2026年10月13日、米国食品医薬品局(FDA)は、食品の定義・規格(Standards of Identity、SOI)のうち食塩(塩化ナトリウム)を必須または任意の原材料として定める規格を改正し、ナトリウム含有量を低減するため、規格食品において安全かつ適切な食塩代替物の使用を認める最終規程を連邦官報で公布しました。80の規格を直接改正し、これらを相互参照する59の規格と合わせて、計139の規格で食塩代替物の使用が可能となります。本規程は2026年12月14日に発効します。食塩代替物は規格のない食品ではすでに使用できますが、食塩を含む規格の多くは食塩代替物の使用を認めておらず、規格食品の減塩を図る製造者にとって制約となっていました。本規程は、規格食品の基本的性質と本質的特性を維持しつつ、減塩製品の開発に向けた柔軟性を製造者に与えるものです。
規程の主な内容
食塩代替物の定義
- 連邦規則集(CFR)第21編第130部に新たなサブパートC「規格食品における柔軟性」を設け、第130.30条「規格食品における原材料の柔軟性」で食塩代替物を定義します。
- 食塩代替物とは、添加された食塩の一部または全部を置き換えてナトリウムを低減するために使用され、食品中で食塩の機能を果たす、安全かつ適切な原材料(またはその組合せ)をいいます。
- 代替として使用する原材料は、食品の基本的性質と本質的特性を変えるものであってはなりません。
- 特定の食塩代替物は列挙されず、カリウム系原材料にも限定されません。香料、風味増強剤、ミネラル塩も要件を満たせば該当し得ます。
- 食塩の最低置換率や、食塩代替物を使用した規格食品のナトリウム含有量は定められていません。
対象となる主な規格食品
- 発酵乳、サワークリーム、エッグノッグ、チェダーやモッツァレラ等のチーズ類
- パン・ロールパン・バンズ、セルフライジング小麦粉、マカロニ・麺製品
- 野菜・果実の缶詰、トマト加工品、ケチャップ、ツナ等の魚介缶詰
- チョコレート類、マーガリン、シロップ類、マヨネーズ、サラダドレッシング
事業者への影響
- 食塩代替物の使用は任意であり、使用しない製造者に新たな要件は生じません。
- 本規程は、連邦食品・医薬品・化粧品法第409条に基づく食品添加物としての承認を与えるものでも、その適用を除外するものでもありません。未承認の食品添加物を含む食品は不良食品とされます。
- 新たな表示要件は設けられませんが、既存の表示要件が適用されます。食塩代替物は原材料表示において一般的または通常の名称で表示する必要があり、「食塩代替物」を集合名として用いることは認められません。
- 食塩代替物が主要食品アレルゲンであるか、これを含む場合は、アレルゲンの表示も必要です。カリウム系原材料で食塩を置き換えた場合は、栄養成分表示でのカリウム量の表示が必要です。
- 第131部・第133部の乳製品の規格に関する改正には、2026年11月12日まで異議申立てと公聴会の請求ができます。適切な異議申立てにより、当該規定の効力が停止される場合があります。
経緯
- FDAは2023年4月10日に規程案を公表し、120件を超える意見が寄せられました。最終規程は、第130部に置く単一の定義を各規格に適用する「横断的アプローチ」を維持しています。
参考情報
連邦官報(2026年10月13日):https://www.federalregister.gov/documents/2026/10/13/2026-20848/use-of-salt-substitutes-to-reduce-the-sodium-content-in-standardized-foods
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