2026年9月30日、中国江蘇省の第14期人民代表大会常務委員会第25回会議は、「江蘇省建物使用安全管理条例」(原語:江苏省房屋使用安全管理条例)を可決しました。同条例は、省内にある建設済みの各種建物の使用安全とその監督管理を対象としています。建物の所有権者等を「建物使用安全責任者」と位置付け、日常の維持管理と安全点検、規定に基づく建物安全鑑定などの義務を課しています。また、主要構造・耐力構造の無断変更や、設計基準を超える荷重の増加・荷重種類の変更などを禁止し、違反には罰金を科します。自ら建てた建物を生産経営に利用する場合の安全鑑定義務や、危険建物を事業用に使用・賃貸することの禁止など、事業者に関わる規定も含まれています。条文は同年10月14日に同常務委員会のウェブサイトで公表されました。条例は2027年1月1日から施行されます。
建物使用安全責任者と主な義務
- 建物の所有権者が建物使用安全責任者となります。国有・集団所有の建物では管理者が、管理者がいない場合は使用者が責任者となります。
- 責任者は、計画・設計上の用途に従った使用と内装、日常の維持管理と安全点検、安全上の問題への防止措置、規定に基づく建物安全鑑定などの義務を負います。
- 管理を物業サービス企業などに委託できますが、委託を理由に責任を免れることはできません。
- 人員密集場所(学校、病院、商業施設、ホテル、飲食店、公共娯楽施設など)の責任者は、外壁、外窓、屋根、空調室外機の架台などについて、年1回以上の安全点検を行い、記録を作成・保存する必要があります。
禁止行為と内装工事の手続
- 基礎、梁、柱、床板、耐力壁、外壁などの主要構造・耐力構造を無断で変更すること、設計基準を超えて荷重を増やしたり荷重の種類を変えたりすることなどは禁止されます。
- 内装工事で構造や荷重を変更する必要がある場合は、着工前に、元の設計者または相応の資格を持つ設計者に設計案を作成させ、施工図設計文書を用意する必要があります。施工許可、または審査機関による施工図審査を経なければ施工できません。
- 区分所有建物では、手続の前に全区分所有者による共同決定が必要です。また、内装工事は着工前に登記する必要があります。
建物安全鑑定の義務
次のいずれかに該当する場合、責任者は建物安全鑑定を委託しなければなりません。
- 明らかな傾斜・変形、主要構造の亀裂や不均等沈下などがあり、使用を続ける場合
- 設計上の使用年限を超えて使用を続ける場合
- 人員密集場所の建物で、実際の使用年数が設計上の使用年限の3分の2に達した場合
- 自ら建てた建物を生産経営や公益事業に利用する場合
鑑定で危険建物と判定された建物は、生産経営や公益事業の場所として使用することも、居住用に賃貸することも禁止されます。
主な罰則
- 設計基準を超える荷重の増加・荷重種類の変更:住宅の場合、責任者などに1,000元以上1万元以下、施工会社に1万元以上10万元以下の罰金。住宅以外の場合、責任者などに1万元以上10万元以下、施工会社に10万元以上30万元以下の罰金。
- 安全鑑定を委託しない:期限までに是正しない場合、1万元以上3万元以下の罰金。情状が重い場合は3万元以上10万元以下の罰金。
- 危険建物を生産経営の場所として使用する、または居住用に賃貸する:期限までに是正しない場合、3万元以上10万元以下の罰金。
参考情報
江蘇省人民代表大会常務委員会「江苏省房屋使用安全管理条例」:https://www.jsrd.gov.cn/qwfb/sjfg/202610/t20261014_1364683.shtml
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