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2026年9月2日、米国税関国境警備局(CBP)は、連邦官報に「Heightened Import Disclosures for Supply Chain Visibility」と題する規則制定事前通知(ANPRM)を掲載しました(91 FR 56408、文書番号2026-17926、案件番号USCBP-2026-1058、RIN 1685-AA47)。対象となる規則は19 CFR Part 141、142、143および163です。意見の提出期限は2026年12月1日です。CBPは、輸入者に対し外国税関へ提出した輸出関連書類の提出、製造者・荷送人・販売者を特定するグローバル事業者識別子(GBI)の申告、およびサプライチェーン追跡技術の活用を求めることを検討しており、これらは将来的に輸入申告および記録保存の義務として課される可能性があります。大統領令14411「Strengthening Customs Enforcement」(2026年6月3日署名)に基づく措置です。
検討されている開示事項
外国の輸出関連書類
CBPは、外国の輸出者が現地税関当局に提出した書類の提出を求めることを検討しています。具体的に挙げられているのは次の書類です。
- 申告価格・分類・数量を示す輸出申告書
- 取引価格を反映した商業送り状
- 内容物と重量を確認する梱包明細
- 原産地証明書
- 規制対象品目の輸出許可・許可証
- 船荷証券、航空運送状などの運送書類
関係当事者の特定
- 現行の製造者識別コード(MID)に代えて、企業の正式名称・所在地といった実際の識別情報を求めることを検討
- D-U-N-S番号、GLN、LEI、Altana IDなどのグローバル事業者識別子(GBI)により、サプライチェーン上の各主体とその役割を特定することを検討
技術的手段
- 人工知能を用いたサプライチェーン追跡技術の活用
- 自動商業環境(ACE)との連携
- サイバーセキュリティおよびデータの完全性に関するCTPAT(税関・国境保護局対テロパートナーシップ)要件の拡充
適用範囲と提出時期
ANPRMの段階では適用範囲は確定していません。CBPは、要件を全輸入に一律に課すか、無作為抽出とするか、輸入申告の種別・品目・原産国・輸送手段ごとに段階的に導入するかを問うています。小規模事業者、外国の輸入者、CTPAT参加者、大量申告者に異なる時期を設けることや、重要医療品およびその主要投入財を適用除外とすることも論点とされています。
提出時期についても、外国の輸出関連書類を輸入申告(entry)もしくは申告要約(entry summary)の一部として提出させるのか、記録保存義務にとどめるのか、GBIを申告時と申告要約時のいずれで収集するのか、より早い提出期限を設けるべきかが問われています。
根拠法令
CBPは、19 U.S.C. 1484および1485(申告書類・情報の要求権限)、1431(運送業者の積荷目録)、1508(記録保存義務)、1509(検査・監査権限)、1624(規則制定権限)、および6 U.S.C. 961〜965(CTPATの根拠)を挙げています。
事業者への示唆
ANPRMは規則案の前段階であり、直ちに義務を生じさせるものではありません。もっとも、検討事項は米国向け輸出を行うサプライヤーとその取引先に広く及びます。とりわけ、外国税関へ提出した書類を米国の輸入者へ引き渡す体制の有無、GBIの取得状況、供給元の階層をどこまで把握しているかは、規則化された場合に即座に課題となります。CBPは、こうした書類の入手に要する期間や費用、追跡技術の導入費用についても意見を求めており、実務上の負担を具体的に示す機会となります。
参考情報
Federal Register「Heightened Import Disclosures for Supply Chain Visibility」(91 FR 56408、Docket No. USCBP-2026-1058、RIN 1685-AA47)




