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コバルトリッチ・フェロマンガン・クラスト(Cobalt-rich Ferromanganese Crusts)

国際海底機関(ISA)の関連文書や規則で用いられるコバルトリッチ・フェロマンガン・クラスト(Cobalt-rich Ferromanganese Crusts)は、そのままコバルトや鉄-マンガンが豊富なクラスト(地殻)を指します。

コバルトに富むフェロマンガンの地殻は、火山活動が活発な地域の水深400メートル以下から5000メートル以上の浅い場所で発生する。この地殻は、海山、尾根、台地のある地域や、卓越した海流によって未固結の堆積物が堆積しない場所で、海水に溶けた金属の沈殿によって火山起源の硬い岩盤の上に成長し、これらの地形の高さの上に広い範囲を占めている。多くの場合、これらの堆積物は各国の排他的経済水域(EEZ)内に存在する。

コバルトクラストは、多金属の団塊と一般的な組成が似ているため、ニッケルやマンガンの他に、より高いコバルトの割合(最大2%)、プラチナ(0.0001%)、希土類元素(REE)の探査への投資を集めている。

ISA

また、日本政府の「海洋エネルギー・鉱物資源基本計画」では、次のように説明されています。

コバルトリッチクラストは、海山斜面から山頂部にかけて、海底の岩盤を皮殻状に覆うマンガン酸化物で、特に電池の正極材等に用いられるコバルトの品位がマンガン団塊に比べ 3 倍程度高いことを始め、EV・電化を背景として需要の増大が見込まれる複数の重要なレアメタルを高品位で含む特徴がある。

コバルトリッチクラストは、公海の海底及びその下(いずれかの国の大陸棚に属する部分を除く。以下、「深海底」という。)に加えて我が国周辺海域にも存在することが判明しており、水深 800m~2,400m 付近の海山平頂部といった海洋鉱物資源の中でも比較的水深の浅い箇所に分布している。

資源エネルギー庁「海洋エネルギー・鉱物資源基本計画」

日本

資源エネルギー庁の「海洋エネルギー・鉱物資源基本計画」では、資源量調査を南鳥島周辺の排他的経済水域の大陸棚や延長大陸棚について実施、分布状況を調査するとしていたほか、採鉱・揚鉱技術の検討、選鉱・製錬技術についてのパイロットプラントを含めた検討、環境影響評価のための海域の環境特性把握を行うとしていました。

採鉱・揚鉱技術については、パイロット試験の結果を踏まえて、コバルトリッチクラストに適した掘削方式を選定したことが報告されています。今後、実海域での試験によりコバルトリッチクラスト用採鉱機の検討に必要なデータを収集しつつ、最適な採鉱・揚鉱システムを確立を目指すとされています。

選鉱・製錬技術については、更なる検討に必要な量の実鉱石を対象として、鉱石の状態に応じた効率的・低コストの選鉱・製錬技術を検討する必要があることが指摘されています。

資源量調査については、2023年12月までに、ISA探査規則に基づき、鉱区の最終絞り込みを行うとしています。ISAのマイニングコードの一つであるコバルトリッチクラスト探査規則では、契約日から 8 年目に当初の契約鉱区の1/3、10 年目までに更に契約鉱区の 1/3 を放棄することが義務付けられています。

 

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