米国|NHTSA、自動運転車向けに灯火装置基準の改正を提案
2026年10月23日、米国運輸省(DOT)国家道路交通安全局(NHTSA)は、灯火装置に関する連邦自動車安全基準(FMVSS)第108号を改正する規程案策定通知(NPRM)を公表しました。自動運転システム(ADS)のみで走行するよう設計され、手動の運転操作装置を備えない車両について、方向指示器、非常点滅表示灯、前照灯のビーム切替えの手動操作要件を見直すほか、ADSによる走行中であることを周囲に示す任意装備の「ADSマーカーランプ」(シアン色)の仕様を定めます。あわせて、一体型前照灯の12.8V固定での試験要件の見直しや、前照灯を上下に配置する場合の配置順の規定の削除も盛り込まれています。NHTSAは、手動操作装置を持たない車両にとって不要な規制負担への対応を図るものとしており、本提案はNHTSAの自動運転車(AV)フレームワークの一環と位置付けられています。意見募集期間は、連邦官報掲載後30日間です。
主な改正内容
手動操作装置を持たない車両の操作要件
- 方向指示器操作装置について、ステアリング操作による自動解除・手動解除の要件を、手動の運転操作装置を備える車両のみに適用します。手動操作装置を持たない車両も方向指示器操作装置を備える必要がありますが、手動式である必要はありません。
- ビーム切替装置の手または足による操作要件も、手動操作装置を備える車両のみに適用します(切替手段自体は引き続き必要)。
- 非常点滅表示灯操作装置の定義中の「運転者(driver)」を「操作者(operator)」に置き換え、人間とADSの双方による操作を対象とします。
- 方向指示器・ハイビームの表示灯(テルテール)の要件を手動操作装置を備える車両に限定します。方向指示器の表示灯を持たない車両には、すべての指定着座位置から視認できる代替の灯火故障表示灯が求められます。
ADSマーカーランプ
- 乗員が道路を監視することを前提とせずに車両が走行していることを示す灯火として定義し、装備は任意とします。装備する場合は1台当たり4〜8個とします。
- 色はSAE J578で定めるシアン色(青緑色)とし、常時点灯とします。
- 前方・側方・後方のそれぞれから少なくとも1個が視認できるよう配置し、取付高さは15インチ以上とします。車内・車外いずれへの取付けも可能です。
- 他の灯火や反射器との光学的な組合せは認めません。
- 提案は業界規格SAE J3134(2025年12月版)におおむね沿っていますが、配光性能や光学的組合せ等で異なる点があります。
前照灯に関する見直し
- 一体型前照灯は、12.8Vではなく製造者が定め灯火に表示した電圧で試験します。これにより、LED等の先進的な灯火を設計電圧で認証できるようになります。交換式電球や密閉型前照灯は12.8Vでの試験を維持します。
- 前照灯を上下に配置する場合にロービームをハイビームより上に置くとする規定を削除します。取付高さの上限・下限や水平配置の要件は変わりません。
発効時期と州法との関係
- NHTSAは、改正はいずれも製造者に柔軟性を与えるものでリードタイムは不要として、採択された場合は直ちに発効させることを提案しています。
- NHTSAは、本提案と異なるカリフォルニア州のADSマーカーランプに関する州法の規定は連邦法により専占されるとの暫定的な見解を示しています。
参考情報
米国国家道路交通安全局(NHTSA)プレスリリース:https://www.nhtsa.gov/press-releases/vehicle-lighting-updates-automated-vehicles
米国国家道路交通安全局(NHTSA)規程案策定通知「Modernization of FMVSS No. 108 to Accommodate ADS-Equipped Vehicles」:https://www.nhtsa.gov/node/144326
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