2026年10月22日、米国大統領は、「ミスティック・アラート法」(Mystic Alerts Act、H.R. 7022)に署名し、同法が成立しました(Public Law No. 119-136)。同法は、無線緊急警報を自主的に送信し、かつ契約者に衛星による音声・データ通信サービスを提供している商用移動通信サービス事業者に対し、衛星経由でも緊急警報を送信するか否かを連邦通信委員会(FCC)に届け出ることを義務付けるものです。あわせてFCCに対し、衛星による警報送信に必要な要件を定める規程案策定通知(NPRM)の公表と最終規程の策定を求めています。衛星経由で送信する事業者には追加料金の禁止や契約者の受信拒否設定の尊重が求められ、送信しない事業者には契約者への通知が求められます。衛星通信サービスを提供する携帯通信事業者は、今後のFCCの規則制定の動向を確認する必要があります。
対象となる事業者
同法の「対象サービス事業者」(covered service provider)は、次の両方に該当する商用移動通信サービス事業者です。
- 警報・警告・対応ネットワーク法(Warning, Alert, and Response Network Act)第602条(b)に基づき、緊急警報の送信を自主的に選択していること
- 自社の商用移動通信サービスの契約者に、衛星による音声・データ通信サービスを提供していること
事業者の義務
- FCCの最終規程の施行日から60日以内に、衛星経由で緊急警報を送信するか否かの選択をFCCに届け出る必要があります。
- 送信を選択した場合:FCCに通知し、FCCが定める技術基準・プロトコル・手続等に沿って送信することに同意する必要があります。受信拒否を選択した契約者の端末には衛星経由でも警報が届かないようにしなければならず、衛星経由の送信や機能に別途・追加の料金を課すことは禁止されます。
- 送信しないことを選択した場合:新規・既存の契約者に対し、警報・警告・対応ネットワーク法の規定と同様の方法でその旨を通知する必要があります。
FCCの規則制定スケジュール
- 制定日から6か月以内にNPRMを公表
- 制定日から18か月以内に、国土安全保障長官および連邦緊急事態管理庁(FEMA)長官と協議のうえ最終規程を策定
- 最終規程の施行日は、連邦官報掲載から36か月後、または国土安全保障長官とFEMA長官が警報送信に必要な基準等を実施してから12か月後のいずれか遅い日
責任の制限
義務を履行して衛星経由で警報を送信する事業者(役員・従業員・委託先等を含む)は、警報の送信または不送信に関連する作為・不作為等について、契約者や利用者に対して責任を負いません。衛星経由で送信しないとの選択それ自体も、責任の根拠とはならないとされています。
参考情報
Congress.gov「H.R.7022 – Mystic Alerts Act」:https://www.congress.gov/bill/119th-congress/house-bill/7022?hl=%22119%7C2026-10-15%22&s=1&r=6
GovInfo「Public Law 119-136 – Mystic Alerts Act」:https://www.govinfo.gov/app/details/PLAW-119publ136




