米国|EPA、医薬品やPFASなど1,000種類以上の汚染物質の検出を行う探索研究の実施を開始
2026年09月09日、米国環境保護庁(EPA)は、飲料水に含まれる可能性のある汚染物質の把握を進めるため、最先端の手法を用いた新たな科学的研究を開始すると発表しました。EPAの科学者が従来の試験法の枠を超えて、医薬品、PFAS、その他1,000種類を超える潜在的な汚染物質を幅広くスクリーニングします。用いるのは「ノンターゲット分析(Non-Targeted Analysis)」と呼ばれる手法で、飲料水の試料に含まれる未知の汚染物質を特定できるとされています。EPAは、得られた知見を、飲料水の安全を確保するための今後の措置の優先順位付けに役立てるとしています。現時点で事業者に新たな義務を課すものではありませんが、医薬品、PFAS、マイクロプラスチックなどに関する今後の飲料水規制の方向性を左右しうる動きです。
研究の概要
- 手法:ノンターゲット分析。従来の分析法が一度に少数の特定の化学物質を測定するのに対し、数千の潜在的な汚染物質を走査できます
- 対象:医薬品、PFASを含む1,000種類超の潜在的な汚染物質
- 目的:飲料水中に存在しうる汚染物質についてのEPAの理解を深め、今後の措置の優先順位付けに活用すること
安全飲料水法に基づく既存の取組みとの関係
EPAは、今回の研究が安全飲料水法(SDWA)に基づく既存のプログラムを補完するものと位置づけています。
- 第6次汚染物質候補リスト(CCL 6)案:2026年春に公表。規制されていない汚染物質の潜在的な健康リスクを把握するため、資金、研究、情報収集の優先順位付けに用いられます。EPAは今回初めて、マイクロプラスチックと医薬品の双方を優先汚染物質群に指定しました
- 第6次未規制汚染物質モニタリング規程(UCMR 6)案:2026年06月に提案。既存の承認済みの方法を用いて、30種類の未規制汚染物質のモニタリングを義務づける内容です
- ノンターゲット分析は、汚染物質候補リストと未規制汚染物質モニタリングの手続では対応できない空白を埋めるものとされています
事業者への示唆
- 今回の発表は研究の開始であり、事業者に直接の義務は生じません
- 研究の結果は、EPAが今後どの物質を優先して扱うかの判断材料となります。医薬品、PFASなどを製造・使用・排出する事業者や水道事業者は、CCL 6およびUCMR 6の手続とあわせて動向を把握しておくことが有用です
参考情報
米国環境保護庁(EPA)ニュースリリース「EPA Launches Cutting-Edge Scientific Study to Strengthen Nation’s Understanding of Potential Pollutants in Drinking Water」
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