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オーストラリア|ニューサウスウェールズ州、製品ライフサイクル責任規則2026が10月1日施行(電池の強制スチュワードシップ)

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オーストラリア|ニューサウスウェールズ州、製品ライフサイクル責任規則2026が10月1日施行(電池の強制スチュワードシップ)

2026年10月01日、オーストラリアのニューサウスウェールズ州(以下、NSW州)で、「製品ライフサイクル責任規則2026(Product Lifecycle Responsibility Regulation 2026)」が定める施行日を迎えました。同規則第2条は、施行日を、製品ライフサイクル責任法2025(以下、法)が2026年10月1日以前に施行される場合は2026年10月1日、それ以外の場合は法の施行日と定めています。州政府も、電池の強制的な製品スチュワードシップ制度を2026年10月1日に開始すると発表していました。規則は、単3形・単4形などの小型電池、ボタン電池、5kg以下の取外し可能な充電式電池、電動自転車や電動キックボードなどの電動マイクロモビリティ機器用の充電式電池、5kg以下のモバイルバッテリーを「規制対象電池」と定め、これを州内で供給するブランド所有者に、回収・再資源化と安全に関する製品スチュワードシップ要件の遵守、記録の作成・保存、年次報告、行動計画の提出を求めます。州外から規制対象電池を州内での供給のために持ち込む者もブランド所有者に含まれるため、NSW州向けに電池または電池を内蔵する電動マイクロモビリティ機器を供給する輸入者・販売者は対象となりえます。年間の供給量が24kg未満のブランド所有者には、主要な義務の適用が除外されます。

背景

州政府の発表によれば、NSW州では2025年にリチウムイオン電池に関連する事故が332件記録されました。州政府は、電池による火災と汚染への対策として、電池の供給者に安全な回収と処分の費用負担を求める強制的な製品スチュワードシップ制度を導入するとしていました。本規則は、法に基づき、電池を最初の「規制対象製品」として定めるものです。

規制対象電池の範囲

対象となる電池

  • 次の形状の電池:単4形(AAA)、単3形(AA)、単2形(C)、単1形(D)、9ボルト、6ボルトのランタン用
  • ボタン電池またはボタン形セル電池
  • 重量5kg以下の取外し可能な充電式電池
  • 電動マイクロモビリティ機器(電動自転車、電動キックボード、セルフバランススクーター、電動スケートボード)の動力用の充電式電池
  • 重量5kg以下のモバイルバッテリー

電動マイクロモビリティ機器から規制対象電池を取り外すことが実際的でない場合は、機器そのものが規制対象電池とみなされます。

対象とならない電池

  • 鉛蓄電池
  • 携帯電話用の電池
  • ノートパソコンまたはタブレット端末用の電池
  • 非常用照明設備に組み込まれた予備電池

上記の対象に列挙されていない電池は、規制対象電池に当たりません。

義務を負う者

  • ブランド所有者:規則は、規制対象電池を州内での供給のために州内へ持ち込むことに責任を負う者を、ブランド所有者に含めています。製品名の所有者が州内で当該電池を供給しておらず、別の者が州内への持込みに責任を負っている場合、製品名の所有者はブランド所有者に当たりません。他者のために輸送(これに関連する倉庫保管を含む)のみを行う者は、持込みを行う者に当たりません。
  • 製品スチュワードシップ団体(PSO):規制当局と「スチュワードシップ管理協定」を締結する団体です。
  • 適用除外:会計年度における州内での規制対象電池の供給量が24kg未満のブランド所有者には、製品スチュワードシップ要件(第10条)および第2部第2節(記録、報告、行動計画)は適用されません。

製品スチュワードシップ要件

ブランド所有者の義務の内容は、供給する種類の規制対象電池について、規制当局とPSOとの間にスチュワードシップ管理協定があるかどうかで分かれます。

  • 協定がある場合:当該種類の電池を州内で供給するブランド所有者は、附則1に定める事項を達成する方法を定めた協定をPSOと締結していなければなりません。
  • 協定がない場合:ブランド所有者は、自ら附則1の要件を遵守しなければなりません。

附則1第1部(一般)

  • 合理的に実行可能な限り、循環経済の原則を促進する方法で、規制対象電池を回収、再資源化および再利用すること。
  • 合理的に実行可能な限り、家庭系・事業系・産業系の廃棄物としての処分や埋立処分を防止すること。
  • 合理的に実行可能な限り、回収される電池の数と、回収された電池からの材料の再資源化・再利用を最大化すること。再資源化は、州環境保護庁(EPA)が公表する「NSW電池製品スチュワードシップ再資源化基準」に従って行うこと。
  • 再資源化・再利用の仕組み、回収拠点の利用方法、規制対象でない電池の安全な処分について、消費者に情報を提供すること。

附則1第2部(安全要件)

  • 規制対象電池が、公衆と環境にとって安全な方法で回収、再資源化または処分されるよう、あらゆる合理的な措置を講じること。
  • 都市部と地方部の双方に、公衆が合理的に利用できる十分な数の回収拠点を設けること。回収拠点には、回収する電池の種類を表示すること。
  • 単独型の回収拠点は、公衆が容易に利用できる安全で見やすい場所にあり、屋根があり、換気が良く、直射日光と熱を避けた場所であること。店頭型の回収拠点は、合理的な営業時間中に公衆に開放されていること。
  • 回収容器は、電池以外の物の投入、湿気と熱、発火のリスクを抑え、火災が生じた場合に封じ込める設計とし、施錠等により無断の接触を防止できるものとすること。あわせて、危険物の道路・鉄道輸送に関するオーストラリアの基準に従って表示すること。

附則1第2部の要件は、法上の「安全要件」と位置づけられており、違反した場合の反則金の額が高く設定されています。

記録・報告・行動計画

記録の作成と保存(第12条)

ブランド所有者は、次の情報を含む記録を作成し、保存しなければなりません。

  • 自社の規制対象電池の安全な処分と再資源化について、消費者にどのように情報を提供したか。
  • 会計年度に州内で供給した規制対象電池の種類ごとの、総数、電池化学の種類別の数、総重量、電池化学の種類別の重量。電池化学の種類には、リチウムイオン、ニッケル・カドミウム、ニッケル水素などが含まれます。

年次報告(第14条)

  • PSOとの協定がなく、自ら責任主体となるブランド所有者は、年次報告に、供給した電池の数量・重量、消費者への情報提供の方法、行動計画に対する実績のほか、回収拠点で発生した電池火災の詳細、および公衆への啓発、回収・保管、再資源化に要した支出を記載しなければなりません。
  • PSOは、年次報告に加えて四半期ごとの報告を行います。

行動計画(第16条)

責任主体(協定がある場合はPSO、ない場合はブランド所有者)は、附則2に適合する行動計画を作成し、規制当局に提出しなければなりません。期限は次のとおりです。

  • PSOの場合:規制当局とスチュワードシップ管理協定を締結した後3か月以内
  • ブランド所有者の場合:法第12条(1)(a)に基づく規制当局への届出の後3か月以内、またはPSOとの協定の当事者でなくなった後3か月以内

行動計画には、廃棄物としての処分の防止策、十分な数の回収拠点の確保(障害のある人の利用を含む)、回収拠点に持ち込まれた対象外の物品の管理、消費者への周知方法、回収・再資源化の仕組みの財政的な持続可能性、オーストラリア国内での再資源化の支援方法などを記載します。

罰則

  • 規則は、環境保護に関する既存の規則を改正し、法の違反を反則通知の対象に加えています。製品スチュワードシップ要件の違反(法第10条(1))については、安全要件に係る違反の反則金が、初回で2,200豪ドルまたは8,800豪ドル、2回目以降で3,300豪ドルまたは13,200豪ドルとされています。その他の要件に係る違反、ならびに記録、報告、行動計画などに関する違反の多くは、初回で1,100豪ドルまたは4,400豪ドル、2回目以降で1,650豪ドルまたは6,600豪ドルです。
  • 州政府は、電池の供給者が義務を遵守しない場合、最大88万豪ドルの罰金が科されうると発表しています。

公開登録簿

法に基づく公開登録簿には、スチュワードシップ管理協定の詳細(PSOの名称、対象となる電池の種類、発効日、効力の有無)のほか、前会計年度に回収された電池の総重量、処分率、回収率、再資源化率、およびPSOの支出(啓発、回収・保管、再資源化)が掲載されます。これらの情報は、会計年度終了後の12月1日、または規制当局がPSOの年次報告を受領してから60日後の、いずれか遅い日までに掲載されます。

事業者に求められる対応

  • 該当性の確認:自社がNSW州で供給する電池、または電池を内蔵する電動マイクロモビリティ機器が規制対象電池に当たるか、自社がブランド所有者(州内への持込みに責任を負う者を含む)に当たるかを確認します。
  • 供給量の把握:会計年度の供給量が24kg未満かどうかを確認します。24kg以上の場合は、種類別・電池化学の種類別の数量と重量を記録できる体制が必要です。
  • PSOとの協定または自社での遵守:供給する種類の電池についてスチュワードシップ管理協定を締結したPSOがある場合はそのPSOと協定を締結し、ない場合は自ら附則1の要件を満たします。
  • 行動計画と年次報告:自ら責任主体となる場合は、届出の後3か月以内に行動計画を提出し、年次報告を行います。

規則の構成

  • 第1部 総則(名称、施行、定義、規制対象製品、適用)
  • 第2部 製品スチュワードシップ—規制対象電池(第1節 総則、第2節 PSOおよびブランド所有者の義務、第3節 雑則)
  • 附則1 製品スチュワードシップ—規制対象電池(第1部 一般、第2部 安全要件)
  • 附則2 行動計画および報告
  • 附則3 公開登録簿
  • 附則4 環境保護に関する既存規則の改正(反則通知の対象となる違反)

参考情報

NSW州法令データベース「Product Lifecycle Responsibility Regulation 2026」

https://legislation.nsw.gov.au/view/pdf/asmade/sl-2026-47

NSW州政府「NSW leads country on battery reform to fight fires and pollution」(2026年4月7日)

https://www.nsw.gov.au/ministerial-releases/nsw-leads-country-battery-reform-to-fight-fires-and-pollution

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