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2026年10月26日、欧州委員会の課税・関税同盟総局(DG TAXUD)は、新電子通過システム(New Computerised Transit System:NCTS)の第6段階(Phase 6)の展開が完了し、EU加盟27か国と共通通過条約(Common Transit Convention)締約国の計41か国で利用されていると公表しました。第6段階により、経済事業者は通過申告と、安全・保安に関する到着前の事前情報を一つのチャネルでまとめて提出できるようになります。この事前情報は、EUの輸入管理システムICS2の要件に沿うものです。出入域概要申告(Entry Summary Declaration:ENS)の扱いについては、各参加国の税関当局が、ENSの記載事項を通過申告に含める方式(オプトイン)と、ENSをICS2へ直接提出する方式(オプトアウト)のいずれかを選択します。どちらの方式が適用されるかは国ごとに異なるため、EU域内へ貨物を通過輸送する事業者は、関係国の選択を把握しておくことが重要です。
NCTS第6段階の主な内容
- 単一の提出チャネル:通過申告と、安全・保安区域(Safety and Security Area)向けの到着前の安全・保安データを、ICS2の要件に沿って一体として提出できます。
- ENSの扱いは2方式:
- オプトイン:ENSの記載事項を通過申告に含めます。NCTS第6段階がICS2と接続され、リスク分析と管理上の判断に用いられます。
- オプトアウト:ENSの記載事項は通過申告に含めず、ICS2へ直接提出します。
- 方式の選択は各国税関当局:いずれの方式を実施するかは、参加国の税関当局が決定します。各国の選択状況は、欧州委員会の「NCTS Phase 6 State of Play」で公表されています。
- 方式の移行:オプトアウトを選択した国は、後にオプトインへ移行することができます。
- 通過申告とともに提出できるのは、完全なENSに限られます。
事業者にとっての意味
欧州委員会は、オプトインの方式では、経済事業者にとって次の利点があるとしています。
- 処理の迅速化と通関所要時間の短縮
- 単一の申告による手続の簡素化
- データ検証の向上と、貨物の追跡可能性の向上
一方、税関当局にとっては、監督の強化、リスク管理の改善、自動化の進展により、リスクの高い貨物に重点を置けるようになるとしています。
今後の位置付け
欧州委員会は、NCTS第6段階を、EUのデジタル関税の取組みの一環と位置付けています。あわせて、従来の申告をデータ主導の輸入監督に置き換える包括的な関税改革が計画されていることにも触れています。EU域内で通過手続を利用する事業者は、関係国の方式(オプトイン/オプトアウト)に応じて、ENSを通過申告に含めるか、ICS2へ別途提出するかを確認し、申告の運用を整えておく必要があります。
参考情報
欧州委員会 課税・関税同盟総局「Deployment of NCTS Phase 6: next step in the modernization of customs and transit procedures」(2026年10月26日)

