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ARTICLE 2026.09.12

米国|国家道路交通安全局、中大型車エンジン燃費規制の撤廃へ

公開日
2026.09.12

2026年08月28日、米国運輸省国家道路交通安全局(NHTSA)は、中大型商用車の燃費規制について、エンジン単体を独立して規制する従来の枠組みには法的根拠がないとする解釈規程(interpretive rule)を公表しました。同規程は2026年08月31日付の連邦官報(91 FR 55788、文書番号2026-17756)に掲載され、同日発効しています。解釈規程であるため、公開意見募集の手続は行われていません。NHTSAは、エネルギー独立・安全保障法(EISA、49 U.S.C. 32902)が同局に与えた権限は「車両」の燃費を規制することに限られ、エンジンや変速機、タイヤといった部品単体を規制する権限は与えられていないとの立場を示しました。規制の対象を完成車に集約し、燃費目標の達成手段の選択を製造事業者の設計判断に委ねる方針への転換を意味します。中大型商用車およびそのエンジンを製造・輸入する事業者にとって、今後の規制の枠組みが大きく変わる可能性がある動向です。

解釈の内容

  • EISAは商用車の燃費プログラムの対象を明示的に「車両」と定めており、部品単体を規制する権限の根拠とはならない、というのが今回の解釈です。
  • 比較の対象として、大気浄化法(Clean Air Act)は環境保護庁(EPA)に対して「エンジン」の排出基準を設定する権限を明示的に与えている点が挙げられています。
  • 連邦最高裁のLoper Bright Enterprises v. Raimondo判決、および非車両部品の燃費を規制する権限がないとした連邦控訴裁判所(D.C.巡回区)の判断を踏まえたものと説明されています。

対象となる範囲

  • 見直しの対象は、Phase 1(2016年以降)およびPhase 2(2021年以降)で設定された中大型商用車用エンジンの個別基準です。
  • 対象車両は、車両総重量10,000ポンド以上の商用中大型車、および8,500〜10,000ポンドの作業用トラック(work trucks)です。
  • 軽乗用車を対象とするCAFE基準は今回の解釈の対象外であり、同局の権限が及ぶことが改めて確認されています。

事業者への影響と今後の予定

  • 今回の解釈規程それ自体は既存の基準値を変更するものではありません。基準の改廃は、今後実施される意見公募手続を伴う規則制定(notice-and-comment rulemaking)によって行われる予定です。
  • 今後の規則制定では、車両基準の調整の要否、エンジン基準の廃止に伴う代替的な基準設計、および2027年モデルイヤーから適用されるEPAのNOx排出基準(2023年基準)との関係が検討課題として挙げられています。
  • 規則制定が完了するまでの間、NHTSAは今回の解釈に沿って執行権限を行使するとしています。エンジン単体の基準については執行が事実上見送られる一方、完成車に係る現行基準の遵守が不要になるわけではない点に留意が必要です。

参考情報

連邦官報(Federal Register)「Resetting NHTSA’s Fuel Economy Program: Commercial Medium- and Heavy-Duty On-Highway Vehicles and Work Trucks」

https://www.federalregister.gov/documents/2026/08/31/2026-17756/resetting-nhtsas-fuel-economy-program-commercial-medium–and-heavy-duty-on-highway-vehicles-and-work

国家道路交通安全局(NHTSA)報道発表「Trump’s Transportation Department Moves to Reverse Illegal Obama-Era Rule Unfairly Restricting American Engine Manufacturing」

https://www.nhtsa.gov/press-releases/truck-engine-fuel-efficiency-rule-reversed

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