2026.10.30
スウェーデン|新製造物責任法案(Prop. 2026/27:12)を国会に提出、2027年1月1日施行案
スウェーデン政府(司法省)は2026年10月15日、新たな製造物責任法(produktansvarslag)の制定を盛り込んだ政府法案(Prop. 2026/27:12)を国会に提出しました。本法案は、欧州連合(EU)の新製造物責任指令(指令(EU) 2024/2853)を国内法化するもので、製品の安全上の欠陥によって損害を受けた者の保護を強化し、技術の発展に規則を適合させることを目的としています。政府は、ネットワークに接続された製品が普及する一方、現行の製造物責任規則の対象外となっている製品があると指摘しています。法案では、責任の対象となる「製品」にソフトウェア(単体のものを含む)を加えるほか、データの消失・破損による損害を賠償対象とし、製造者がEEA域外に所在する場合に責任を負う事業者の範囲を広げ、被害者の立証負担を軽減する規定を導入します。施行日は2027年1月1日とされ、現行の製造物責任法(1992:18)は廃止されます。
製品の範囲の拡大
- 「製品」にソフトウェア(単体で提供されるものを含む)と、デジタル製造ファイルが含まれます。
- 製品が意図どおりに機能するために必要な関連サービスは、製品の構成部品(コンポーネント)として扱われます。
- 商業活動の一環として開発・提供されていないフリー・オープンソースのソフトウェアは対象外です。
責任を負う事業者
- 第一に、損害を生じさせた製品の製造者、および欠陥が構成部品に起因する場合はその構成部品の製造者が責任を負います。
- 製造者がEEA域外に所在する場合、輸入者および製造者の代理人が責任を負い得ます。輸入者・代理人のいずれもEEA域内に存在しない場合は、フルフィルメントサービス事業者が責任を負い得ます。
- EEA域内に責任を負う者が特定できない場合は、流通業者が補充的に責任を負います。ただし、1か月以内に責任を負う者を示せば責任を免れます。
- 事業者との遠隔契約を可能にしたオンラインプラットフォーム事業者も対象となり得ます。ただし、プラットフォームが契約を仲介しているにすぎないことが明確な場合は、この責任を負いません。
- 製造者の管理外で製品に実質的な変更を加え、市場に提供または使用に供した者は、製造者として責任を負います。
賠償対象となる損害
- 人身損害
- 専ら業務目的で使用されていたものではない財産の損害
- 専ら私的目的で使用されていたデータの消失・破損による損害
損害を生じさせた製品自体の損害は賠償対象外です。
立証負担の軽減
- 製品安全要件への不適合、通常使用時の明白な機能不全、証拠等の開示命令に被告が従わない場合などには、製品の欠陥が推定されます。
- 損害の種類が欠陥と典型的に整合する場合などには、欠陥と損害との因果関係が推定されます。いずれの推定も、被告は反証により覆すことができます。
時効と経過措置
- 被害者が損害・欠陥・責任を負う事業者を知った、または知るべきであった時から3年、製品が市場に出された、または使用に供された時から10年で請求権が消滅します。潜伏性の人身損害は最長25年です。
- 施行日前に市場に出された、または使用に供された製品には、旧法が引き続き適用されます。
参考情報
スウェーデン政府「En ny produktansvarslag(Prop. 2026/27:12)」
https://www.regeringen.se/rattsliga-dokument/proposition/2026/10/prop.-20262712
政府法案本文(PDF)
https://www.regeringen.se/contentassets/971ec0eabafd48fd8d841f9d3a0a6eb9/2627001200webb.pdf
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