2026年09月03日、欧州連合官報に委任規則(EU)2026/1214が掲載されました。本規則は、いわゆるEuro 7を定める規則(EU)2024/1257の附属書IIIの表4「ブレーキ粒子排出限度値の遵守を確認するための試験条件」を差し替えるものです。従来、乗用車・小型商用車のブレーキ粒子排出試験は国連の世界技術規則(UN GTR)第24号に基づくものとされていましたが、これを国連規則第179号(軽量車両のブレーキ排出の実験室測定)に置き換えます。欧州委員会による採択は2026年06月09日で、官報掲載の20日後にあたる2026年09月23日に発効します。対象となる車両の型式認証を取得する事業者は、ブレーキ粒子排出試験の根拠規則が変わるため、試験手順および試験機関との取決めの見直しが必要になります。
改正の内容
改正は第1条の一文のみで、「規則(EU)2024/1257の附属書IIIは、本規則の附属書に従って改正される」と定めています。附属書では、規則(EU)2024/1257の附属書IIIの表4が差し替えられ、車両区分M1およびN1のブレーキ粒子排出試験について、「軽量車両のブレーキ排出の実験室測定に関する国連規則第179号に従った試験」と規定されました。脚注では、当該国連規則を「軽量車両のブレーキ排出の実験室測定に関する認可についての統一規定(UN Regulation No 179)[2026/1044]」として特定しています。表4は、M1・N1と、M2・M3・N2・N3の各車両区分を区別する構成となっています。
国連規則第179号へ置き換える理由
前文では、置き換えの理由が次のとおり説明されています。
- 国連規則第179号は、PM10、PM2.5および粒子数の測定精度の向上を含む技術の進展を反映していること
- 排出低減用のフィルター技術についての試験にも対応していること
- 同規則が軽量車両の区分を包括的に対象としており、M1およびN1の車両区分ならびにEuro 7extの車両に適用されるべきであること
スケジュール
- 欧州委員会による採択:2026年06月09日
- 欧州連合官報への掲載:2026年09月03日
- 発効:2026年09月23日(官報掲載の20日後)
本規則は委任規則であり、第2条により「全体として拘束力を有し、すべての加盟国において直接適用される」と定められています。加盟国による国内法化の手続を要しません。
事業者への影響
- 誰が:EUで乗用車(M1)および小型商用車(N1)の型式認証を取得する自動車製造事業者、ならびにブレーキ、摩擦材、ブレーキダスト捕集フィルターを供給する事業者
- いつから:2026年09月23日
- 何を:ブレーキ粒子排出試験を、UN GTR第24号ではなく国連規則第179号の手続に整合させること。試験機関の対応状況の確認、試験計画および社内の試験仕様の更新が実務上の検討事項となります
なお、本委任規則はブレーキ粒子排出の試験条件を定める規定を差し替えるものであり、規則(EU)2024/1257が定める排出限度値そのものや、その適用開始日を変更するものではありません。
参考情報
欧州連合官報「Commission Delegated Regulation (EU) 2026/1214 of 9 June 2026 amending Regulation (EU) 2024/1257 of the European Parliament and of the Council as regards conditions for testing compliance with brake particle emission limits」


