2026年08月05日、米国ニューヨーク州のホークル知事は、ニューヨーク市内の冷却塔(cooling tower)の検査を強化する法律(S08472-A/A09058A)に署名しました。この法律により、市内で冷却塔を所有・運用する事業者は、年2回(1月および7月)、冷却塔の検査、試験、清掃、消毒をニューヨーク市行政法典に従って実施したことを証明することが求められます。あわせて、維持管理上の不備が判明した場合は48時間以内、健康への重大な脅威が確認された場合は24時間以内に対応することが定められ、違反に対する民事罰も引き上げられました。オフィスビル、ホテル、商業施設、工場など、空調・冷却設備として冷却塔を備える建物を保有・管理する事業者が広く関係します。
対象となる事業者
対象は、ニューヨーク市内の冷却塔の所有者および運用者です。自社ビルを保有する事業者に加え、建物の管理・運営を受託する事業者も、実際の維持管理と証明の実務を担う立場として関係します。
年2回の検査・証明義務
建物側は、冷却塔が「inspected, tested, cleaned, and disinfected in compliance with the New York City Administrative Code(ニューヨーク市行政法典に従って検査、試験、清掃、消毒された)」ことを証明する必要があります。
- 証明の時期は毎年1月および7月の年2回
- ニューヨーク市建築局(Department of Buildings)が別途日程を定めた場合は、その日程による
不備が判明した場合の対応期限
期限が明確に区切られている点が今回の強化の中心です。
- 維持管理上の不備:可能な限り速やかに、遅くとも48時間以内に是正すること
- 健康への重大な脅威:可能な限り速やかに、遅くとも24時間以内に、市建築局へ通知し、微生物の水準に対処すること
違反した場合の民事罰
- 初回の違反:2,500ドル
- 2回目以降の違反:7,000ドル
- 死亡または重傷を生じさせた違反:最大12,500ドル
背景
冷却塔は、レジオネラ症(Legionnaires’ disease)の原因となるレジオネラ属菌が温水中で増殖し、エアロゾル化した水蒸気を介して拡散する経路となり得ます。同疾患は発熱、悪寒、筋肉痛、咳といったインフルエンザ様の症状を伴う肺炎として現れ、死に至る場合もあります。今回の法律は、検査の頻度と是正の期限を法定化することで、こうした健康リスクの発生を抑えることを目的としています。なお、公表資料では法律の施行日は明示されていません。
参考情報
Governor of New York|Pressroom
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