2026年8月7日、イリノイ州知事は、州環境保護法(Environmental Protection Act)を改正する法案 HB 4418 を承認し、同法は公法104-0772(Public Act 104-0772)として成立しました。施行日は2027年1月1日です。本法は州環境保護法に第12.8条(415 ILCS 5/12.8)を新設し、州環境保護庁(条文上の「Agency」)に対して、一定の製造施設に発給する国家汚染物質排出削減制度(NPDES)許可に、雨水汚染防止計画(Stormwater Pollution Prevention Plan、SWPPP)または同種の最良管理手法(best management practice)の要求事項を盛り込むことを義務付けるものです。その要求事項は、プラスチックペレットその他の生産前プラスチック材料(preproduction plastic materials)が雨水流出水に混入することの管理に適用されます。対象施設は連邦規則40 CFR第414部および第463部の規制を受ける施設で、樹脂・プラスチック素材を扱う事業所が広く含まれ得ます。米国では海洋プラスチック汚染の発生源としてペレットの流出への関心が高まっており、州レベルで排水許可の条件に組み込む動きの一つとなります。
新設される条文の内容
新設の第12.8条は、次の内容を定めています。
- 州環境保護庁は、本改正法の施行日から1年以内に、雨水汚染防止計画または同種の最良管理手法の要求事項を策定し、その実施を開始しなければならない
- 当該要求事項は、40 CFR第414部(有機化学品・プラスチック・合成繊維の排水基準)または第463部(プラスチックの成形・成形加工の排水基準)の規制を受ける施設に発給されるNPDES許可に盛り込まれる
- 当該要求事項は、これらの施設からの雨水流出水におけるプラスチックペレットその他の生産前プラスチック材料の管理に適用される
影響が及ぶ範囲
条文が対象施設を連邦の排水基準ガイドラインのカテゴリーで特定している点が実務上の要点です。40 CFR第414部は有機化学品・プラスチック・合成繊維の製造を、第463部はプラスチックの成形・成形加工をそれぞれ対象としており、樹脂製造事業者だけでなく、ペレットを原料として受け入れて成形加工を行う事業者も、NPDES許可の対象であれば新たな許可条件の名宛人となり得ます。
要求事項の具体的な内容は州環境保護庁が今後策定するため、対象となり得る事業者は、自社施設が40 CFR第414部・第463部のいずれかに該当するか、およびNPDES許可(個別許可・一般許可のいずれか)を保有しているかを、施行前に確認しておく必要があります。
今後のスケジュール
- 2026年8月7日:知事承認、公法104-0772として成立
- 2027年1月1日:施行
- 施行日から1年以内:州環境保護庁が要求事項を策定し、実施を開始
策定される要求事項は既存のNPDES許可の更新時や新規発給時に盛り込まれることが想定されるため、許可の更新時期と重ねた準備が有効です。なお本法は、要求事項の内容そのものを条文で特定せず、州環境保護庁の裁量に委ねる立て付けとなっており、実際の負担の水準は今後の運用に左右されます。
参考情報
イリノイ州議会(Illinois General Assembly)「HB4418(公法104-0772)全文」
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