2026年09月09日、米国国家道路交通安全局(NHTSA)は、幼児用補助装置(チャイルドシート)に関する連邦自動車安全基準(FMVSS)第213号、第213a号および第213b号を改正する最終規程を公布しました(91 FR 57265、Docket No. NHTSA-2025-0046)。改正では、スクールバス用の幼児用補助装置を側面衝突保護要件および下部アンカー装着要件の適用対象から除外し、座席背面または座席背面と座面に取り付けて使用する旨の表示を求めます。また、前向き使用の装置の側面衝突試験にCRABI-12MOダミーを用いないことを明確化しました。発効日は2026年10月09日で、第213a号の遵守期限は当初の2025年06月30日から2026年12月05日へ延期されています。
改正の背景
側面衝突保護を定める第213a号は2022年06月に、第213b号は2023年12月にそれぞれ制定されました。その後、スクールバス用の装置の製造者および小規模製造者の団体から再考の申立てが提出され、国家道路交通安全局はこれらを新たな規則制定の申立てとして取り扱い、2025年05月30日に改正案(90 FR 23009)を公表していました。今回の最終規程は、その手続を経たものです。
スクールバス用装置の適用除外
改正後の第213a号S4に「スクールバス用幼児用補助装置」の定義が追加され、スクールバスの座席専用に製造・販売される付加型の装置(ハーネスを含む)で、所定の表示を備えるものが該当することとされました。これらの装置について、次の取扱いが定められています。
- 第213a号の側面衝突保護要件の適用から除外する
- 第213号および第213b号S5.9(a)の下部アンカー装着要件の適用から除外する
- 座席背面取付け、または座席背面と座面への取付けを用いる旨の表示(ラベル)を必須とする
スクールバスは、高い座席背面と密に配置された座席による区画化(コンパートメンタリゼーション)によって乗員を保護する構造であり、乗用車を前提とした側面衝突試験および下部アンカーの要件が適合しないことが除外の理由とされています。
試験手順の見直し
前向き使用の装置に対する側面衝突試験については、CRABI-12MOダミーを使用しないことが明文化されました。あわせて、ダミーの位置決め手順のうち後向き使用時の腕の位置決めが統一され、前向き使用に関する規定(S9.1(c)および(d))が削除されています。国家道路交通安全局は、この見直しにより年間約129万ドルの試験費用が削減されると見込んでいます。
遵守期限と事業者の対応
主な期日は次のとおりです。
- 発効日:2026年10月09日
- 第213a号の遵守期限:2026年12月05日
- 第213b号の表示要件の遵守期限:2026年12月05日
- 第213号の表示要件の遵守期限:2026年12月08日
- 再考の申立ての期限:2026年10月26日
各基準への任意の早期遵守は認められています。幼児用補助装置の製造者・輸入者は、遵守期限までに表示の変更と試験成績の整理を完了する必要があります。特にスクールバス用装置を扱う事業者は、新たな定義に該当するかどうかの確認と、必要な表示の追加が求められます。
参考情報
米国連邦官報(Federal Register)「Federal Motor Vehicle Safety Standards; Child Restraint Systems; Side Impact Protection」




