2026年7月30日、国家市場監督管理総局および国家標準化管理委員会は、強制性国家標準「GB 44721—2026 智能網聯汽車 自動運転システム安全要求(智能网联汽车 自动驾驶系统安全要求)」を公布しました。実施日は2027年7月1日です。本標準は、従来の推奨性国家標準「GB/T 44721—2024 智能網聯汽車 自動運転システム汎用技術要求」を強制性国家標準へ転換したもので、標準番号も「GB/T」から「GB」へ改められています。対象は3級(L3)および4級(L4)の運転自動化システムを装備するM類・N類車両で、自動駐車システムは適用対象外です。標準は、自動運転システム(ADS)そのものの技術要求にとどまらず、企業側の「保障要求」、その検証手続、安全ドキュメント(安全档案)の検査、確認試験、同一型式判定までを一体として規定しており、自動運転車両の中国市場への参入に関わる事業者に直接的な影響が生じます。工業情報化部が本標準の提出・帰口部門です。
標準の位置付けと構成
本標準は、ADSの技術要求、保障要求、同一型式判定を規定し、あわせて保障要求検査、安全ドキュメント検査、確認試験などの方法を定めています。2024年版からの主な技術的変更は次のとおりです。
- 適用範囲および用語・定義の変更、略語の追加
- 動的運転タスク(DDT)要求、ヒューマン・マシン・インタフェース(人機交互)要求、ユーザー告知要求の変更
- 保障要求検査(第7章)、安全ドキュメント検査(第8章)、同一型式判定(第10章)、標準の実施(第11章)を新設
- 高速道路・都市高速道路向けの3級自動運転機能の具体的技術要求(附属書B)、4級自動運転機能の具体的技術要求(附属書C)を新設
- 引継能力監視(接管能力監測)の技術要求を附属書Aへ整理・変更
事業者が押さえるべき実施スケジュール
第11章「標準の実施」は、適用開始の時期を車型の状態に応じて区分しています。
- 新たに型式承認(型式批准)を申請する車型:本標準の実施日から適用
- 既に型式承認を取得している車型:本標準の実施日から起算して13か月目より適用
すなわち、既存車型についても猶予は約1年にとどまり、2027年7月1日を起点とした対応計画が必要になります。
技術要求と保障要求の要点
技術要求(第5章)は、動的運転タスクの実行、ヒューマン・マシン・インタフェース、ユーザー告知などから構成されます。附属書Aは、L3機能で必要となる後援ユーザー(バックアップユーザー)の引継能力の監視について、次のような具体的要求を置いています。
- シートベルト着用の継続監視。未着用であれば介入要請(介入請求)を発すること
- 運転席への着座の継続監視。運転席を離れた状態が1秒を超えた場合は介入要請を発すること
- 直前の周期(30秒以下)において、後援ユーザーがDDTを実行する能力を有することを2種類以上の有効な指標で独立して確認すること。指標が2種類に満たない場合、または能力がないと判定された場合は、能力不足の提示信号を直ちに発し、回復が確認できないときは提示信号の発出から15秒以内に介入要請を発すること
また、安全ドキュメント(安全档案)は、ADSが本標準の技術要求に適合し、ユーザーおよび他の道路利用者に不合理なリスクを与えないことを、声明・論証・証拠の構造をもって示す文書と定義されています。実車試験結果、シミュレーション試験結果、裏付けデータを伴う分析などが証拠として例示されており、車両メーカーは設計段階から検査に耐えうる形で安全性の論証を文書化しておく必要があります。
参考情報
国家標準全文公開システム(国家市場監督管理総局・国家標準化管理委員会)「GB 44721—2026 智能网联汽车 自动驾驶系统安全要求」
https://openstd.samr.gov.cn/bzgk/std/newGbInfo?hcno=B86592BE40CD4694294CC5B254ACF651
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