2026年08月28日、米国ニュージャージー州のミキー・シェリル知事は、飲食店等による酒類の持ち帰り販売および配達を恒久的に認める法案(S 4384)に署名しました。この措置は新型コロナウイルス感染症への対応として時限的に導入されたもので、2026年9月1日に失効する予定でしたが、今回の署名によって恒久的な制度となりました。対象となるのは、レストラン、ホテル、バー等の小売消費免許(retail consumption license)保有者と、クラフト蒸留所免許保有者です。小売消費免許保有者は、原容器に入った酒類または密封容器に入ったミックス飲料を店外消費用に販売できるほか、自ら又は第三者の配達サービスを通じて消費者へ配達することが認められます。ホスピタリティ業界にとっては、店内飲食に加えた販売経路が恒久的に維持されることになります。
恒久化された措置の背景
今回恒久化された持ち帰り・配達の仕組みは、新型コロナウイルス感染症の流行期に飲食店等の売上を支えるために導入された時限措置でした。期限の到来による失効を待たずに恒久措置へ切り替えることが今回の法律の趣旨です。知事は署名にあたり、「Cocktails to-go worked, customers liked it, and small businesses told us it was another way to bring in revenue.(持ち帰りカクテルはうまく機能し、顧客に好まれ、小規模事業者からは収益を得るもう一つの手段だと言われてきた)」と述べています。
小売消費免許保有者に認められる範囲
レストラン、ホテル、バー等の小売消費免許保有者について、次の行為が認められます。
- 店内において、原容器に入ったあらゆる種類の酒類を、店外消費用に販売すること
- 店内において、密封容器に入ったミックス飲料を、店外消費用に販売すること
- 密封容器に入ったミックス飲料、または原容器に入り密封されたビール・ハードセルツァーを、消費者へ配達すること
- 配達は、免許を有する事業者が自ら行うほか、第三者の配達サービスを通じて行うことも可能
クラフト蒸留所免許保有者に認められる範囲
クラフト蒸留所免許保有者については、次の行為が認められます。
- 自ら製造した蒸留酒を用いたミックス飲料を、店内で販売すること
- 改ざん防止シール(tamper-evident seal)を施した容器により、ミックス飲料を店外消費用に販売すること
- 自ら製造した蒸留酒を原容器で、ノンアルコール飲料や食品とあわせて販売すること
事業者にとっての意味
持ち帰り・配達を行う場合、ミックス飲料は密封容器によること、クラフト蒸留所の店外販売は改ざん防止シールを施すことが前提となります。容器や封緘の運用がそのまま販売可否を左右するため、既に持ち帰り販売を行っている事業者も、容器仕様と封緘手順が要件を満たしているかを改めて確認しておくことが有効です。あわせて、これまで時限措置の延長を前提に組んでいた販売計画や配達委託の契約についても、恒久措置を前提とした見直しが可能になります。
参考情報
Office of the Governor, State of New Jersey|Press Releases
https://www.nj.gov/governor/news/2026/approved/20260828a.shtml



