閉空間では、換気を前提とし、ガスボンベと溶接機を外部に置き、救命索と外部の監視人を配置し、作業中断時は電極を外しガスを外部で遮断し、作業後の高温の金属には警告を表示しなければならない(§1910.252(b)(4))

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換気および有害物質(§1910.252(c))

■ フラックス、被覆剤、溶加材に含まれる有害物質を危険有害性周知規則(§1910.1200)に基づく周知計画に含め、ラベルと安全データシートを利用可能にし、訓練を行わなければならない。供給者はラベルに所定の警告を表示しなければならない(§1910.252(c)(1)(iv)、(v))

■ 溶接者1人当たりの空間が10,000立方フィート未満、天井高16フィート未満、または密閉空間等の場合は、溶接者1人当たり毎分2,000立方フィート以上の機械換気を行わなければならない。ただし、局所排気フードまたは承認された送気マスクを用いる場合を除く(§1910.252(c)(2))

■ 密閉空間では十分な換気を行い、それが不可能な場合は承認された送気マスク等を使用させなければならない。酸素を換気に用いてはならない(§1910.252(c)(4))

■ フッ素化合物、亜鉛、鉛、ベリリウム、カドミウム、水銀を含む材料の溶接、ステンレス鋼の切断等では、局所排気、送気マスク、呼吸用保護具等の措置をとらなければならない(§1910.252(c)(5)〜(c)(12))。応急処置用具を常備しなければならない(§1910.252(c)(13))

■ 輸送パイプラインおよび機械配管系統の溶接は、§1910.252(a)〜(c)、§1910.253、§1910.254と、条文が参照する業界規格(API規格等)に従って行わなければならない(§1910.252(d))

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酸素・燃料ガス溶接および切断(§1910.253)

■ アセチレンは15psig(ゲージ圧)を超える圧力で発生、配管、使用してはならず、承認された機器のみを使用しなければならない。供給設備の担当者には指導を行い、有能と判断された者とし、規則・指示を容易に参照できるようにしなければならない(§1910.253(a))

■ ボンベは運輸省規則に適合し、内容物を表示し、屋内では可燃物から20フィート以上離して保管しなければならない。屋内の燃料ガスボンベは2,000立方フィートまたは液化石油ガス300ポンドまでとし、酸素ボンベは燃料ガス等から20フィート以上離すか、耐火性能2分の1時間以上・高さ5フィート以上の不燃性障壁で隔てなければならない(§1910.253(b)(1)〜(b)(4))

■ ボンベの運搬・取扱い(キャップの装着、転倒・衝撃の防止、弁の閉止、アセチレン弁の開度等)に関する多数の手順に従わなければならない(§1910.253(b)(5))

■ マニホールドの容量・設置場所・逆火防止器、配管の材料・接合・試験・表示、逆流・逆火・過圧を防ぐ保護装置、ホースと圧力調整器、アセチレン発生器の設置・換気・保守、カーバイドの包装・保管量に応じた保管場所の要件に従わなければならない(§1910.253(c)〜(g))

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アーク溶接および切断(§1910.254)

■ アーク溶接機の操作に指名する者は、適切な指導を受け資格を有する者でなければならず、操作・保守担当者は本条と§1910.252(a)〜(c)の要件を知っていなければならない(§1910.254(a)(3)、(d)(1))

■ 無負荷電圧は、交流の手溶接で80ボルト、自動溶接で100ボルト、直流で100ボルトを超えてはならない(§1910.254(b)(3))。溶接機の外箱は接地し、チェーン、ワイヤロープ、クレーン等に溶接電流を流してはならない(§1910.254(c)(2))

■ 各溶接機の近くに断路スイッチを設け、ホルダーから10フィート以内に接続部のあるケーブルは使用してはならない。欠陥は報告させ、安全が確認されるまで使用を停止し、損傷したケーブルは交換しなければならない(§1910.254(c)(3)、(d)(8)、(d)(9))

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抵抗溶接(§1910.255)

■ 設備は有資格の電気工事士が設置し、機械の近くに断路スイッチまたは遮断器を設けなければならない。操作者は適切な指導を受け有能と判断された者とし、クランプ等の制御は不意の作動を防ぐよう配置または防護しなければならない(§1910.255(a))

■ 外部の溶接起動制御回路は120ボルト以下、携帯式溶接ガンの起動スイッチは24ボルト以下とし、550ボルトを超えるコンデンサー式設備は完全な囲いとインターロックで保護しなければならない(§1910.255(b)(1)、(b)(2)、(c)(4))

■ プレス溶接の防護、火花の遮へい板、非常停止ボタン、安全ピン、二次回路の接地、携帯式機器の釣合い装置・安全チェーン、フラッシュ溶接のフード・防火カーテンの要件に従わなければならない(§1910.255(b)〜(d))

■ 有資格の保守担当者による定期点検を行い、点検日、実施者の署名、機器の製造番号等を記載した証明記録を保存しなければならない(§1910.255(e))

注目定義

<対象>

■ 「溶接者および溶接操作者」(welder and welding operator)

電気またはガスによる溶接・切断機器の操作者をいう(§1910.251(a))

<対象>

■ 「承認された」(approved)

国家認定試験機関により登録または承認されたものをいう(§1910.251(b))

<対象>

■ 「密閉空間」(confined space)

タンク、ボイラー、圧力容器、船舶の小区画のような、比較的狭い、または制限された空間をいう(§1910.252(b)(4)(i))

目次

1910.251 定義

1910.252 一般要件

(a) 火災の防止および防護

(b) 作業者の保護

(c) 健康の保護および換気

(d) 産業上の適用

1910.253 酸素・燃料ガス溶接および切断

(a) 一般要件

(b) ボンベおよび容器

(c) ボンベのマニホールド

(d) 供給配管系統

(e) 保護装置、ホースおよび圧力調整器

(f) アセチレン発生器

(g) カルシウムカーバイドの保管

1910.254 アーク溶接および切断

(a) 一般

(b) アーク溶接機器の適用

(c) アーク溶接機器の設置

(d) 操作および保守

1910.255 抵抗溶接

(a) 一般

(b) スポット溶接機およびシーム溶接機(据置式)

(c) 携帯式溶接機

(d) フラッシュ溶接機器

(e) 保守

基礎情報

法令(現地語)

29 CFR Part 1910 Subpart Q—Welding, Cutting and Brazing

法令(日本語)

連邦規則集第29編第1910部 サブパートQ 溶接、切断、ろう付け

公布日

現行の本規則の出典は1990年04月11日(55 FR 13696)と表示されている。これより前の公布日は情報源の表示からは確認できない。

所管当局

米国労働省 労働安全衛生局(OSHA)

作成者

株式会社先読

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