欧州委員会が2026年7月14日に採択した委任規則 (EU) 2026/1770が、2026年10月22日にEU官報に掲載されました。電池規則 (EU) 2023/1542を補完する同委任規則は、製品に組み込まれた携帯型電池について、エンドユーザーではなく独立した専門家のみが取り外し・交換できる設計を認める例外(電池規則第11条(2))を全面的に置き換えます。改正後の例外には、水濡れ環境向け機器(ウェアラブル機器を含むことを明記)のほか、小型または密閉構造のウェアラブル機器、充電式電池を組み込んだ電動玩具(2030年7月31日まで)、食品接触用のワイヤレス温度計プローブ、爆発のおそれのある大気中での使用を意図した機器、皮下投与用の装着型投与システム、農業・建設機械の屋根設置型テレマティクス機器などが含まれます。ただし、一部を除き、例外は利用者と機器の安全確保に必要な場合に限って適用されます。同委任規則は官報掲載の20日後に発効します。携帯型電池を組み込んだ製品をEU市場に投入する事業者にとって、製品設計に関わる改正です。
改正後の例外対象製品
電池規則第11条は、製品に組み込まれた携帯型電池をエンドユーザーが取り外し・交換できるようにする一般要件を定めています。委任規則は同条(4)に基づき第11条(2)を置き換え、次の製品は電池を独立した専門家のみが取り外し・交換できる設計とすることができます。
- (a) 水しぶき、水流、水没に定常的にさらされる環境で主に動作するよう設計され、洗浄・すすぎ可能な機器(ウェアラブル機器を含む)
- (b) 医療機器規則 (EU) 2017/745に定める専門的な医用画像診断・放射線治療機器、および体外診断用医療機器規則 (EU) 2017/746に定める体外診断用医療機器
- (c) 利用者の電池へのアクセスで安全性、耐久性、防水性が損なわれるおそれがあり、①エンドユーザーが電池交換を適切かつ安全に行うには小さすぎる、または②防塵・耐衝撃を含む機能の維持をコンパクトな密閉筐体に依存するウェアラブル機器
- (d) 2030年7月31日まで、充電式電池を組み込んだ電動玩具(玩具の性質や大きさにより、玩具指令第10条(2)に従って使用される際の安全確保に例外が必要な場合)
- (e) 食品調理工程で食品に接触するよう設計されたワイヤレス温度計プローブ
- (f) 爆発のおそれのある大気中での使用を意図した機器および保護システム指令 (2014/34/EU) 第1条の対象製品
- (g) 医薬品の皮下投与用の装着型投与システム
- (h) 農業・建設機械の屋根に設置し、激しい振動、粉じん、湿潤状態にさらされるよう設計されたテレマティクス機器
(a)および(c)~(h)の例外は、利用者と機器の安全確保のために必要な場合にのみ適用されます。
例外拡大の理由
- ウェアラブル機器:スマートウォッチ等の利用が大幅に増加。小型化で電池が密に封入され、取り外し時に損傷・穿孔の危険がある場合がある
- 電動玩具:規則 (EU) 2025/2509が2030年8月1日以降の電動玩具の電池の設計を定めており、それまでの暫定的な例外とする
- 温度計プローブ:封止部が損傷すると電池の化学物質が食品を汚染する危険がある
- 装着型投与システム:誤作動や薬剤の誤投与のおそれがある
参考情報
Commission Delegated Regulation (EU) 2026/1770 of 14 July 2026 on supplementing Regulation (EU) 2023/1542 of the European Parliament and of the Council as regards derogations for the removability and replaceability of portable batteries
注目情報一覧
新着商品情報一覧
-
2026.10.30
国際|ITU、発信者番号偽装対策の国際規格Q.3057等の実装に向け議論
-
2026.10.30
EU|欧州委員会、新たな「北極圏戦略」を発表
-
2026.10.29
日本|総務省、5.8GHz帯ドローン実験用周波数の告示改正案に意見募集
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など