2026.10.23
スペイン|B2B電子インボイスの公的基盤を定める省令HAC/1028/2026を公布
2026年10月5日、スペイン財務省は、事業者間(B2B)取引における電子インボイス(電子請求書)の義務化に関し、税務庁(AEAT)が開発・運営する「公的電子インボイスソリューション」の技術的・機能的要素を定める省令HAC/1028/2026(2026年10月2日付)を官報(BOE)で公布しました。同省令は、2026年3月25日付の勅令238/2026の委任に基づく細則で、インボイスのデータ形式(欧州規格EN 16931、UBL構文)、民間プラットフォームを利用する場合に公的ソリューションへ送信する「真正写し」の要件、インボイスの状態・支払情報の報告方法、民間プラットフォーム事業者の義務などを定めています。同省令は公布翌日の2026年10月6日に施行され、これにより、法律18/2022最終規定第8および勅令238/2026経過規定第1〜第3等に定める義務適用までの期間の起算が開始しました。スペイン国内に拠点を持つ事業者を顧客とする企業は、インボイスの発行・受領や支払報告の体制整備が求められます。
対象と制度の仕組み
- 適用範囲は勅令238/2026第3条によります。インボイス発行義務を負う事業者・専門職は、スペイン国内に事業の本拠、恒久的施設または住所・常居所を有する事業者・専門職を相手方とする取引について、電子形式でインボイスを発行する必要があります。
- 事業者は、民間のインボイス交換プラットフォーム、公的ソリューション、または両者の併用によりインボイスを送受信します。
- 公的ソリューションは主に中小企業や個人事業者向けの基本的な代替手段と位置付けられ、利用は無料です。
インボイスと真正写しの技術要件
- 公的ソリューションで発行・相互接続するインボイスは、EN 16931の意味モデルとUBL構文に準拠し、附属書Iの項目を含める必要があります。他のファイルの埋め込みは認められません(相互接続時の電子署名の添付は可)。
- 公的ソリューションを利用しない事業者のシステムは、各インボイスの発行と同時に、UBL構文の真正写しを公的ソリューションへ送信しなければなりません。写しは附属書Iの「写し表示」欄で識別します。公的ソリューションで発行・相互接続したインボイスは当局が即時に利用できるため、写しの送信は不要です。
- 各インボイスには、発行者の納税者番号(NIF)、シリーズ・番号、発行日を連結した固有コードが付されます。
- AEATが構文・意味の検証を行い、受理または拒否の応答を返します。重複送信は拒否され、拒否された写しは原因を是正して再送する必要があります。
支払・状態情報の報告
- インボイスの受領者は、インボイスの拒否、全額支払日、支払期日を報告する必要があります。物品受領日等の報告は任意です。拒否や訂正インボイスがない場合、インボイスは受理されたものと推定されます。
- 発行者は、入金・未払いに関する情報を任意で報告できます。
民間プラットフォーム事業者の義務
- 公的ソリューションを介してインボイスを交換する民間プラットフォームは、顧客が受領したインボイスを自動で回収し、保存義務の履行のため顧客に即時に提供する必要があります。
その他の規定
- AEAT側の技術的理由で24時間超利用できない場合、インボイス・写し・支払情報は、障害解消後4営業日以内に送信できます。
- 公的ソリューションは、同省令の最初の実効適用の少なくとも2か月前までに利用可能とされます。
参考情報
スペイン官報(BOE)「Orden HAC/1028/2026, de 2 de octubre, por la que se regula la solución pública de facturación electrónica」:https://www.boe.es/diario_boe/txt.php?id=BOE-A-2026-20587
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