トルコ|ETSパイロット期間の手続・原則を気候変動庁が公表
2026年10月1日、トルコの気候変動庁は、トルコ排出量取引制度(TR ETS)のパイロット期間に関する「トルコ排出量取引制度パイロット実施期間に関する手続・原則」を、2026年9月30日付けの承認(第18626号)により公表したと発表しました。2026年8月27日付けの官報(第33353号)で公布・施行されたトルコ排出量取引制度規則に続くもので、炭素市場委員会が2026年1月15日の会合(KPK/2026/1)で決定したパイロット期間に関する決定を実施するための文書です。手続・原則は、パイロット期間の対象範囲・期間・運用のほか、サブ設備の特定、ベンチマークの算定、無償割当の決定、活動水準の報告と検証について定めています。パイロット期間は2026年と2027年の排出を対象とし、電力、セメント、鉄鋼、アルミニウム、肥料の各部門で排出量の基準を超える施設が対象となります。2026年は報告義務のみで、排出枠の償却(提出)義務は2027年の排出から始まります。
対象となる施設
- 承認済みのモニタリング計画を有し、所定の活動を行うカテゴリーB(年間5万t超〜50万t CO2換算以下)およびカテゴリーC(年間50万t CO2換算超)の施設が対象です。排出量は設備容量に基づき保守的に算定し、バイオマス由来のCO2は除き、移送されたCO2は含めます。
- 対象活動には、定格熱入力の合計が20MW以上の施設における燃料燃焼による発電、コークス製造、鉄鋼・鋳鉄の製造・鋳造(毎時2.5t以上)、一次アルミニウム・アルミナの製造、二次アルミニウムの製造(燃焼設備20MW以上)、ロータリーキルンでのクリンカー製造(日産500t以上)、硝酸製造、アンモニア製造などが含まれます。
- 天然ガス・原油の輸送・貯蔵は、モニタリング・報告・検証を除き、パイロット期間中はTR ETSの対象外です。
事業者の主な義務と期限
- 活動水準報告:承認済みのモニタリング計画に基づき報告システム上で作成し、提出前に認定検証機関の検証を受ける必要があります。提出期限は、2026年分が2027年4月30日、2027年分が2028年4月30日です。電力のサブ設備については、2023〜2025年分を2027年6月30日までに提出します。
- モニタリング計画:当局が不備を指摘した場合、通知から30日以内に再提出する必要があります。
- 排出枠の償却:2027年の検証済み排出量に相当する排出枠を、2028年11月の最終営業日までに償却する必要があります。
- 検証では、TR ETS対象施設について現地訪問が必須とされています。
無償割当と排出枠の扱い
- 2027年は、ベンチマーク方式に基づき100%の無償割当が行われます。パイロット期間のベンチマークは、検証済みのサブ設備報告の提出後、国家割当計画で公表されます。
- パイロット期間の排出枠は、パイロット期間の義務にのみ使用できます。パイロット期間中は排出枠のバンキング(繰越)とボローイング(前借り)は認められません。履行されなかった義務は、第1実施期間の初年度に繰り越されます。
- オフセット(相殺)は、炭素市場委員会が決定した場合に限り、定められた範囲と比率で利用できます。
- パイロット期間に続く第1実施期間は2028〜2035年で、2028〜2030年と2031〜2035年の2つの期間に分かれます。
参考情報
トルコ気候変動庁「TR ETS Pilot Uygulama Dönemine İlişkin Usul ve Esaslar Yayımlandı」
https://iklim.gov.tr/tr-ets-pilot-uygulama-donemine-iliskin-usul-ve-esaslar-yayimlandi-duyuru-1045
トルコ気候変動庁「Türkiye Emisyon Ticaret Sistemi Pilot Uygulama Dönemine İlişkin Usul ve Esaslar」
https://iklim.gov.tr/db/turkce/duyurular/files/Yay%C4%B1mlanan_%20TR%20ETS%20Usul%20ve%20Esaslar.pdf
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