2026年09月11日、OECD/G20「BEPS包摂的枠組み」(以下、包摂的枠組み)は、グローバルミニマム課税の一貫した実施と適用を支えるためのパッケージを公表しました。パッケージは、各国の国内法がモデル規則に整合しているかを相互に審査する「全面的な法令審査」の付託事項と評価方法、GloBE情報申告書(GIR)の改訂版、およびGloBEモデル規則の適用に関する新たな執行ガイダンスの3点で構成されています。多国籍企業にとっては、申告様式の変更と、対象租税の範囲および適格国内ミニマムトップアップ税(QDMTT)の計算に関する取扱いの明確化が実務上の要点となります。改訂後のGIRは、2025年12月31日以後に開始する会計年度に係る申告にのみ適用されます。
全面的な法令審査の枠組み
- 包摂的枠組みの参加国・地域が、グローバルミニマム課税を実施する国内規則の整合性を評価するための枠組みを定めるものです。
- 実施国・地域の法令について詳細なピアレビューを行い、GloBEモデル規則およびそのコメンタリーとの整合を確認します。不整合が確認された場合、包摂的枠組みは是正に向けた勧告を行います。
- 各国・地域で一貫した適用を確保することにより、実施国間の公平な競争条件を保ち、企業にとっての税の確実性を高め、コンプライアンス費用を抑えることが目的とされています。
GloBE情報申告書(GIR)の改訂
- GIRは、多国籍企業のグローバルミニマム課税に係る税額の正確性を評価するために、実施国・地域が必要な情報を収集する標準の情報申告書です。
- 改訂版は、包摂的枠組みが2026年1月に合意した「サイド・バイ・サイド・パッケージ」に含まれる簡素化措置を取り込んでいます。
- 改訂は、2025年12月31日以後に開始する会計年度に係るGIRにのみ適用されます。
- 合意された変更を反映する改訂XMLスキーマは現在開発中です。税務当局と多国籍企業が情報収集、報告、GIRの提出および交換のシステムを更新する時間を確保できるよう、近く公表できるよう作業が進められています。
新たな執行ガイダンス
明示的に条件付きとされた租税
- サイド・バイ・サイド・パッケージは、条件付きまたは差別的な租税は対象租税として税額控除の対象にならないことを確認していました。
- 今回のガイダンスは、他の国・地域で所得合算ルール(IIR)または軽課税所得ルール(UTPR)の適用を受ける納税者にのみ適用されると明示された租税は、対象租税として認められないことを確認しています。
- 租税が差別的とみなされ対象租税として扱われなくなる、その他の特徴については、包摂的枠組みが年末までの公表を目指して追加のガイダンスを作成する方針です。
QDMTTにおける現地の財務会計基準の利用
- 一定の条件のもとでは、QDMTTを現地の財務会計基準に基づく財務諸表を用いて計算する必要が生じます。
- ガイダンスは、QDMTTを現地の財務会計基準に基づいて計算し、かつQDMTTの会計期間が最終親会社の会計年度と一致しない場合であっても、QDMTTセーフハーバーが引き続き適用されることを明確にしています。
参考情報
OECD「Global Minimum Tax: Inclusive Framework releases a package to strengthen consistency and certainty for MNEs and jurisdictions」(2026年9月11日)
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