2026.10.12
米国|通商代表部、EUの炭素国境調整措置が米国の貿易に及ぼす影響で意見募集
2026年10月08日、米国通商代表部(USTR)は、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)およびその対象を拡大する案が米国の貿易に及ぼす影響について、連邦官報で意見募集を開始しました。米国の生産者(中小の生産者を含む)、労働者、輸出、米EU間の貿易全体に対する現在の影響と、対象拡大案による影響に加え、影響を是正するための執行措置が適切かどうかも問うています。寄せられた意見は、CBAMに関するUSTRおよび米国政府のEUとの協議の参考とされます。意見提出の期限は2026年11月9日午後11時59分(米国東部時間)です。
通達が説明するCBAMの概要
- 根拠は規則 (EU) 2023/956で、対象分野はアルミニウム、セメント、電力、肥料、水素、鉄鋼です。
- EUの輸入者は、輸入品に体化された排出量を申告し、CBAM証書を購入する必要があります。
- 輸入者は外国の生産者から排出量データを入手する必要があり、企業単位のデータがない場合はEUのデフォルト値を用いることができます。企業単位のデータは、EUが認定した第三者検証機関による検証を要します。
- 本格的な適用段階は2026年1月1日に始まりました。輸入者による支払いは2027年9月まで求められませんが、2026年1月1日以降に輸入された対象製品には、既に金銭的な義務が生じています。
対象拡大案の状況
- 欧州委員会の提案(2025年12月):鉄鋼製品の対象を追加し、鉄鋼・アルミニウムを多く用いる100超の川下製品を対象とする新たな分野を設けるもので、迂回防止の規定も含みます。
- EU理事会の立場(2026年6月):欧州委員会の提案に加えて300超の製品を追加
- 欧州議会の立場(2026年9月15日):現行の対象に加えて約400の製品を追加
- 今後、3機関による交渉を経て正式に承認される必要があり、2026年中となる可能性があるとされています。
意見を求める事項
- CBAMが、米国の生産者、労働者、直接・間接の輸出、米EU間の貿易全体について、費用、規制上の負担、EU市場へのアクセスに与えている現在の影響
- 上記3つの対象拡大案が、同じ対象に与えうる影響
- CBAMおよび対象拡大案が、EUまたは第三国の企業と比べて米国企業を不利または有利に扱うかどうか
- CBAMの悪影響を是正するために、どのような執行措置が適切か
あわせて、遵守上の具体的な課題、経済分析やデータ、製品別の貿易額、失われた販売機会、雇用への影響、生産者の規模・所在地などの情報の提供も求めています。
提出時の留意点
- 提出は英語で行います。
- 営業上の秘密情報を含む場合は、その旨の証明と、各ページ上部への「BUSINESS CONFIDENTIAL」の表示、および公開用の版の提出が必要です。適正に指定された営業上の秘密情報を除き、提出物はすべて公開されます。
米国向けの措置ではありませんが、EU向けに対象製品を輸出する事業者や、米国の川下製品の製造者と取引のある事業者にとっては、米国政府の今後の対応を把握する手がかりとなります。
参考情報
連邦官報(Federal Register) USTR「Request for Comments on the Effect of the EU’s Carbon Border Adjustment Mechanism (CBAM) and Proposals to Expand Its Coverage on U.S. Trade」(文書番号 2026-20615、2026年10月8日付)
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