2026年09月11日、米国連邦通信委員会(FCC)は、通信機器の認証制度における供給網の安全保障規制を強化する最終規則を連邦官報に掲載しました(ET Docket No. 21-232、FCC 26-50、91 FR 57798)。発効日は2026年10月13日です。今回の規則は、「対象リスト(Covered List)」に掲載された事業者が製造するロジック搭載ハードウェア部品を組み込む機器について、機器全体の製造者が誰であるかを問わず認証を禁止するもので、規制の範囲を部品の単位にまで広げる点に特徴があります。あわせて、オンラインマーケットプレイスを機器のマーケティング規制の対象に含め、FCC IDの表示義務を課すなど、流通段階の規律も強化されます。
対象となる機器と事業者
- 対象リスト掲載事業者が製造するロジック搭載ハードウェア部品を組み込む機器
- オンラインマーケットプレイス(高取扱量の第三者販売者による出品を含む)
- 対象リスト掲載事業者による機器の改変
「ロジック搭載ハードウェア部品」は、「毎秒9,000パルスを超える速度で動作するデジタル処理デバイス」または「データ処理機能(計算、保存、転送)を実行する無線周波数信号の生成・使用デバイス」と定義され、機械的部品および受動部品は除外されます。
新たに設けられる規制
- 部品に由来する認証の禁止(§2.903):対象部品を組み込む機器は、新規の認証申請が認められなくなります。発行後30日で効力を生じ、以降の新規申請に適用されます。既に認証を受けた機器は対象外です。
- 簡易変更手続の排除(§2.932、§2.1043):対象リスト掲載事業者による機器の改変には簡易変更手続を用いることができず、完全な再認証が必要となります。適合性自己宣言(SDoC)の利用も認められません。
- マーケティング規制の拡張(§2.803):オンラインマーケットプレイスが、委託販売、倉庫保管、在庫管理、注文処理、ラベリング、梱包、請求、フルフィルメントの各サービスを提供する場合、第三者販売者の出品であっても執行の対象となります。
- FCC IDの表示義務:機器に物理的に接触し、または機器を所有する事業者は2027年03月01日、第三者出品者は2027年06月01日から適用されます。
- 「重要インフラ」定義の改定(§1.50001):16の重要インフラ分野において55の国家的に重要な機能の提供に用いられるシステムおよび資産、と定義が改められ、従前の「接続される」という文言が削除されました。
経過措置
- 規則の発効前に行われていた出品は、改変または更新が行われるまで新たな要件の適用を受けません。
- 無人航空機システム(UAS)およびルーターに関する限定的な免除は、2029年01月01日まで継続されます。
費用と便益の見積り
FCCは、実装費用を一度限りで最大3億ドル、継続的な費用を年間4,000万ドル未満と見積もり、便益を年間10億ドル超と推計しています。費用の主たる部分は、オンラインマーケットプレイスにおけるシステム更新です。
参考情報
連邦官報(Federal Register)




