EU|化学製品分野のEU法令を簡素化し、企業の法的確実性を高めることを目的としたメカニズムの提案を公表

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EU|化学製品分野のEU法令を簡素化し、企業の法的確実性を高めることを目的としたメカニズムの提案を公表

化学製品分野のEU法令を簡素化について

2025年09月24日、欧州理事会は、化学製品分野のEU法令を簡素化し、企業の法的確実性を高めることを目的とした「ストップ・ザ・クロック(Stop-the-clock)」メカニズムの提案について公表しました。これを受けて、加盟国代表が理事会として同提案への立場を承認し、化学物質のCLP規則(EC)1272/2008の改正の適用開始を2028年01月01日まで延期する方針が決定しました。本決定により、企業は新たな表示や書式要件などへの対応準備期間を確保できるようになりました。

背景

■ 欧州委員会は、2024年10月の欧州理事会および同年11月8日のブダペスト宣言で掲げられた「規制の簡素化」と「競争力の強化」の方針に基づき、2025年上半期に「オムニバス」6つのパッケージを順次提案しました。そのうち「オムニバスVI」は化学製品に関するEU法令の簡素化を目的としており、特に、中小企業を含む経済事業者が直面する行政的・規制的・報告上の負担を軽減しつつ、高い消費者保護水準を維持することが狙いです。

■ この中で、「ストップ・ザ・クロック」提案は、CLP規則(EC)1272/2008改正の適用期日を延期するものとして位置づけられました。その背景には、規則改正による新たなラベル表示や広告、通信販売、燃料ポンプの表示などに関する要件が企業活動に大きな影響を及ぼすことがあり、十分な準備期間の確保が必要とされた事情があります。そのため、企業の法的確実性を担保する重要な措置と位置づけつつ、加盟国間の合意形成を最優先として作業が進められてきました。

概要

■ 今回の商人により、CLP規則(EC)1272/2008改正の適用開始日を2028年01月01日に延期することが明確に示されました。これにより、企業は新たな表示様式や広告、通信販売に関する義務に対応するための追加猶予を得ることになります。改正規則が複数の法令で同様の義務を規定している場合でも、異なる施行日による混乱を回避できる点が大きな利点です。

■ この変更により、企業は再表示やパッケージデザイン、デジタル広告表記などに関するシステム整備・在庫管理・マーケティング戦略の再構築を行う必要があります。特に化学製品を通信販売する事業者や燃料小売業者は、新しい書式や表示義務に合わせた対応を段階的に進めることが求められます。加盟国当局にとっても、監視やガイドラインの更新を新しいスケジュールに合わせて調整することが必要になります。

■ 一方で、欧州委員会が同パッケージの一環として提案しているCLP規則(EC)1272/2008の実質的な改正内容については、今後の欧州議会との交渉でさらに検討が進められます。今回の延期措置は、その交渉を円滑に進めるための時間的猶予も確保するものであり、制度設計上の調整を可能にする重要な前段階と位置づけられています。

■ このように、「ストップ・ザ・クロック(Stop-the-clock)」メカニズムの導入は、企業の負担軽減と法的安定性の確保を目的とした実務的対応であり、最終的にはEU全体の産業競争力を高めることにつながるものです。今後は、議長国が欧州議会と協議を行い、最終合意を目指す段階に入ります。

参考情報

理事会、企業に法的確実性を提供するための化学物質分野における「ストップ・ザ・クロック」メカニズムを承認

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