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解説EU-デジタル製品パスポート登録簿実施規則

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法令の情報時期:2026年07月 公布 ページ作成時期:2026年09月

目的

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本規則は、エコデザイン規則(ESPR。規則(EU) 2024/1781)第13条に基づき欧州委員会が設置・維持するデジタル製品パスポート登録簿について、その機能に関する実施措置を定めるものである(第1条1項)。

定められる実施措置および規則は、次の事項に関するものである(第1条2項)。

■ 登録簿へのアクセス管理

■ 経済事業者およびバリューチェーン関係者を検証するための検証手続

■ セマンティックリポジトリ、データ交換モデルに関するログシステムおよびソフトウェアのリリース管理を含む、登録簿の技術的構成

■ 固有識別子の登録および保存の手続

■ 税関手続「自由流通のための引取り(release for free circulation)」に置かれる製品の品目コードの登録および保存の手続

■ 該当する場合の、デジタル製品パスポートの粒度(モデル、バッチ、個品)の登録要件

■ 登録されたデジタル製品パスポートのデータに関するステータス

■ 製品群内での製品の追跡を可能とするデータ

■ 登録データの更新および削除

■ 個人データの処理

■ 登録簿の不適切または不正な利用の防止、検知および対処のための措置

■ 技術監査

■ 登録簿およびそれが含むデータの可用性の確保

概要

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本規則は、エコデザイン規則(ESPR)第13条に基づく登録簿の運用について定める委員会実施規則である。適用対象となるのは、デジタル製品パスポートの存在とその登録簿への登録が求められる製品を上市しまたは使用開始する経済事業者であり、対象製品は、ESPR第4条に基づく委任法の対象製品、電池規則(規則(EU) 2023/1542)第77条の対象電池、建設製品規則(EU) 2024/3110第76条の対象建設製品、玩具規則(EU) 2025/2509第19条の対象玩具、洗剤・界面活性剤規則(EU) 2026/405第21条の対象となる洗剤および最終使用者向け界面活性剤、ならびにデジタル製品パスポートと登録簿への登録を求めるその他のEU法の対象製品である(第1条1項)。あわせて、バリューチェーン関係者、加盟国の所管当局、税関当局および欧州委員会による登録簿の利用に関する規則も定められる(第1条2項)。

登録簿は、安全なユーザーインターフェースを提供するウェブサイト、デジタル製品パスポートを登録するためのAPI、デジタル製品パスポートの存在と完全性を確認するための検証プラットフォーム、固有登録識別子を生成する仕組み、固有識別子および品目コードの保存機能、検証済みデジタル製品パスポートサービスプロバイダーの一覧、セマンティックリポジトリ、ログシステム、識別および認可の仕組みで構成される(第3条)。

登録簿を利用してデジタル製品パスポートを登録できるのは、本人確認手続を完了した検証済み経済事業者に限られる。修理業者、再生業者、再製造業者、リサイクル業者等のバリューチェーン関係者についても、検証済みでなければ登録簿にアクセスできない(第4条、第5条)。加盟国は、2027年02月18日までに、欧州委員会に対する単一の公式窓口となる指定国内管理者を任命しなければならない(第7条)。

本規則は、官報での公示の20日後に発効する(第24条)。EUR-Lexの情報によれば、発効日は2026年08月06日である。適用開始日を別途遅らせる規定は置かれていない。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

本規則には、法令全体の適用から免除される事業者、製品、施設または行為は定められていない。

なお、個別条項における取扱いとして、デジタル製品パスポート登録簿が同等または同一の本人確認手続を有する他のEUの情報システムと統合されている場合、当該情報システムに既に登録している経済事業者は、改めて本人確認手続を行う必要がないとされている。バリューチェーン関係者についても同様の定めがある(第4条5項、第5条5項)。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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■ 本人確認(検証)を受けたうえで登録簿を利用すること

経済事業者は、デジタル製品パスポートを登録簿に登録するために、本人確認手続を完了して「検証済み経済事業者」となる必要がある。個人事業主である自然人は、規則(EU) No 910/2014(電子取引識別・信託サービス規則)に基づく適格電子署名または電子的属性証明等により、法人は同規則に基づく適格電子シールまたは電子的属性証明等により、身元(法人の場合は設立の事実を含む)の証拠を提出しなければならない。検証済みの地位は、用いた電子識別手段の有効期限まで有効であり、いずれの場合も検証日から3年を超えない(第4条)。

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■ バリューチェーン関係者の検証

修理業者、再生業者、再製造業者、リサイクル業者等のバリューチェーン関係者も、経済事業者と同様の本人確認手続を完了する必要がある。検証済みバリューチェーン関係者のみが登録簿にアクセスでき、関連するEU法に定めがある場合に登録簿上の操作を行うことができる(第5条)。

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■ ユーザープロファイルの管理と第三者への権限委任

EU法に定めがある場合、検証済み経済事業者および検証済みバリューチェーン関係者は、自らのために行動する第三者の利用者にアクセス権を委任することができる。委任を受けた第三者も検証手続を経る必要があり、委任した場合でも事業者が引き続き全面的な責任を負う。また、関連する変更が生じた場合には自らのデータを更新する責任を負う(第6条、第19条4項)。

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■ デジタル製品パスポートの登録

第1条1項(a)の製品については、市場に上市しまたは使用開始する検証済み経済事業者が、エコデザイン規則(ESPR)第4条に基づく委任法で指定された粒度(モデル、バッチ、個品)でデジタル製品パスポートを登録しなければならない。同項(b)から(f)の製品については、関連するEU法が定める粒度で該当する主体が登録する。同一製品が異なる粒度での登録を求める複数のEU法の対象となる場合は、最も細かい粒度で登録する。個品単位で作成する場合はバッチ識別子およびモデル識別子を、バッチ単位で作成する場合はモデル識別子を、それぞれ紐付ける。登録は、登録簿の安全なユーザーインターフェースまたはAPIを通じて行う(第8条1項から6項)。

登録の提出時には、セマンティック適合性、必須データの整合性、粒度の適合、該当する場合の品目コードの有効性、デジタル製品パスポートサービスプロバイダーが保有するバックアップへのリンクが自動的に確認される。確認が成功すると固有かつ永続的な登録識別子が生成・保存され、ユーザーインターフェースまたはAPIの応答を通じて事業者へ通知される(第8条7項から10項)。

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■ 登録証明の生成

経済事業者は、登録したデジタル製品パスポートについていつでも登録証明を生成できる。登録証明には、固有製品識別子、該当する場合の品目コード、検証済み経済事業者の名称および識別情報、電子タイムスタンプにより検証された登録日時、デジタル製品パスポートの当該版のハッシュ値が含まれる。登録証明は生成日から90暦日間利用可能である(第9条)。

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■ 登録データの管理および保存期間

登録データの作成、変更および削除はログに記録される。EU法が利用可能期間を定めていない場合、登録データは登録から10年後に自動的に削除される(第10条)。

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■ データモデルおよびセマンティック定義への適合

デジタル製品パスポートに含まれるすべてのデータは、セマンティックリポジトリに公開された共通データモデルおよびセマンティック定義に従って構造化されなければならない(第11条3項)。

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■ 情報の正確性・完全性の維持および安全管理

検証済み経済事業者は、登録に必要なすべての情報を欧州委員会へ提供し、提出した情報の正確性および完全性について責任を負う。登録簿に保存された情報を常に正確、完全かつ最新に保たなければならず、自らのITシステムおよび認証情報について適切な技術的・組織的なセキュリティ対策を実施しなければならない。第三者に登録を委任した場合も、経済事業者が引き続き全面的に責任を負う(第19条)。検証済みバリューチェーン関係者も、自らのITシステムおよび認証情報について同様のセキュリティ対策を実施しなければならず、第三者に自らのために行動することを認めた場合も責任を負う(第20条)。

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■ 登録済みデジタル製品パスポートの移転

登録済みのデジタル製品パスポートは、義務を引き継ぐ他の検証済み経済事業者、または該当する場合は検証済みバリューチェーン関係者へ移転することができる(第6a条)。

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■ 個人データの取扱い

登録簿には、各利用者の氏名、安全なアクセスに必要な認証情報、経済事業者およびバリューチェーン関係者の住所、各利用者の電子メールアドレス、アップロードされた文書に埋め込まれたメタデータが保存される。これらの個人データは規則(EU) 2018/1725に従って処理される(第18条)。

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■ 登録簿の可用性および不正利用への対応

登録簿は必要な保守作業を除き常時利用可能とされるが、欧州委員会は障害、サイバー攻撃または緊急のセキュリティ上の必要がある場合、事前通知なく利用を停止することができる。また、登録簿における不適切または不正な活動が確認された場合、欧州委員会は必要な措置を講じる。登録簿内または登録簿に対する悪意ある行為を認識し、または疑う合理的な根拠を有する利用者は、直ちに欧州委員会および該当する場合は関係加盟国に通知しなければならない(第15条、第17条)。事業者が利用する支援としては、年間を通じてブリュッセル時間08:00から20:00まで稼働するヘルプデスクが提供される(第13条)。

注目定義

<対象>

■ 「検証済み経済事業者(第2条(5))」

第4条に従い、登録簿における本人確認手続を成功裏に完了した経済事業者をいう。

<対象>

■ 「バリューチェーン関係者(第2条(6))」

経済事業者以外の自然人または法人であって、デジタル製品パスポートおよびその登録簿への登録を必要とする製品のバリューチェーンにおいて活動を行う者をいい、修理業者、再生業者、再製造業者またはリサイクル業者等が該当する。

<対象>

■ 「セマンティック適合性(第2条(12))」

デジタル製品パスポートに含まれるデータが、適用されるセマンティック仕様に適合している程度をいう。具体的には、ESPR第4条に基づく委任法その他のEU法が求めるすべてのデータ要素が存在すること、必須および任意のデータ要素が構造、形式、値の型、統制語彙、適用に関する規程等の要件に適合すること、ならびにこれらのデータ要素が適用されるセマンティックリポジトリの参照を通じて他のシステムにより一貫して解釈され得ることをいう。

目次

第1条 対象事項および適用範囲

第2条 定義

第3条 登録簿の構成

第4条 経済事業者に対する検証要件

第5条 バリューチェーン関係者に対する検証要件

第6条 検証済み経済事業者および検証済みバリューチェーン関係者のユーザープロファイルの管理

第6a条 登録済みデジタル製品パスポートの移転

第7条 国内当局

第8条 デジタル製品パスポートの登録

第9条 登録証明

第10条 登録データの管理

第11条 データモデル

第12条 セマンティックリポジトリ

第13条 技術支援

第14条 ログシステム

第15条 保守および登録簿の可用性

第16条 情報システムのセキュリティおよび技術監査

第17条 登録簿の不適切または不正な利用

第18条 個人データ

第19条 検証済み経済事業者の責任

第20条 検証済みバリューチェーン関係者の責任

第21条 欧州委員会の責任

第22条 加盟国の責任

第23条 モニタリングおよび評価

第24条 発効

基礎情報

法令(現地語)

Commission Implementing Regulation (EU) 2026/1778 of 16 July 2026 laying down the implementation arrangements for the digital product passport registry

法令(日本語)

デジタル製品パスポート登録簿の実施措置を定める委員会実施規則(EU) 2026/1778

公布日

2026年07月17日(採択日:2026年07月16日)

所管当局

欧州委員会(本規則上、登録簿の所有者であり、その開発、可用性、監視、更新、保守およびホスティングを含む管理に責任を負う。第21条2項)

作成者

株式会社先読

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