2026.10.21
マレーシア|2027年度予算案を国会に提出、最低賃金を2027年6月からRM2,000に引き上げ
2026年10月9日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相兼財務相は、2027年度予算案を国会下院に提出し、予算演説を行いました。テーマは「第5次マダニ予算」で、事業者に関係する施策として、最低賃金を月額RM1,700からRM2,000に引き上げる方針を表明しました。新たな最低賃金は2027年6月から適用され、400万人超の労働者が恩恵を受けるとしています。ただし、年間売上高RM5,000万未満の零細・中小企業(MSME)は、ビジネスモデルを調整する余地を与えるため適用除外とされます。このほか、MSME以外の企業が給与費用を税務上控除(損金算入)できるのは銀行口座等を通じて支払った場合に限るとする措置、MSME向け法人所得税率の1ポイント引き下げ、グローバル・サービス・ハブ(GSH)向け優遇税率の拡充、電子商取引法案の提出予定、商用車へのテレマティクス搭載義務化など、企業活動に影響する施策が多数盛り込まれました。
最低賃金の引き上げ
- 引き上げ幅:月額RM1,700→RM2,000
- 適用開始:2027年6月(対象は400万人超の労働者)
- 適用除外:年間売上高RM5,000万未満のMSME
- 今後の方向性:半熟練労働者・大卒者を対象に月額RM2,500の最低賃金を設ける改革方針も示されました。
給与支払と税務上の取扱い
- MSME以外の企業は、給与を銀行口座または認められたキャッシュレス手段で支払った場合に限り、給与費用を税務上控除(損金算入)できるとされました。
法人向け税制措置
- MSMEの法人所得税率を1ポイント引き下げ:課税所得の最初のRM15万までは15%→14%、RM15万1~60万は16%に
- GSH:2027年1月1日から優遇を拡充し、新設企業のGSH活動所得に5%の優遇税率を適用。既存の統括会社・GSH企業は基準額を超える所得に5%を適用。優遇期間は5年単位で最長30年まで延長可能
- グリーン技術・EV充電設備:最大100%の投資税額控除(ITA)を2030年12月31日まで延長
- 国内製造の機械やICT機器・ソフトウェアに対する加速償却(ACA)を2030年12月31日まで延長。少額資産の基準額をRM3,000に、MSME以外の企業の請求上限をRM3万に引き上げ
その他の事業者関連施策
- 電子商取引法案:外国の電子商取引プラットフォームによる不公正な競争に対応するため、次期国会会期に提出予定
- 商用車:速度・位置・危険運転を監視するテレマティクスの搭載を義務化する方針。2027年中は任意での導入を進めます。
- Category I雇用パス保有者の配偶者(帯同者パス保有者)は、2027年1月1日から条件付きで就労可能に
参考情報
マレーシア財務省「2027年度予算演説(Budget 2027 Speech)」:https://belanjawan.mof.gov.my/pdf/belanjawan2027/ucapan/bs27.pdf
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