2023年に改正のあった基準の告示

2023年08月08日、会計職連盟（FAP, Federation of Accounting Professions)は会計基準に関する告示を官報公布しました。これらは全て官報公布日同日より施行されています。

会計職連盟とは「2004年会計職法」により定められた、会計基準の策定や会計担当者の監督や倫理規約の設定を担う機関です。

タイの会計基準

タイの会計基準は前述の「2004年会計職法」の定めに基づき会計職連盟が組織する「会計基準策定委員会」が策定、会計職連盟の監督機関である会計職監督委員会（The Board of Supervision of Accounting Professions）の承認を経て官報公布され施行となります。

現在、タイの会計基準は適用対象企業によって下記2つが存在しています。
▪TFRS for PAEs (Publicly Accountable Entities)
公的説明責任を有する企業向けの基準（上場企業向け基準）です。会計基準（TAS）、財務報告基準（TFRS）および同解釈指針（TFRIC、TSIC）の3の基準から構成されており、いずれも国際的基準（国際会計基準（IAS）、国際財務報告基準（IFRS）および解釈指針（IFRIC、SIC））に準じた内容となっています。

▪TFRS for NPAEs (Non-Publicly Accountable Entities）
公的説明責任を有しない企業向け基準（非上場企業向けの基準）で、タイ独自の会計基準となっており一部の会計処理が免除されます。多くの日系企業が採用しています。

今回の告示による改正

今回公表された改正はTFRS for PAEsの会計基準（TAS)および財務報告基準（TFRS)に関するものとなります。以下、それぞれの基準を網羅、今回改正があったものに改正告知番号とそのリンクを貼っています。

TFRS for NPAEs (Non-Publicly Accountable Entities）について

多くの日系企業が採用しているTFRS for NPAEs (Non-Publicly Accountable Entities、非上場企業向けの基準）の概要は下記の通りです。TFRS for PAEsを適用することも可能ですがTFRS for PAEsは幅広い内容が規定され実務的に負担が多く、採用するメリットが少ないためほとんどがTFRS for NPAEsを適用しています。