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2024年11月20日、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、2024年09月19日に提案された連邦自動車安全基準(FMVSS)の規則案策定通知(NPRM)における意見募集期間を30日間延期しました。2024年09月19日、NHTSAは、乗用車との衝突で歩行者が重傷または死亡に至ってしまうケースを削減する目的で、歩行者の安全性に関するグローバル・テクニカル・レギュレーション(GTR、世界技術規則ともいう)No.9を基盤とした、新しいFMVSSを提案していました。そして、このFMVSSのNPRMに対する意見募集期間を2024年11月18日までとしていました。
今回、NHTSAは意見募集期間の延長要請を受けたため、期間を30日延長し、2024年12月18日までとしました。
連邦自動車安全基準(FMVSS)とは
連邦自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standard、FMVSS)と、自動車の設計、構造、性能、耐久性の要件、および自動車の安全に関わる各設備、システム、および設計機能を規制しています。FMVSSは、車両規制調和世界フォーラムによって設計された国連規則のいわゆる米国版となっています。1966年の国家交通・自動車安全法(National Traffic and Motor Vehicle Safety Act)の法定認可に従って、米国運輸省(U.S. Department of Transportation、USDOT)の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration、NHTSA)によって成文化され施行されています。FMVSSの要件は定期的に更新され、年々厳しくなることが特徴です。
グローバル・テクニカル・レギュレーション(GTR)とは
グローバル・テクニカル・レギュレーション(global technical regulation、GTR、世界技術規則ともいう)とは、自動車とその部品の安全性、環境への影響を抑える機能の向上、自動車の国際流通の円滑化を図るために、各国ごとに異なっている自動車関連の技術上の基準を世界的に調和させることを目的として、1998年に国連で採択された協定です。1998年以降、今回関連しているNo.9に加えて、以下の内容に関する規則が追補として補足されています。
追補された国際技術規則
No. 1: ドアロック
No. 2: WMTC
No. 3: 二輪車のブレーキ
No. 4: WHDC
No. 5: WWH-OBD
No. 6: 安全ガラス
No. 7: ヘッドレスト
No. 8: 横滑り防止装置
No. 9: 歩行者安全
No. 10: 海洋環境試験
No. 11: エンジン
No.12: (無し)
No. 13: 水素および燃料電池自動車
No. 14: ポール側面衝突
No. 15: 世界調和軽自動車試験手順
No. 16: タイヤ
No. 17: L-カテゴリー車両のクランクケースおよび蒸散排出ガス
No. 18: L-カテゴリー車両の車載診断(OBD)システム
No. 19: 世界的に調和された軽自動車試験手順(WLTP EVAP)のEVAP排出ガス試験手順
No. 20: 電気自動車安全(EVS)
No. 21: 電動車両電力(DEVP)の測定
No. 22: 電化軽量車両の車載バッテリーの耐久性
No. 23: 汚染防止装置の耐久性に関する内燃機関搭載の2輪および3輪車両の測定手順
No. 24: 軽量車両のブレーキ排出ガスの実験室測定
2024年9月19日に提案された規則案策定通知(NPRM)の背景
NHTSAでは、2022年に発生した歩行者の死亡事故の88%は車両の衝突によるものと発表しています。また、車両のフロント部分への衝突による死亡者数は多目的乗用車(49%)が最も多く、次いで乗用車(37%)とも発表しています。
NHTSAは2024年09月、新しいFMVSSである「歩行者頭部保護」の規則案を通知(規則案策定通知、Notice of Proposed Rulemaking、NPRM)しました。この規則案は、乗用車、小型トラック、スポーツ用多目的車(SUV)やバンを含む多目的乗用車、車両総重量が1万ポンド(4,536キログラム)以下のバスなどを対象にしています。
NHTSAは、この規則案において、歩行者保護に関する「GTR No.9:歩行者安全」基準の「歩行者頭部保護」部分を基盤として取り入れ、人の頭部がボンネットと衝突することをシミュレーションする試験の手順や、頭部損傷のリスクを最小限に抑えるための性能要件などを盛り込みました。
NPRMに対する意見募集期間の延長理由
2024年10月17日、NHTSAはAlliance of Automotive Innovation (Auto Innovators、「自動車革新連合」の意味)から30日間の意見募集期間延長の要請を受けました。要請者は、NPRMの詳細な検討を行い、提案に対する意見を提出するには、予備的規制影響分析をより詳細に行うため、延長が必要であると主張しました。具体的には、要請者は,規則の変更を実行できる可能性や規則の複雑性を評価し,予期せぬコストなどを十分に評価する必要があると指摘しました。これを受けて、NHTSAはこの指摘を取り入れ、今回意見募集期間の延長を決定しました。
この規則の最終決定内容は、自動車の車両や関連製品の製造、流通などに関わる事業体に影響を及ぼします。




