2026年10月27日、米国運輸省パイプライン・危険物安全庁(PHMSA)は、危険物規則(HMR、49 CFR)を最新の国際基準と整合させるための規程案(HM-215S)を連邦官報で公表しました。国連「危険物輸送に関する勧告」(モデル規則)第24改訂版、国際海上危険物規程(IMDGコード)第43-26改正、国際民間航空機関(ICAO)技術指針2027-2028年版、化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)第11改訂版などを取り込み、正式品名、危険性クラス、容器等級、特別規定、容器の使用許可、航空輸送の数量制限、船舶の積付け要件を改正する内容です。国際規則との一貫性を保ち、米国内の事業者等の負担を軽減することを趣旨としています。リチウム金属電池とナトリウムイオン電池に個別の国連番号を設ける案も含まれます。意見提出期限は2026年12月28日です。
取り込む主な国際基準
- 国連モデル規則 第24改訂版(2025年)、国連試験およびクライテリアマニュアル 第8改訂版修正1
- GHS 第11改訂版
- ICAO技術指針 2027-2028年版
- IMDGコード 第43-26改正(2026年版)。同改正は2027年1月1日から義務化されます
- 海上人命安全条約(SOLAS)第II-2章、カナダ危険物輸送規則の2024年改正、ISO規格(ISO 10297:2024、ISO 11623:2023等)
リチウム電池・ナトリウムイオン電池関連の改正案
- 貨物輸送ユニットに搭載された電池の品目「UN3536」を3つに分割し、UN3536をリチウムイオン電池に限定、リチウム金属電池はUN3563、ナトリウムイオン電池はUN3564として別個に扱う案です。緊急対応者が電池の化学組成を識別しやすくすることが狙いです。
- リチウムイオンセルとナトリウムイオンセルの両方を含む「ハイブリッド電池」について特別規定410を新設し、リチウムイオン電池の規定に従って試験・梱包し、各セルが国連試験マニュアル第III部38.3節の要件を満たすことを求めます。小型電池の輸送では定格を100Wh以下とし、外装に表示する案です。
- 小型のリチウムイオン・ナトリウムイオンのセルについて、UN3363(機器に含まれる危険物)の物品への使用を認めます。
その他の主な改正案
- 腐食性のクロロフェノール類の品目(UN3561、UN3562)を新設
- 吸入性粒子を10%以上含む五酸化バナジウムに容器等級IIの品目を新設、安定剤入りアクリル酸ブチルに容器等級IIの品目を追加
- 酸化エチレンの品目にクラス8(腐食性物質)の副次危険性を追加、ムスクキシレン(UN2956)の少量危険物輸送を削除
- MRIスキャナー(特別規定411)、ジメチルエーテルを最大12%混合した液化石油ガス(同412)、液体有機水素キャリアの水素量の上限(同413)に関する特別規定を新設
- 「大型容器」の容積を内容積と明確化し、「単一容器」の定義を追加
取り込まない国際規定
- シリンダーの定義改正、カテゴリーAの感染性物質の例示リスト、再生プラスチック製IBC容器の規定などは採用しない方針です。
- 改正対象は49 CFRの第171、172、173、175、176、178、180部です。
参考情報
米国連邦官報(2026年10月27日)「Hazardous Materials: Harmonization With International Standards」:https://www.federalregister.gov/d/2026-21922
米国政府出版局(GovInfo)同文書PDF:https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2026-10-27/pdf/2026-21922.pdf


